凍結された億の金とは
証人は被告人と昔からの知り合いで、金の貸し借りもあったんだという。
検察官 「○○さんのことを、被告人から何と聞いてましたか?」
証人 「××(23区内の某区)の会長さんということで、■■さん(被告人)から数回、聞いていました」
検察官 「被告人は、○○さんとはどういう関係だと?」
証人 「長年の友だちで、お金持ってて、自分が迷惑かけてる…儲け話で儲けさせたとか…」
検察官 「平成25年11月14日、再び(被告人と)会った際、1回目の詐欺…被告人が会長に、口座つくってくれれば5億円を入金すると…あなた、銀行員のふりをして…○○さん、500万円入金…」
500万円で銀行口座をつくれば、ごっ、5億円を入金する?いったいどんな詐話(さわ)やねん。
5億円の入金などないまま、同年11月27日、今度は7億円の入金があると言い、300万円をだまし取ったんだという。
裁判官がこんなことを尋ねた。
裁判官 「11月27日、別に凍結されている7億円が動くので…それに対し、○○さんは何と言ったんですか?」
証人 「あ、やっとその金が動くんだなーって」
裁判官 「“その話”を知ってるようだったと?」
証人 「7億というお金のこと、私、ウソだと思っていたので、私は安心しました」
裁判官 「○○さんは、金額だけでなく、動くことを知っていたと?」
証人 「ウソだと思っていたんですが、あ、ほんとにお金があるんだなと、安心しました。ウソの電話してる罪悪感がすごくありましたので」
凍結…やっと動く…。
それってば、凍結されてた、別の大きな詐欺の被害金か?そういう金があることを「会長」は知っており、だからだまされたのか?まさか、「会長」が主導した詐欺?
11時43分に証人尋問は終わり…。
裁判官 「午後は被告人質問を(14時30分から)行いますけど、犯罪の成立自体は争われていない…乙の1とか、7から12とかは、調べていいですかね」
弁護人 「はい」
つーことで、検察書証の要旨告知を少しやり、11時47分閉廷。
凍結された億の金とは何なのか、非常に興味深いんだけど、俺は戻らなかった。
著者/今井亮一
交通違反専門のジャーナリストとして雑誌、書籍、新聞、ラジオ、テレビ等にコメント&執筆。ほぼ毎日裁判所へ通い、空いた時間に警察庁、警視庁、東京地検などで行政文書の開示請求。週に4回届く詳細な裁判傍聴記は、「もしも」の時に役立つこと請け合いです。しかも月額108円!
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