急成長が続くサイバーエージェントですが、ビジネスモデルの面で将来像が少しずつ見えてきました。今回はなかでもメディア事業の一つAbemaTVを取り上げます。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)
※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2019年11月14日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
先行投資が続いているAbemaTVで、ついに将来像が見え始めた
Q. 将来のAbemaTVのビジネスモデルに最も近いのは?
今日の記事では急成長が続いているサイバーエージェントのメディア事業の一つである「AbemaTV」を取り上げてみたいと思います。
AbemaTVのユーザー数はこれまで大きく伸びてきましたが、ビジネスモデルの面で少しずつ将来像が見えてきたので、今日はその辺りを見ていきたいと思います。
メディア事業の中で、AbemaTV等の先行投資事業の売上を見てみると、2019年度は約111億円と前年同期比で1.8倍というペースで成長しています。
この先行投資事業にはAbemaTV以外のものも含まれるかと思いますが、多くがAbemaTVの売上だと考えて間違いないのではないでしょうか。
出典:同上
WAU(Weekly Active Users =1週間当たりの利用者数)は右肩上がりで増えており、ついに1,000万ユーザーを超える水準に達しました。公言通りに数字がついてきているのは本当にすごいと思います。
Next: AbemaTVが成長するためにしている先行投資とは?
AbemaTVのWAUを増やす施策
ビジネスモデルの話に行く前に、少しだけをWAUを増やすための施策として紹介されていたものを取り上げたいと思います。
出典:同前
一つ目は、速報ニュースにフォーカスして「何か新しいニュースが出た時にAbemaTVを見ると必ず最新情報が手に入る」という習慣を確立するための施策を打ったと書かれています。
アプリの起動頻度を増やすために、速報ニュースにフォーカスしたという訳です。
AbemaTVの有料会員を増やす施策
出典:同前
このグラフにある通り、AbemaTVの有料会員であるAbemaプレミアムの会員数が右肩上がりで増えており、ついに51.8万人になりました。
右下の表のように、有料会員になると有料コンテンツが閲覧できるだけではなく、追っかけ再生や見逃しコメント、ダウンロードができるようになるというのが大きなポイントではないかと思います。
出典:同前
有料会員数を増やした原動力になっているのが、「オンデマンド視聴(観たいコンテンツを自分で選んで好きな時に観られる機能)」だと書かれています。恋愛リアリティーショー「オオカミシリーズ」の第6弾においては、84%のユーザーがオンデマンドで視聴しているという点がとても印象的でした。
一般のテレビ番組のように決められた配信時間に視聴する無料のリニア視聴に対して、過去のコンテンツも含めて視聴できるオンデマンド視聴や、追っかけ再生や見逃しコメントなどの機能を欲するユーザーが有料会員に加入していくことになる、というモデルです。
Next: AmazonTVは将来、Spotyfyのモデルに近づいていく…
Spotifyの「ハイブリッド」モデル
個人的な見解ですが、AbemaTVはスウェーデンの企業によってグローバルに運営されている音楽ストリーミングサービス「Spotify」のモデルに非常に近くなっていくと考えています。
AbemaTVと同じく、Spotifyも無料でユーザーを獲得し、広告でマネタイズしながら徐々に有料プランに移行させていくというモデルを数年前から開始し、今では約4割のユーザーが有料プランに加入するまでに至っています。
Spotify全体のユーザー数は2億4,800万人で、そのうち1億1,300万人が有料モデルを利用しています。
端的に言うと、Spotifyは「メディアビジネスとして、有料モデルと無料モデルのハイブリッド型で大きな成功をしている」と言えます。
繰り返しになりますが、個人的にAbemaTVのビジネスモデルは将来的に限りなくこのモデルに近くなっていくのではないかと考えているので、以下ではSpotifyとAbemaTVをKPIレベルで詳細に比較していきたいと思います。
この記事は、メディアビジネスを担当されている方、広告モデルと課金モデルで悩んでいる方、個人課金型のビジネスを担当されている方に最適な内容になっています。
会員数(有料、無料)を比較すると…
売上(有料会員、広告)を比較すると…
ARPUを比較すると…
AbemaTVのグロースハックモデルはこれ!
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image by : cunaplus / Shutterstock.com
『決算が読めるようになるノート』 2019年11月14日号『Q. 将来のAbemaTVのビジネスモデルに最も近いのは?』より抜粋
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アメリカ・日本のネット企業(上場企業)を中心に、決算情報から読みとれることを書きます。経営者の方はもちろん、出世したいサラリーマンの方、就職活動・転職活動中の方にも役立つ内容です。