テスラはビットコイン不要論に傾くか?イーロン・マスクが「世界初の自動運転車」を宣言する日

 

日本は、地方で高齢者の足が奪われつつある現状を考えれば、高齢者向けの自動運転バスの需要は明らかにあり、このニーズを上手に活用すれば、「ロボットバス」先進国になるチャンスは十分にあると思います。私が地方自治体の長であれば、あらかじめ定まった道路だけを低速(時速40キロ以下)でオンデマンドで走る自動運転バス(7~8人乗り)を導入し、それで、路線バスや(旅館、ゴルフ場、老人ホームの)送迎バスを置き換えることに思いっきり力を入れるだろうと思います。

トヨタ自動車が本気でe-palette(トヨタが2018年に発表した、移動や物流、物販など多目的に活用できるモビリティサービスを目指した次世代EVコンセプトカー)で勝負したいのであれば、これ(日本の地方の高齢者の足)こそが、最初の一歩(Business Entry Strategy)として最適であり、長期ビジョンのスマートシティとも親和性が良いと思います。

オンデマンドの配車問題は、最適解を求めることは「巡回セールスマン問題」と同じく困難ですが、「十分に実用的な答え」を見つけることはそれほど難しくもなく、私も bus2.0 というプロトタイプを1年ほど前に作りました。オープンソース化してあるので(https://github.com/snakajima/bus20)、興味のある方は是非ともご覧ください。マルチコアをどう活用するかなどの観点からも、ソースコードを読むだけで良い勉強になると思います。

ちなみに、自動運転車も完璧ではないので、今後さまざまな事故を起こすのは当然ですが、特に人命の損失に繋がる事故を起こすたびに、メディアが大騒ぎをし、その副反応として、(自動運転車やその技術を提供している会社の)株価が大きく下げたり、最悪の場合は、自動運転機能を一時停止せざるを得ない状況に追い込まれることが繰り返されると思います。

その際には、人間が運転する自動車もある一定の確率で事故を起こすことを忘れ、「自動運転技術はまだ未熟だ」とか「機械に頼りすぎるのは危ない」などのネガティブな情報が、株を空売りしているショートセラー筋から発せられて、株が乱高下することになります。

テスラ車は、しばらく死亡事故を起こしていませんが、次に起こした時には、(少なくとも一時的に)株価が大きく下がることはほぼ確実なので、株を持っている人は、ある程度の覚悟をしておく必要があります。

メディアやショートセラーがなんと言おうと、自動運転技術は進歩を続け、ある時点で必ず人間が運転する自動車よりも安全になり、最終的には「人間が運転する自動車なんて危なくて仕方がない」と多くの人が思うようになるので、そんな時代を見据えた長期的な投資戦略が必要です。

 

いま読まれてます

  • テスラはビットコイン不要論に傾くか?イーロン・マスクが「世界初の自動運転車」を宣言する日
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け