つまり何が起こるかというと、ITを最大限に活用出来る企業はリモートワークにより、生産効率の向上、従業員の満足度の向上、コスト削減を同時に成し遂げ、それが出来ない企業との生産性の差がますます開くことになります。
これが、そもそも起こりつつある「外からのデジタル・トランフォーメーション(既存の企業がITを活用して事業形態を改善するのではなく、ITを駆使した新規参入企業が業界のあり方を根本的に変えてしまうこと)」をさらに加速することは確実だと思います。
つまり、コロナ後に活躍できるのは、オフィススペースは最小限に留め、世界中から優秀な人材を雇い(しかし、移住・移動は不要)、様々なオンライン・ツールを最大限に活用して、従来型の企業よりもはるかに生産性の高い仕事をする筋肉質な企業だけ、ということになります。
そんな企業で働く人たちは、通勤が不要になって「満員電車」や「渋滞」から解放されるだけでなく、人口密度が高く地価の高い都心に住む必要すらなくなるため、ライフスタイルに合わせた好き勝手な場所で暮らしながら働くことが可能になります。
結果として、普段は「海岸」「スキー場」「ゴルフ場」のようなリゾート地で人生を楽しみながら働き、たまに都会に出て食事やコンサートを楽しむという贅沢なライフスタイルが、そんな企業で働く人たちにとっては当たり前の時代が来ようとしているのです。
そうは言っても、この手の変化の影響が社会全体にまで及ぶには長い時間がかかるでしょうが、中長期的に見れば、都市部で、富裕層の脱出と失業者やホームレスの増加が同時に起こり、不動産価格の低迷だけでなく、犯罪率の増加や、スラム化までが起こっても不思議ではないと思います。
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