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日経平均3万円回復のその先は?上値は軽いが高値追いは禁物=投資家k.k

昨日2月15日(月)、1990年8月以来約30年半ぶりに日経平均株価は終値ペースで30,000円の大台を回復しました。明日17日にも日本でコロナワクチンの接種が始まるなか、日本株はここからどう動くのか。今後の注意点と見通しについて、ツイキャスやYouTubeでも人気の「投資家k.k氏」が配信する投資家k.kメルマガ「勝ち続ける投資家の思考」より、最新の展望をご紹介します。

プロフィール:投資家k.k
2008年国内大手証券会社入社、超富裕層・未上場法人の資金運用を行う業務に従事する。2016年IFAに独立。同会社の経営に参画。2019年より専業投資家へ。日本の金融リテラシー向上に貢献すべく金融教育に重点を置き活動。

投資家k.kメルマガ「勝ち続ける投資家の思考」2021/02/16号より

2021/02/16(火)朝のマーケット解説を配信させて頂きます。

今朝のニュースで重要なポイントをピックアップします。

<日経平均30000円回復 企業収益 改善道半ば 個人への恩恵薄く>

昨日、1990年8月以来約30年半ぶりに日経平均株価は終値ペースで30,000円の大台を回復しました。

私が昨年末に記したマネーボイス「2021年の日経平均は3万円大台へ。大相場をつくる最大の要素は?投資家k.kの新春展望」でも述べたことが早くも現実になり、大変嬉しくこの相場を迎えることができました。

ただ、記事にもある様にこの30年間で日本株は海外投資家の持株比率が拡大し、日本の個人投資家に恩恵が薄いという悲しい現実もあります。
※参考:日経平均3万円回復 企業収益 改善道半ば: 日本経済新聞(2021年2月16日配信)

家計資産の内訳で米国は株と投資信託が計45%を占めますが、日本はほとんどが現預金で株と投資信託は13%という低水準の状況なので、株高でも家計が潤わない人が多いのです。

記事にある日本投資顧問業協会の大場昭義会長は「国民が幅広く株式市場に資金を投じるには、株式投資の信頼感を高め、上場企業の企業価値を持続的に上げる努力が不可欠だ」と話しております。

私も同感であり、現在行っている株式投資に対するアウトプットや金融・経済ニュースの解説は正しい知識や見解を持つ日本の個人投資家を少しでも増やしたいという信念で続けております。

今後も微力ですが、日本の株高に恩恵を受ける個人投資家が増えるべく情報発信を継続していきたいと思います。

<ファイザー製承認 ワクチン接種 ようやく始動>

欧米に比べ約2ヶ月の遅れがありましたが、2月14日に新型コロナウイルスのワクチンで米ファイザー製のものを厚生労働省が承認しました。

17日から接種開始とのことなので、これで経済正常化に向けて大きく動き出すと思います。共同開発をした独ビオンテックのCEOのインタビュー記事もあるため合わせて確認しておいてください。
※参考:ワクチン接種ようやく始動 ファイザー製承認: 日本経済新聞(2021年2月16日配信)

予断は許さないものの、これでワクチンが普及すれば新型コロナの脅威がなくなり、コロナ前の通常の生活に戻れるようです。

早く、大規模セミナーで皆様にご挨拶をしたいですし、大規模オフ会もしたいと思っていたため、希望に満ち溢れた今朝の日経新聞の記事でした。

<Abalance 今期経常を93%上方修正 3期ぶりの最高益更新へ>

Abalance [東証2] が2月15日大引け後(17:30)に決算を発表。21年6月期第2四半期累計(7-12月)の連結経常利益は前年同期比7.3倍の8.8億円に急拡大した。

併せて、通期の同利益を従来予想の5.6億円→10.8億円(前期は3億円)に92.9%上方修正し、増益率が83.6%増→3.5倍に拡大し、3期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなった。

会社側が発表した上期実績と通期計画に基づいて、当社が試算した1-6月期(下期)の連結経常利益は前年同期比8.2%増の1.9億円に伸びる計算になる。

同時に、今期の年間配当は引き続き未定とした。

直近3ヵ月の実績である10-12月期(2Q)の連結経常損益は5.4億円の黒字(前年同期は0.6億円の赤字)に浮上し、売上営業損益率は前年同期の-3.3%→4.7%に急改善した。

出典:Aバランス、今期経常を93%上方修正・3期ぶり最高益更新へ – 株探(2021年2月15日配信)

昨年10月から再生可能エネルギーセクターとして注目をしていたエーバランスの好決算の記事です。

2021年1月に上場来高値4,895円をつけ足元では日柄調整が続いていました。昨日の好決算をうけ、2月15日終値3,900円に対してPTSで4,600円+700円(+17.95%)ストップ高まで買われております。

Next: 本日の投資戦略は?注目すべきポイント



昨日2月15日(月)の日本市場 振り返り

日経平均株価:30,084 +564(+1.91%)
TOPIX:1,953.94 +20.06(+1.04%)
マザーズ:1,314.30 +2.73(+0.21%)

2月15日(月)日本のマーケットは日経平均株価が大幅に反発しました。

終値で30,084円、1990年8月2日以来約30年半ぶりとなる大台の30,000円を超えた歴史的な1日でした。国内の企業決算が一巡し、好業績を背景に景気回復が改めて意識されました。

中央銀行による大規模な金融緩和が継続する中、米国の経済対策からさらなる景気回復に向かうのではとの期待が投資家心理をリスクオンに向かわせました。

それに加え、新型コロナウイルスのワクチン普及や新規感染者数の減少を背景に経済正常化が進むとの見方も買いにつながっているようです。

冒頭でも解説しましたが、厚生労働省は14日に米ファイザーの新型コロナワクチンの製造販売を特例承認しました。17日にも摂取が開始されるとのことです。世界各国でワクチンの普及が本格的に進むことで、経済活動が正常化に向かうことから期待した買いが優勢となりました。

合わせて2020年4~12月期決算が一巡し、想定より良い業績と、追加経済対策により今後も企業業績が回復に向かうとのシナリオからリスクをとる姿勢が鮮明になり相場上昇を加速させました。

寄り付き前に発表された、2020年10~12月期GDPは前期比年率12.7%増と市場予想9.5%を上回りました。東証1部の売買代金は2兆6,038億円でした。

直近の日米主要指数の推移

<日経平均>

1.25 28,822+190(+0.67%)
1.26 28,546-276(-0.96%)
1.27 28,635+89(+0.31%)
1.28 28,197-437(-1.53%)
1.29 27,663-534(-1.89%)
2.1 28,091+427(+1.55%)
2.2 28,362+271(+0.97%)
2.3 28,646+284(+1.00%)
2.4 28,341-304(-1.06%)
2.5 28,779+437(+1.54%)
2.8 29,388+609(+2.12%)
2.9 29,505+117(+0.40%)
2.10 29,562+57(+0.19%)
2.11 休場
2.12 29,520-42(-0.14%)
2.15 30,084+564(+1.91%)

<TOPIX>

1.25 1862.00+5.36(+0.29%)
1.26 1848.00-14.00(-0.75%)
1.27 1860.07+12.07(+0.65%)
1.28 1838.85-21.22(-1.14%)
1.29 1808.78-30.07(-1.64%)
2.1 1829.84+21.06(+1.16%)
2.2 1847.02+17.18(+0.94%)
2.3 1871.09+24.07(+1.30%)
2.4 1865.12-5.97(-0.32%)
2.5 1890.95+25.83(+1.38%)
2.8 1923.95+33.00(+1.75%)
2.9 1925.54+1.59(+0.08%)
2.10 1930.82+5.28(+0.27%)
2.11 休場
2.12 1933.88+3.06(+0.16%)
2.15 1953.94+20.06(+1.04%)

<マザーズ>

1.25 1301.12+9.01(+0.70%)
1.26 1270.50-30.62(-2.35%)
1.27 1275.83+5.33(+0.42%)
1.28 1233.26-42.57(-3.34%)
1.29 1208.96-24.30(-1.97%)
2.1 1234.34+25.38(+2.10%)
2.2 1253.48+19.14(+1.55%)
2.3 1258.96+5.48(+0.44%)
2.4 1262.30+3.34(+0.27%)
2.5 1261.72-0.58(-0.05%)
2.8 1267.32+5.60(+0.44%)
2.9 1264.46-2.86(-0.23%)
2.10 1289.98+25.52(+2.02%)
2.12 1311.57+21.59(+1.67%)
2.15 1314.30+2.73(+0.21%)

<米ダウ>

1.22 30,996-179(-0.57%)
1.25 30,960-36(-0.12%)
1.26 30,937-22(-0.07%)
1.27 30,303-633(-2.05%)
1.28 30,603+300(+0.99%)
1.29 29,982-620(-2.03%)
2.1 30,211+229(+0.76%)
2.2 30,687+475(+1.57%)
2.3 30,723+36(+0.12%)
2.4 31,055+332(+1.08%)
2.5 31,122+66(+0.21%)
2.8 31,385+237(+0.76%)
2.9 31,375-9(-0.03%)
2.10 31,437+61(+0.20%)
2.11 31430-7(-0.02%)
2.12 31,457+26(+0.08%)
2.15 休場

<ナスダック>

1.22 13,543+12(+0.09%)
1.25 13,635+92(+0.69%)
1.26 13,626-9(-0.07%)
1.27 13,270-355(-2.61%)
1.28 13,337+66(+0.50%)
1.29 13,070-266(-2.00%)
2.1 13,403+332(+2.55%)
2.2 13,612+209(+1.56%)
2.3 13,610-2(-0.02%)
2.4 13,777+167(+1.23%)
2.5 13,856+78(+0.57%)
2.8 13,987+131(+0.95%)
2.9 14,007+20(+0.14%)
2.10 13,972-35(-0.25%)
2.11 14,025+53(+0.38%)
2.12 14,095+69(+0.50%)
2.15 休場

<S&P500>

1.22 3841.47-11.60(-0.30%)
1.25 3856.14+14.67(+0.38%)
1.26 3850.30-5.06(-0.13%)
1.27 3753.20-96.42(-2.50%)
1.28 3784.72+33.95(+0.91%)
1.29 3714.24-73.14(-1.93%)
2.1 3772.50+58.26(+1.57%)
2.2 3824.80+50.94(+1.35%)
2.3 3830.70+4.39(+0.11%)
2.4 3871.11+40.94(+1.07%)
2.5 3886.83+15.09(+0.39%)
2.8 3915.60+28.77(+0.74%)
2.9 3912.60-2.99(-0.08%)
2.10 3909.88-1.35(-0.03%)
2.11 3918.30+8.42(+0.22%)
2.12 3934.83+18.45(+0.47%)
2.15 休場

NY市場について

米国はプレジデンツ・デーで祝日のため休場でした。

今週の主な予定

2月15日(月)
・日本  10~12月期の国内総生産GDP速報値  8:50
・日本  鉱工業生産  13:30
・日本決算  リクルートHD、キリンHD、エーバランス
・米国  休場(プレジデンツ・デー)

2月16日(火)
・日本決算  ブリヂストン
・欧州  GDP  19:00
・米国  NY連銀製造業景気指数  22:30

2月17日(水)
・日本  機械受注  8:50
・米国  MBA住宅ローン申請指数  21:00
・米国  小売売上高  22:30
・米国  生産者物価指数  22:30
・米国  鉱工業生産  23:15
・米国  FOMC議事録  4:00

2月18日(木)
・日本  アクシージアIPO
・米国  住宅着工件数  22:30
・米国  新規失業保険申請件数  22:30

2月19日(金)
・日本  WACUL IPO
・米国  製造業PMI 23:45
・米国  中古住宅販売件数  24:00

今週(2/15~)のマーケットについて(※編注:原稿執筆時点2月15日)

日本企業の決算発表も山場を越え、先週までにある程度出揃いましたので、今週は日経平均も30,000円の大台を試しに来る展開になりそうです。

国内でも欧米に比べ2ヶ月遅れではありますが、新型コロナウイルスのワクチン接種が始まる見通しです。企業決算の好調な内容から景気回復が改めて意識され、ワクチン普及による経済正常化に向けて株式市場も一段高の展開になると思います。

マザーズは、週末に控えたIPO 2銘柄に合わせた換金売りも想定される為、週初は利食いが先行し後半にかけて上げてくるイメージを持っております。

アクシージア、WACULの初値、上場後の動きには注目をして見ていきたいと考えております。

本日(2/16)の日本市場について

5:40現在、日経平均CFDは30,283+199で推移しております。

NY株式市場は休場でしたが、欧州株高も追い風になり日本株も急進しております。昨日に歴史的高値である30,000円を回復した日経平均株価ですが、さらに上値が軽くなっているように感じます。ただ、このような時ほど高値追いはしない方が良いと思います。

2月に入りまだ10営業日ですが、その間日経平均株価は2,420円上昇しております。一旦のスピード調整は必要なところなので、冷静に投資戦略を立てましょう。

マザーズは本日もIPOへの換金売りに押されると思います。ただ昨年高値ブレイクのシナリオはそのままなので、押し目買いに徹することが得策かもしれません。

Next: お金に働いてもらえば「自分だけのベーシックインカム」を作れる



ピックアップ固定記事

<副業阻むリスク摘み取れ 過重労働や漏洩懸念を判定>

※参考:副業阻むリスク摘み取れ 過重労働や漏洩懸念を克服 – 日本経済新聞(2020年12月21日配信)

日本の大企業でも副業解禁の動きが加速しております。スキルアップや本業の環境を見直す(良くも悪くも)上で副業は良いことだと思います。私も大企業に勤めていた時は、その会社という組織=世界という認識で生きており、退職してから外に出てみるとそれまでの常識が一変したので、自分を違う環境に置くことは素直に良いと思います。

視点は変わりますが、副業=収入増と捉えている方々もいると思いますので、少しお金のお話しをしたいと思います。

日本では将来「ベーシックインカム」が行われるかもしれません。ベーシックインカムとは、国民1人に対して一定のお金(月7万円説が多い)を配るという政策です。4人家族の場合、毎月28万円が支給されることになります。

その時に自分の大切な時間を削ってまで、お金のために副業をするでしょうか?恐らくしないとおもうので、その考えで副業するのは将来の自分にとって何も役に立たないことなので、やめた方が良いかもしれません。

副業といっても「働く」だけでなく、お金に働いてもらう方法もありますよね。将来行われるか分からないベーシックインカムを待つのではなく、今からコツコツと学んで、配当や利金で自分だけのベーシックインカムを作ってしまえば、将来はやりたいことだけができるようになりますよね。

例えば月28万円(年間336万円)を作るためにはざっくりですが、1億1,200万円の日本株を買えば良いわけです。現在の東証1部の平均配当利回りを上回る3%で試算しています。iDeCoやNISAでコツコツ積み立てながら、今は株式投資を学び、キャピタルゲイン(値上がり益)を狙って資産を増やすことに専念しましょう。

まずは1億円を目指して日本株に取り組みましょう。

【2倍銘柄を100万円からスタートした時のイメージ】
100→200→400→800→1,600→3,200→6,400→12,800(7回で達成です)※税金の計算除外

<バフェット氏 見えぬ真意 日本株投資 第一歩は「万年割安」商社>

「投資の神様」と称される、投資会社バークシャー・ハザウェイを率いるウォーレンバフェット氏が今年の8月に日本の大手商社5社の株式を5%強取得したことを発表した時は衝撃が走りました。
今まで日本株には投資をしてこなかったバフェットが初めて買いに来たと言うことは、日本株全体にもビックサプライズでした。

選ばれた理由としては、日本の総合商社は他国に同じ事業者がいない総合企業である事や、業績に対して株価が割安に放置されている点、高い配当利回りなどからだと言われております。
※参考:インベスターズ(2)バフェット氏、見えぬ真意 – 日本経済新聞(2020年12月23日配信)

東証1部の配当利回り平均が約1.6%なのに対して、5%ほどの高い配当を出しています。「自分だけのベーシックインカム」を作る際に、バフェットの投資先である総合商社を組み入れると、期待できる配当利回りが大きくアップする可能性があります。
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image by:tuaindeed / Shutterstock.com

投資家k.kメルマガ「勝ち続ける投資家の思考」』(2021年2月16日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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