年金保険料を安くしたいなら「4・5・6月はあまり稼ぐな」って本当?

 

さて、定時決定をやると翌年8月までの厚生年金保険料額は一定になりますが、その間給与に割と大きな変動があると随時に標準報酬月額を変更します。昇給とか降給とかで「固定的賃金」に変動があり、変動があった月から3ヶ月の間に支払われた報酬(残業手当等の固定的ではない賃金も含む)の平均が、従来の標準報酬月額よりも2段階(2等級)以上の差が出来たら標準報酬月額を変更します。随時改定とか月変(げっぺん)ともいいます。

例えば、上の定時決定で使った報酬に比べて12月に321,600円、1月に344,500円、2月に342,000円になり、どの月も17日以上は働いてるって事で平均すると336,033円になります。そして下のリンクの標準報酬月額表に当てはめると標準報酬月額が従来の300,000円から2等級高い標準報酬月額340,000円になりました。

標準報酬月額表(日本年金機構)

だから、3月から(給与変動月から4ヶ月目に変更する)は標準報酬月額が340,000円になってこれに厚生年金保険料率を掛けて保険料徴収します。340,000円×9.15%=31,110円に保険料がアップしてしまった。この標準報酬月額とか標準賞与額というのが将来貰う厚生年金額に影響してきます。だから、標準報酬月額や標準賞与額が高い人ほど保険料も多く徴収はされますが、将来の厚生年金額も多く受け取れるわけです。

毎回年金記事には単に「給与」とか「賞与」というふうに簡易に書いてますが、本来は標準報酬月額とか標準賞与額を指してますのでこの機会に覚えていてほしいと思います。

※ 追記

随時改定は1~6月に改定があるとその年の8月まで適用し、7~12月の間に改定があると翌年8月まで適用します。

また、年の途中で厚生年金に加入すると資格取得時決定といって、1~5月に新しく厚生年金に加入したりするとその年の8月まで適用し、6~12月の間に取得すると来年8月まで標準報酬月額を適用します。

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【著者】 年金アドバイザーhiroki 【発行周期】 不定期配信

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