ローラパパ裁判、俺が詳しくレポートしよう
1月30日(金)15時~16時、東京地裁722号法廷(52席、横山浩典裁判官)で「詐欺」の第2回公判。
第1回の様子については、本誌第1412号でレポートした。
今回も傍聴券抽選。当たり券は44枚、並んだのは46人。
マスコミが当てすぎてしまったか、裁判が始まる時点で傍聴人は約40人。途中で半分ほどに減った。
2分間の法廷内撮影が終わってから、被告人が1人で、つまり刑務官とかの同行なしに、通常は身柄の被告人が入廷する脇のドアから現れた。
保釈されたのだ。保釈保証金は300万円だったと、あとで出てくる。
非身柄の被告人は普通、傍聴人と同じエレベータに乗り、同じ廊下を歩き、同じドアから入廷する。
しかし本件被告人にそれをやらせたら芸能マスコミと野次馬が集まって大変…と予測して裁判所が特別扱いをしたのか。
被告人は、コートもズボンも靴も黒。マスクで顔を隠し、パーマの茶髪、濃くて大きな目。
書記官に促されてコートを脱いだ。上着も黒、つかスーツなのだった。黒ボタンのワイシャツ、ノーネクタイ。
今日は、追起訴から始まった。
前回の本起訴分は、バングラデシュの病院にデング熱で入院したと虚偽の書類を作成し、2007年に国民健康保険の海外医療費98万8523円をだまし取ったというもので…。
今回の追起訴分は、同様の方法で、2007年にAIGスター生命保険(当時)から19万6000円を、2012年に第一生命保険から49万円をだまし取ったというもの。
15時28分、検察立証(書証の要旨告知)が終わり、次は弁護人の番だ。
前回、情状証人をどうするか検討中だと弁護人が言ってた。
もしかして、娘であるローラさんが証人出廷? いやいや、他の家族でしょ?
正解は、情状証人なしだった。なしであることを、検察官は突っ込まなかった。
“ローラの家族”をさらすことはしない、そのへん、弁護人、検察官、裁判官の間で合意があったのか。
で、被告人質問。
最初に言っておくと、日本語的に変だな、あるいは、かみ合わないぞ、と感じる部分が多々あった。
通訳人(チョー格好いいおじさん)を介するせいなのか、被告人がはぐらかして答えるせいなのか、考え方の国民性みたいなものによるのか、判然としなかった。
弁護人 「逮捕当初、お金をだまし取ったことはないと否認していましたね?」
被告人 「はい」
弁護人 「その後、認めた…正直に認める気持ちになったのは、なぜですか」
被告人 「子どもたちのことを…」
ここで被告人は、明らかに泣いたふうだった。
被告人 「子どもたちのこと考えて、恥ずかしい…子どもの将来のこと考えると恥ずかしいことなので…」
弁護人 「10月22日に逮捕、1月26日に保釈、97日間、留置場で…この間、どんなことを考えていましたか?」
この質問に対し、被告人は力強く長々としゃべり始めた。
被告人 「勾留され、別世界を味わいました…中に入れられて、普段生活してるとことは…そこで自分をもう一度よく見つめ直すことができました…一生かけて自分を直していきたいというか、90日間(ママ)で自分の中でも大きな変化があり、別人として生まれ変わったような人間になり…」
弁護人 「(保釈保証金の)300万円は誰が用意してくれたんですか?」
被告人 「子どもたちが…」
弁護人 「3件の被害に200万円以上、賠償…」
被害額の合計は約167万円だが、遅延損害金も含めると200万円を超えるらしい。
弁護人 「…これは誰が用意してくれたんですか?」
被告人 「子どもたちが…」
払ったのはぜんぶローラさんだろうが! とは誰も突っ込まなかった。
弁護人 「今後の生活は?」