大塚家具のお家騒動から早5年、ヤマダ電機に買収された同社の業績は低迷を続けている。経営権争いに負けた父・勝久氏はその後「匠大塚」を設立したが、こちらも危機的状況にありそうだ。(『アクセスジャーナル・メルマガ版』山岡俊介)
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プロフィール:山岡俊介(やまおか しゅんすけ)
1959年生まれ、愛媛県出身。神奈川大学法学部卒。零細編集プロダクションに2年半在籍し、29歳で独立。91年『週刊大衆』の専属記者を務めながら『噂の真相』『財界展望』などを中心に記事執筆。主な著書に『誰も書かなかったアムウェイ』『アムウェイ商法を告発する』(以上、あっぷる出版社)、『銀バエ実録武富士盗聴事件』(創出版)、『福島第一原発潜入記 高濃度汚染現場と作業員の真実』(双葉社)など。
父親の新会社「匠大塚」もピンチ? 父娘共倒れの可能性がある…
お家騒動はもう5年前のこと
「大塚家具」(8186・JQ・東京都江東区)が経営方針を巡り父娘が経営権争いをし、結局、娘の大塚久美子氏が勝利して社長に復帰、父の勝久氏が会長を退任して大塚家具を追放されたのは2015年3月のことだった。
あれから早くも5年が経とうとしている。
この間、父追放の直後は安売り、大幅増配もあり、株価的には人気化したもののそれはほんの一時のことで、相変わらず低迷を続ける。
大塚家具<8186> 月足(SBI証券提供)
そのため、無借金で好財務内容だった同社は急速に経営悪化した。
ヤマダ電機傘下でも再建は非常に厳しい
中国企業や貸会議室大手「ティーケーピー」(3479・マザーズ)から資金導入するも焼け石に水で、昨年末、ついに「ヤマダ電機」(9831・東証1部)と業務提携、子会社化を発表。
そしてヤマダ電機は、「ニトリホールディングス」(9843・東証1部)に対抗して家具に進出も、電機売り場の一角に家具売り場を開設のため売り場面積は小さく、品ぞろえはお粗末な状況だ。
大塚家具も資金繰りが苦しく、資金を導入しないと厳しい状況だったため、両社の思惑が一致したのかもしれない。
しかし、ヤマダ電機の店の一部としてのテコ入れでは厳しいだろう。
ニトリより高価格帯で地方や都会の郊外で出店が増えている「東京インテリア家具」は巨大な店舗で豊富な品揃えが売りだ。
ニトリ、東京インテリアの客層はヤマダ電機とも共通するだろうから、大塚家具は非常に厳しいだろう。
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父親の新会社「匠大塚」もピンチ
ところで、父娘経営権争いに敗れた大塚勝久氏はその後、創業の地である埼玉県春日部市内の元百貨店があった建物に巨大な高級家具店「匠大塚」をオープンさせ、最近では青山にも店舗を構える。
一部マスコミは、青山店開業を見て業績は好調と報じている。
しかし、これは違うのではないか。
上場企業でないため決算を調べるのに苦労したが、会社設立の2015年から直近まで、4期連続の赤字のようだ。青山店も日本橋店不振で閉鎖してのこと。
春日部本店の土地・建物には設立時の約2年半前に武蔵野銀行が15億円の根抵当権を設定していたが、昨年8月、その額は30億円に上がっている。
要するに、父親の会社も経営が厳しく、大塚家具を創業し上場させたことで得た資金をつぎ込んで維持しているような状況。
仮に大塚家具をヤマダ電機が救済しなかったら、父娘共倒れの危険があったということでは。
その一方の匠大塚、いつまで資金が持つのか?また、どこかが救済に乗り出すのか?
上場企業ではないため、武蔵野銀行など取引銀行の出方次第であろう。
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2003年12月2日、世界有数の億万長者、「武富士」会長(当時)・武井保雄を塀の中に追いやったジャーナリスト・山岡俊介が、政・官・財を始めとするあらゆる“悪”に鋭く切り込みます。