巧くコントロールされた中国隔離?
さらにキャンベルは言う。
アジア諸国が中国と緊密な経済関係を築いている中では中国を米国から完全に切り離す(decouple)ことはできない。インド太平洋諸国に米中いずれかの踏み絵を踏ませることは無理だ。
中国を宥め、諭し、地域の主要な機構への中国の参加を確保し、ルールに基づく通商、地球環境・インフラ建設・コロナ対策等における国際協力にも引き込んでいく。しかし、中国が秩序を脅かすようなことをする時は、集団的な罰を加えなければならない。
こうして見ると、米国自身が依然として暗中模索の状態であることがよく分かる。そうなる根本原因は、本誌が前々から言い続けているように、覇権の時代はすでに終わっていて、米中関係はどちらがどちらを打ち負かすかという問題であることを止めている。ところが、双方の国内にそう思い切ることが出来ない旧態依然の勢力が根強くあって、それが撹乱要因となって双方の上から下までの冷静な状況認識を妨げ、中途半端な政策決定を招いているのである。(メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2021年1月25日号より一部抜粋・文中敬称略)
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