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投資信託の新商品は地雷だらけ?テーマ型のワクワク感に大損の罠=川畑明美

投資信託の「新商品」を紹介されたときは要注意です。投資信託が持つ本来のメリットを失ったものが多く、損をするリスクが高いものです。(『教育貧困にならないために』川畑明美)

プロフィール:川畑明美(かわばた あけみ)
ファイナンシャルプランナー。2人の子どもと夫婦の4人暮らし。子育てをしながらフルタイムで働く傍ら、投資信託の積立投資で2,000万円の資産を構築。2013年にファイナンシャルプランナー資格を取得。雑誌を中心に執筆活動を行う一方、積立投資の選び方と積立設定までをマンツーマンで教える家計のコーチング・サービスを展開している。

続々と生まれるテーマ型の投資信託

「画期的な新製品で、バカ売れしています!」なんてセールストークをされてしまうと、ついつい買いたくなってしまいがち。しかし、投資信託の新製品には要注意です。

投資信託の新商品とは、テーマ型の投資信託です。特定の業種やテーマに沿った銘柄を組み入れている投資信託のことです。

近年だと、フィンテック、ロボティスク、宇宙開発、ドローンなどのほか、女性活躍社会などというものをテーマに銘柄を組み入れた投資信託も。時代の流れとともに、新しいテーマ型の投資信託が発売されています。

このような投資信託、とてもよく売れていると言います。

業界全体がダメージを受けたら暴落する

テーマ型は輝かしい未来を語りやすく、無料投資説明会などでそのテーマの将来性を語られると、とてもワクワクしてしまうのです。

でも、少し立ち止まって考えてみてください。実際に、今後は伸びそうな業界ですから、夢はあります。しかし、特定の企業ばかりが集まっていると、その業界全体が何らかの影響を受けて暴落することもあるのです。

投資信託のメリットはどこへ?

投資信託の良さは、複数の銘柄を少額で保有できるというところにあります。それなのに、同じテーマでひと括りにしたテーマ型の投資信託だと、分散ができていないということになるのです。

つまり、テーマ型の投資信託を購入するのは、個別銘柄を購入するのと同じくらいリスクが高いのです。

Next: 分散投資にならず、高掴みも。無料説明会ではリスクが説明されない



無料説明会ではリスクが説明されない

それを理解して購入しているのでしたら良いのですが、無料説明会では、そういうリスクは紹介されません。

そして、大抵が値上がりしているテーマなので、高掴みしているケースがほとんどです。

さらに始末に追えないのが、ピークが過ぎて価格が下がった時に「この商品を売却した資金で、この新しい投資信託を購入しましょう」と、また新たなテーマ型の投資信託を勧められて購入してしまうのです。もちろん、それらの投資信託は、たっぷり手数料も取られています。

そんなことを繰り返していると、お金はドンドン目減りしてしまいます。

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image by:Worawee Meepian / Shutterstock.com

教育貧困にならないために』(2020年9月23日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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