日本に国際社会の混乱解決は可能か
今回の事態には、中国の影が色濃く見えるのですが、バイデン大統領のアメリカはどうするのでしょうか?
バイデン大統領は非常に難しいかじ取りを迫られると考えます。
民主化を達成した10年前以前の状況に戻り、権限が再び軍事政権の影響下に置かれたことで、バイデン政権は対ミャンマー制裁の再開に出るかもしれません。
それに加えて、対中外交における人権問題のクローズアップに影響されて、アメリカの対ミャンマー制裁でも人権問題が大きな理由となるものと思われます。
しかし、バイデン政権による対ミャンマー制裁の再発動は、これまで10年間に培ってきた友好的な経済関係と、ミャンマー国内のアメリカの資産を一瞬にして失う危険性を秘めています。
特にクーデターを引き起こし、迅速に政権奪取を行った国軍には、中国の後ろ盾があることが明白である状況下で、欧米資本が撤退した穴は、迅速に中国が埋めにかかり、ミャンマーはもちろん、周辺国における中国の影響力と支配力は格段に上がることになると思われます。
ミャンマーを舞台に、世界、特にアジア太平洋地域で明確化する【台頭する中国と衰退する米国】という図式がさらにはっきりと見えてきます。
今回の国軍の行いをクーデターと認定したアメリカ政府と多くの欧州各国。そして、それに追随するかのようにクーデター認定した日本政府。
事態による混乱を懸念しつつも、肯定も批判もしない東南アジア諸国。
明らかにクーデターの背後にいる中国。
そして、中国への牽制と警戒、そして南アジアでの権益の死守のために声を上げるモディ首相のインド。
小さく、貧しいながら、ミャンマーはその地政学上の戦略的位置ゆえ、世界の大国間の争いの主戦場に躍り出てしまいました。
ミャンマーとは友好関係が強いと思われる日本。そして、多くの商社やメーカーが挙って進出した日本。
この未曽有の混乱とパワーゲームの中で、どのような役割を果たしていくのか。米中双方にモノが言え、東南アジア諸国からも大事にされる日本。
もしかしたら、この混乱を解決するカギを日本が持っているかもしれません。
皆さんはどうお考えになるでしょうか?またご意見、ぜひお聞かせください。
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