14日のNY市場は、ダウ平均は68ドル安の続落、NASDAQは16ポイント安の3日ぶり反落となりました。バイデン次期大統領の追加経済対策が待たれる状況ですが、日本株はどう動くのでしょうか? きょうにも再び2万9,000円を試すのか、今後の注意点と見通しについて、ツイキャスやYouTubeでも人気の「投資家k.k氏」が配信する投資家k.kメルマガ「勝ち続ける投資家の思考」より、最新の展望をご紹介します。
プロフィール:投資家k.k
2008年国内大手証券会社入社、超富裕層・未上場法人の資金運用を行う業務に従事する。2016年IFAに独立。同会社の経営に参画。2019年より専業投資家へ。日本の金融リテラシー向上に貢献すべく金融教育に重点を置き活動。
投資家k.kメルマガ「勝ち続ける投資家の思考」2021/01/15号より
おはようございます。2021/01/15(金)朝のマーケット解説を配信させて頂きます(※編注:原稿執筆時点1月15日朝6時20分)。
今朝の経済誌から重要なポイントをピックアップします。
<アジア、LNG争奪戦 中国・韓国、寒波で需要増 タンカー不足>
連日報じられているLNG(液化天然ガス)の価格高騰の記事です。LNGのアジアのスポット価格は1ヶ月前の約3倍に急騰しているということです。
LNGは石炭火力よりも二酸化炭素の排出量が少ないため、中国や韓国が環境に配慮しLNG火力に切り替えていることにより需給が急速に逼迫しているという状態です。記録的な寒波が要因と言われておりますが、根底にあるのは「環境対策」「電力需要拡大」の2点だと考えております。
ですので、寒波が去った後も暫くは需給の改善は難しいのではないかと思います。現在、日本はLNG火力の依存度が4割と高い状況ですが、世界各国も石炭火力からLNG火力への切り替えが進むと思いますので、LNGプラントの大手企業は引き続き株価評価の見直しが進むと予想しております。
※参考:LNG、アジアで争奪戦 寒波で中国・韓国の需要増: 日本経済新聞(2021年1月15日配信)
<TSMC、2.9兆円設備投資 今期 半導体需要 急拡大で 売上高・純利益とも最高>
昨日の日本株式市場を大きく動かした台湾半導体大手のTSMCの決算記事です。
TSMCの決算や設備投資計画を見て、世界の半導体需要を判断する投資家が多い事から決算発表前に仕掛け的な大きな動きがありました。直近、日本株の上昇を牽引してきた半導体関連株の一角に一斉に利益確定の売りが出ました。レーザーテック、アドバンテスト、東京エレクトロン、村田製作所などの動きを見ると一目瞭然だと思います。
しかし、TSMCの決算は大変良好な内容であり、見通し・設備投資計画も大変前向きな内容だったため、今後も同セクターへの資金流入は継続するのではないかと予想しております。
日経平均株価、半導体セクターは足元急ピッチで上昇が続いていたため、利益確定が出やすい環境にあり、そこにTSMCの決算というリスクイベント前に仕掛けが入って値動きが荒くなったと考えております。
※参考:TSMC、2.9兆円設備投資 今期、半導体需要急拡大で: 日本経済新聞(2021年1月15日配信)
Next: 本日の投資戦略は?注目すべきポイント
昨日1月14日(木)の日本市場の振り返り
日経平均株価:2万8,698 +241(+0.85%)
TOPIX:1,873.28 +8.88(+0.48%)
マザーズ:1,207.54 -31.22(-2.52%)
14日(木)日本のマーケットは日経平均株価は5日続伸し、2万8,698円で取引を終えました。
1990年8月3日以来およそ30年5ヶ月ぶりの高値となりました。特に目新しい買い材料がない中、寄り付きは小幅にマイナスからのスタートでしたが、すぐに反転し上昇ピッチを上げ一時500円を超える上げ幅を記録し2万9,000円に接近する場面もありました。
2020年11月の機械受注は、市場予想に反して前月比プラスだった事も設備投資需要の回復期待に繋がり日本株の上昇を加速させました。
前日に好決算を好感した買いが入り上昇した安川電機が連日の大幅高。同業のファナックにも買いが継続し日本株の上昇を牽引しました。
節目の2万9,000円付近まで急上昇したことで、利益確定の売りが集中して出始め14時から急速に上げ幅を縮小する場面がありました。前述した通り、台湾半導体大手のTSMCの決算発表を前に日本の半導体関連株に利益確定の売りや仕掛け的な売りが出ました。
東証1部の売買代金は3兆2,420億円と大商いを示す3兆円を超え活況でした。
直近の日米主要指数の推移
<日経平均>
12.22 26,436-278(-1.04%)
12.23 26,524+88(+0.33%)
12.24 26,668+143(+0.54%)
12.25 26,656-11(-0.04%)
12.28 26,854+197(+0.74%)
12.29 27,568+714(+2.66%)
12.30 27,444-123(-0.45%)
1.4 27,258-185(-0.68%)
1.5 27,158-99(-0.37%)
1.6 27,055-102(-0.38%)
1.7 27,490+434(+1.60%)
1.8 28,139+648(+2.36%)
1.11 休場
1.12 28,164+25(+0.09%)
1.13 28,456+292円(+1.04%)
1.14 28,698+241円(+0.85%)
<TOPIX>
12.22 1761.12-27.93(-1.56%)
12.23 1765.21+4.09(+0.23%)
12.24 1774.27+9.06(+0.51%)
12.25 1778.41+4.14(+0.23%)
12.28 1788.04+9.63(+0.54%)
12.29 1819.18+31.14(+1.74%)
12.30 1804.68-14.50(-0.80%)
1.4 1794.59-10.09(-0.56%)
1.5 1791.22-3.37(-0.19%)
1.6 1796.18+4.96(+0.28%)
1.7 1826.30+30.12(+1.68%)
1.8 1854.94+28.64(+1.57%)
1.11 休場
1.12 1857.94+3.00(+0.16%)
1.13 1864.40+6.46(+0.35%)
1.14 1873.28+8.88(+0.48%)
<マザーズ>
12.22 1128.90-47.59(-4.05%)
12.23 1152.78+23.88(+2.12%)
12.24 1167.49+14.71(+1.28%)
12.25 1162.12-5.37(-0.46%)
12.28 1161.87-0.25(-0.02%)
12.29 1192.10+30.23(+2.60%)
12.30 1196.49+4.39(+0.37%)
1.4 1222.01+25.52(+2.13%)
1.5 1211.05-10.96(-0.90%)
1.6 1215.23+4.18(+0.35%)
1.7 1214.40-0.83(-0.07%)
1.8 1235.64+21.24(+1.75%)
1.11 休場
1.12 1228.08-7.56(-0.61%)
1.13 1238.76+10.68(+0.87%)
1.14 1207.54-31.22(-2.52%)
<米ダウ>
12.22 30,015-200(-0.67%)
12.23 30,129+114(+0.38%)
12.24 30,199+70(+0.23%)
12.25 休場
12.28 30,403+204(+0.68%)
12.29 30,335-68(-0.22%)
12.30 30,409+73(+0.24%)
12.31 30,606+196(+0.65%)
1.4 30,223-382(-1.25%)
1.5 30,391+167(+0.55%)
1.6 30,829+437(+1.44%)
1.7 31,041+211(+0.69%)
1.8 31,097+56(+0.18%)
1.11 31,008-89(-0.29%)
1.12 31,068+60(+0.19%)
1.13 31,060-8(-0.03%)
1.14 30,991-68(-0.22%)
<ナスダック>
12.22 12,807+65(+0.51%)
12.23 12,771-36(-0.29%)
12.24 12,804+33(+0.26%)
12.25 休場
12.28 12,899+94(+0.74%)
12.29 12,850-49(-0.38%)
12.30 12,870+19(+0.15%)
12.31 12,888+18(+0.14%)
1.4 12,698-189(-1.47%)
1.5 12,818+120(+0.95%)
1.6 12,740-78(-0.61%)
1.7 13,067+326(+2.56%)
1.8 13,201+134(+1.03%)
1.11 13,036-165(-1.25%)
1.12 13072+36(+0.28%)
1.13 13,128+56(+0.43%)
1.14 13,112-16(-0.12%)
<S&P500>
12.22 3687.20-7.72(-0.21%)
12.23 3690.01+2.75(+0.07%)
12.24 3704.23+14.22(+0.39%)
12.25 休場
12.28 3735.13+32.07(+0.87%)
12.29 3727.60-7.76(-0.21%)
12.30 3732.04+5.00(+0.13%)
12.31 3756.07+24.03(+0.64%)
1.4 3700.65-55.42(-1.48%)
1.5 3727.82+27.17(+0.73%)
1.6 3749.08+22.22(+0.60%)
1.7 3803.78+55.64(+1.48%)
1.8 3824.68+20.89(+0.55%)
1.11 3800.70-23.98(-0.63%)
1.12 3799.86-0.84(-0.02%)
1.13 3811.30+10.11(+0.27%)
1.14 3797.90-11.94(-0.31%)
今朝のNY市場について
本日のNY株式市場は5時40分現在、ダウが3万1,065+6と前日比ほぼ変わらずで推移しております。
バイデン次期大統領がこの後追加経済対策を公表する予定で発表内容への期待から景気敏感株を中心に幅広く買いが入っております。一方で米長期金利が再び上昇に転じているためアップル、アマゾン、グーグル、フェイスブック、マイクロソフトなどの主力ハイテク株は売られており相場全体の上値は重たい印象です。
ダウは歴史的高値水準にいるため、高値での揉み合いが続くのはある意味当然のことで、急落がないことに相場の強さを感じとることができます。
バイデン次期大統領の経済対策には家計への現金給付の増額や失業保険の増額措置の延長などが含まれる見通しで、新型コロナによる米経済への打撃を和らげるとの観測が広がっております。
サンパワー(SPWR)35.15+11.27%と昨年来高値更新やファーストソーラー(FSLR)106.07+1.81%と太陽光が中心となり再生可能エネルギーセクターの上昇が連日続いております。
何を言いたいかは分かると思いますが、日本にもこの流れは来ると考えているため、ブレずに押し目買いスタンスで再生可能エネルギーセクターを見ていくつもりです。
今週の主な予定
1月11日(月)
・日本 休場
・中国 消費者物価指数 10:30
・中国 生産者物価指数 10:30
1月12日(火)
・日本 国際収支 8:50
・日本 貿易収支 8:50
1月13日(水)
・米 MBA住宅ローン申請指数 21:00
・米 消費者物価指数 22:30
・米 地区連銀経済報告(ベージュブック) 4:00
1月14日(木)
・日本 国内企業物価指数 8:50
・日本 機械受注 8:50
・米 失業保険継続受給者数 22:30
・米 新規失業保険申請件数 22:30
1月15日(金)
・米 ニューヨーク連銀製造業景気指数 22:30
・米 小売売上高 22:30
・米 生産者物価指数 22:30
・米 鉱工業生産 23:15
・米 ミシガン大学消費者信頼感指数 24:00
本日の日本市場について
5:55現在に入ってきたニュースです。アメリカの新規失業保険申請件数についてです。
米労働省が14日発表した9日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は96万5000件と、前週から18万1000件増加し、昨年8月終盤以来の高水準に達した。新型コロナウイルス感染急増に伴う制限措置の拡大で、飲食業などが打撃を受けた。
新型コロナ感染拡大に伴う制限措置を行なっていたので仕方のない数字ではありますが、米国市場は一時的に下で反応しております。
バイデン大統領が日本時間9時15分からスピーチを行う予定です。そこで、追加経済対策の内容を公表(1.9兆ドルと言われている)しますので足元の下げも一時的なものになるのではないかと推測致します。
米国市場を見ると半導体指数SOXは3,055.64+63.69(+2.13%)と大きく上昇している為、昨日後場に下げに転じた日本の半導体関連株にも買い戻しの動きが出るのではないかと考えております。
米国の再生可能エネルギーセクターの大幅な上昇の流れは日本株市場にも波及すると考えておりますので同セクターの伸びにも注目です。WTI原油価格も53.65と上昇が続きます。LNG価格の上昇と共に関連セクターを押さえて行きましょう。
Next: お金に働いてもらえば「自分だけのベーシックインカム」を作れる
ピックアップ固定記事
<副業阻むリスク摘み取れ 過重労働や漏洩懸念を判定>
※参考:副業阻むリスク摘み取れ 過重労働や漏洩懸念を克服 – 日本経済新聞(2020年12月21日配信)
日本の大企業でも副業解禁の動きが加速しております。スキルアップや本業の環境を見直す(良くも悪くも)上で副業は良いことだと思います。私も大企業に勤めていた時は、その会社という組織=世界という認識で生きており、退職してから外に出てみるとそれまでの常識が一変したので、自分を違う環境に置くことは素直に良いと思います。
視点は変わりますが、副業=収入増と捉えている方々もいると思いますので、少しお金のお話しをしたいと思います。
日本では将来「ベーシックインカム」が行われるかもしれません。ベーシックインカムとは、国民1人に対して一定のお金(月7万円説が多い)を配るという政策です。4人家族の場合、毎月28万円が支給されることになります。
その時に自分の大切な時間を削ってまで、お金のために副業をするでしょうか?恐らくしないとおもうので、その考えで副業するのは将来の自分にとって何も役に立たないことなので、やめた方が良いかもしれません。
副業といっても「働く」だけでなく、お金に働いてもらう方法もありますよね。将来行われるか分からないベーシックインカムを待つのではなく、今からコツコツと学んで、配当や利金で自分だけのベーシックインカムを作ってしまえば、将来はやりたいことだけができるようになりますよね。
例えば月28万円(年間336万円)を作るためにはざっくりですが、1億1,200万円の日本株を買えば良いわけです。現在の東証1部の平均配当利回りを上回る3%で試算しています。iDeCoやNISAでコツコツ積み立てながら、今は株式投資を学び、キャピタルゲイン(値上がり益)を狙って資産を増やすことに専念しましょう。
まずは1億円を目指して日本株に取り組みましょう。
【2倍銘柄を100万円からスタートした時のイメージ】
100→200→400→800→1,600→3,200→6,400→12,800(7回で達成です)※税金の計算除外
<バフェット氏 見えぬ真意 日本株投資 第一歩は「万年割安」商社>
「投資の神様」と称される、投資会社バークシャー・ハザウェイを率いるウォーレンバフェット氏が今年の8月に日本の大手商社5社の株式を5%強取得したことを発表した時は衝撃が走りました。
今まで日本株には投資をしてこなかったバフェットが初めて買いに来たと言うことは、日本株全体にもビックサプライズでした。
選ばれた理由としては、日本の総合商社は他国に同じ事業者がいない総合企業である事や、業績に対して株価が割安に放置されている点、高い配当利回りなどからだと言われております。
※参考:インベスターズ(2)バフェット氏、見えぬ真意 – 日本経済新聞(2020年12月23日配信)
東証1部の配当利回り平均が約1.6%なのに対して、5%ほどの高い配当を出しています。「自分だけのベーシックインカム」を作る際に、バフェットの投資先である総合商社を組み入れると、期待できる配当利回りが大きくアップする可能性があります。
(続きはご購読ください)
『投資家k.kメルマガ「勝ち続ける投資家の思考」』(2021年1月15日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
有料メルマガ好評配信中
投資家k.kメルマガ「勝ち続ける投資家の思考」
[月額1,100円(税込) 不定期 発行予定]
株式相場の解説、考察、経済の基礎知識を毎日発信します。それに加え、定期的に株式投資の手法・メンタルについての発信、有料メルマガ会員様限定の質問にお答え致します。楽しく株式投資を学んでいきましょう。配信頻度は不定期としておりますが、株式市場が空いている日は毎日配信予定、休日や祝日にも臨時号外での配信を予定しております。