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この銘柄、いま買っても大丈夫?個別銘柄売買の勝率をアップする見極めのポイントとは=山の中

始まったばかりの2020年相場において日経平均株価などの行方を紐解きつつ、年末から上昇がみられた個別銘柄のエントリーポイントの解説などを紹介します。(『山の中の超相場観』)

※本記事は、『山の中の超相場観』2020年1月11日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

2020年の日経平均動向と個別銘柄のセレクトポイントを解説

大発会からいきなりの425円安でスタートした2020年相場の行方

1月6日の大発会で取引が始まった東京証券取引所は、いきなり452円の大幅安でした。火曜、反騰したものの、水曜、再び、急落に襲われます。当塾では今週いっぱい、方向性の判断に時間を要す、としていました。月足で昨年9月から12月まで連続陽線で上昇したきたので今月の月足が陰線反落だと、上昇の流れが変わる可能性が出てくると判断したためです。

今年に入り急落した原因は米軍によるイラン革命防衛隊司令官の殺害でした。米国とイランの緊張が極度に高まり、第三次世界大戦が最悪、勃発する懸念から株式市場でリスクオフの動きとなりました。金や債券、原油が買われ、株が売られる展開です。

結果的に、イランがイラクに駐留する米軍基地にミサイルを撃ち込み、米国が反撃しないことで両国、手打ちということになりました。株式市場はリスク回避の巻き戻しが起き、木曜以降、急反発し、週足、月足ともに陽線で引けています。

まだ昨年来の上昇トレンドが継続するのか明確にはわかりません。あくまでもテクニカル判断ですが、日経平均は2018年1月以来の長期ボックス圏(天井2万4,000円‐底2万円)形成に再び入る可能性は木曜以降の反騰で免れたのかもしれないと考えています。

週足で今週陽線反騰しましたが、リスク回避の巻き戻しが続く前提ですが、今週、2万4,000円台回復を視野に入れた動きを予想しています。

日経平均株価

週足チャートで見るように日経平均は2018年から直近まで上値2万4,000円前後、下値2万円前後のボックス圏です。この動きから決別し、2万4,000円から上へ放れていけるかが長期的な上昇トレンドに移行できるかのカギを握ります。

昨年8月以降、日経平均はリバウンドが年末まで続きました。一貫して強気を貫いた理由は、戦後、最長の長期政権に安倍内閣がなるわけですが、親米長期政権では佐藤内閣、中曽根内閣、小泉内閣とすべて引け高に終わるアノマリー、それから日経平均PERが13倍前後の割安だったこと、等をあげてきました。と同時に、米中通商交渉の難航が相場の足かせになっていましたが、2018年の大幅下落でほぼ相場にこの悪材料は織り込まれてきた、としていました。というより、それ以上に世界的な第4次産業革命による底上げ効果が株高につながっているのではないかと、昨年9月以降の長期リバウンド相場の解説でおこなってきました。

半導体セクターが相場をけん引していたのです。産業の米とひと昔前言われた半導体ですが、モノとインターネットがつながるIoTやAIやロボット、自動車電装化、キャッシュレスなど情報革命が全世界で進行しています。その技術の基盤を支えるのが半導体業界で、2017年から三次元NANDが将来、爆発的に増加すると言われました。半導体の微細化のことで着々とその動きが進行しているようだとレーザーテックやアドバンテストといった強い銘柄の動きの解説で行ってきました。7月半ばに世界最大の半導体下請け大手、台湾TSMCが今期好業績予想を発表したのを機に、8月地合い全体が悪い中、半導体セクターだけは買われました。レーザーテックは最近、5G銘柄としても人気化しています。

Next: これからの日経平均株価の動向とその理由とは?



日経平均株価は3回の2万4,000円トライで超えていくイメージ

あくまでも仮説ですが、米中貿易戦争の下押しは第4次産業革命の経済への波及効果と相殺しても、株式市場においてはプラス要因になるというのが当塾の見方です。英国のEU離脱やイランと米国との確執など大した問題ではありません(戦争になれば初期は下押し要因になるかもしれませんが)。ですので、今月、中国との第一段階の通商交渉がまとまるので、今後は懸念材料が徐々に解消する方向という見方です。懸念の山は越えたでしょう。

日経平均PER

日経平均のPERは現在、14.45倍。5年平均が14.4倍ですので、ほぼ同じ水準。高くも安くもない状態です。ですのでここから先、2018年以来の高値ゾーン、2万4000円ラインを超えて伸びていくか明確な証拠はありませんが、平均以上に買われてもおかしくない、という考え方はできます。

カギを握るのは外資ですが、米中通商交渉の進行や中東情勢の緊張緩和もあり、リスク回避よりリスク選好が続く可能性のほうが高い見方をしています。ドル円は直近2週間で108円割れまで下落した後、反騰し、昨年8月以降、粘り強く推移しています。また投資主体別売買動向で外資は最新、12月第4週(12月23日~12月27日)、大きく買い越しています。第2週から3週連続の買い越しです。

ドル円週足

外資が大きくリスクオフに進まない限り、日経平均PERの5年平均を超えて日本株が買われない理由も見当たりません。3度目の正直と言いますが、3回目のトライで2万4,000円台を超えるイメージでいます。ただし相場に絶対はありませんので、超えられず反落、つまり2018年以来の長期ボックスに進むと判断した場合は、これまでの買い本命から売り本命にポジション転換を速やかに行うつもりでいます。3月末の春のお彼岸が底になるくらいの時間軸です。今のところ、市場センチメントはどちらかというと、買い方有利のまま進んでいますが、こだわることはしません。現時点では上昇65、下落35、それぐらいの比率で、まだまだ買いが有利と感じています。

Next: 年末にピックアップした3銘柄が順調に上昇、その背景を解説



祭りの準備企画‐本格上昇相場に備えて<実務編>

なぜ、この銘柄はこのポイントからエントリーなのか。昨年12月16日に上昇の可能性が高い銘柄として、JCRファーマ<4552>、日本MDM<7600>、手間いらず<2477>の3つの銘柄を全塾生に情報送信しました。

その後、日本MDMと手間いらずは着実に株価上昇を続けました。日本MDMは12月16日配信時から昨日1月11日終値2,539円まで17.7%上昇。手間いらずは12月16日終値5,620円から昨日終値6,640円まで18.1%上昇。そして、JCRファーマは12月16日の配信株価8,800円から昨日終値9,550円まで8.5%の上昇。3銘柄単純平均で12月16日から3週間で14.7%の含み益。着実に利益を膨らませる方向に動いています。

なぜ、この3銘柄が可能性が高い銘柄として考え、12月16日のタイミングで情報を送ったのか。それを真似て、銘柄選び、そしてエントリーすると、利益が出る行動があなたにも可能になります。

初めに、結論からご紹介します。3銘柄は以下の5つの手続きを経て行動しました。

その1「この企業(銘柄)は優秀(過去の相性も含め)という、そもそもの判断」→

その2「テクニカル安値圏のチェック」→

その3「ニュースで業績ほか企業環境、ファンダメンタルに問題があって下げているわけではなく、単に地合いや過熱感解消による調整だとチェック」→

その4「今後も長期的な上昇トレンドは継続するか、また上値余地はあるか」→

その5「可能性は高いと判断」→エントリー

日本MDM<7600> 日足チャート

手間いらず<2477> 日足チャート

JCRファーマ<4552> 日足チャート

Next: この3銘柄が、高確率で上昇するポイントを捉えらえた理由とは?



銘柄売買の成功率を上げるには、銘柄選定と売買ポイントの見極めが大切

5つの手続きで、最も大事なのは1と2です。まず、この3つの銘柄が優秀な銘柄であるということがわたしの頭の中にインプットされていました。この優秀な銘柄というのは、企業としてというより株としての優秀という意味です。簡単に言うと、人気と実力、そして値動きの強さを兼ね備えた銘柄です。別稿で詳細に解説させていただきます。

その3つがテクニカル安値圏まで12月16日時点で調整し、そろそろ反騰に入ってもいいタイミングだと判断しました。上の3つのチャートをご覧ください。上段は株価チャート。下段にあるのがウィリアムズ%Rというテクニカル指標です。

ウィリアムズ%R(ウィリアムズ・パーセント・レンジ)とは、アメリカの有名なトレーダー、ラリー・ウィリアムズが、1966年に考案したテクニカル指標です。

ウィリアムズ%Rの計算式は以下です。

「(n日間の最高値-当日の終値)÷(n日間の最高値-n日間の最安値)」×100(%)

nは10日間、14日間、20日間の3つの設定があり、14日間が最も多く使われているようですが、あまり気にする必要はありません。

重要なのは売買目安です。ローライン(-80%)とハイライン(-20%)が設定してあります。ローラインが売られ過ぎゾーンの目安。ハイラインが買われ過ぎゾーンの目安です。ローラインを上抜けしたら買いサイン。ハイラインを下抜けしたら売りサイン、です。

短期間のデータなので早く反応が出やすい特徴があり、ダマシも多いですので、-20%、-80%を下抜け、上抜けしたからといって、すぐに反応するよりも、「そろそろ」高値圏、安値圏という見方をします。

そして私の使っているSBIハイパーイー・トレードのアプリではウィリアムズ%Rの移動平均線に%Rと%Dという2つのテクニカルチャートが図示されているので、買う場合は‐80を超えて下落したゾーンで%Dを%Rがゴールデンクロス(下から上へクロスして上昇する意味)を買い目安にします。3つのチャートを見てください。半年間のチャートですが過去最も低い水準までウィリアムズ%Rが調整し、そこで%Dを%Rがゴールデンクロスしています。

ダマシを避けるためには、過去の調整時の株価と25日移動平均線や50日移動平均線など、それぞれのどのくらいまで調整していたか、とか、連続日足のパターンなどと組み合わせたほうが、より間違いの少ない判断になります。

あとは、第一段階の「優秀な銘柄」であること。「銘柄への信用度」。これが一番大きいです。どれでもテクニカル指標で買いゾーンに入り買いサインが点滅したから行動するわけではありません。 信用度の高い銘柄が買い魅力が高いゾーンでそろそろ反騰が近そうだ、ということだから行動するわけです。

2つの行動を経たから3銘柄中、3銘柄、100%、見立て的中で含み益方向という結果につながわるわけです。

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※本記事は、『山の中の超相場観』2020年1月11日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。本記事で割愛した全文(各種チャート図版や「ヒット銘柄探しの作法 まとめ」)もすぐ読めます。

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image by : yavyav / Shutterstock.com

山の中の超相場観』(2020年1月11日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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