昨晩14日のNYダウは反落して前週末比184ドル安の2万9,861ドルで取引を終えました。コロナ感染拡大の懸念が強まり、再びロックダウンを実施するとの観測が浮上したことで市場に不安が広がっています。ここから年末にかけて、相場はどう展開していくのでしょうか?今後の注意点と見通しについて、ツイキャスやYouTubeでも人気の「投資家k.k氏」が配信する投資家k.kメルマガ「勝ち続ける投資家の思考」より、最新の展望をご紹介します。
プロフィール:投資家k.k
2008年国内大手証券会社入社、超富裕層・未上場法人の資金運用を行う業務に従事する。2016年IFAに独立。同会社の経営に参画。2019年より専業投資家へ。日本の金融リテラシー向上に貢献すべく金融教育に重点を置き活動。
投資家k.kメルマガ「勝ち続ける投資家の思考」2020/12/15号より
おはようございます。2020/12/15(火)朝のマーケット解説を配信させて頂きます(※編注:原稿執筆時点12月15日朝6時30分)。
昨日の経済誌から重要なポイントをピックアップします。
<GOTO 全国一斉停止 トラベル28日〜来月11日>
旅行・観光業には少し痛いニュースです。年末年始の人の移動が極端に減る施策が決まった様です。ただ、期間が限定されていることと、旅行会社や宿泊施設への補償に関して「これまで以上に手厚い支援策を講じる」と話しており、補償に関しては15日本日発表される予定の為、支援策次第では旅行・観光業の関連銘柄の下げ止まりに繋がる可能性があると考えております。
<日銀、資金繰り支援延長 来年3月から半年で調整>
今週末17-18日に開かれる金融政策決定会合で日銀は企業の資金繰り支援策について延長する公算が大きいとのことです。新型コロナウイルスの感染拡大により、GOTOトラベル停止などの影響が昨日発表の日銀短観にも現れてきており、景気の下振れ懸念が強まっております。
現在は2021年3月末としているものから半年程度延期する方針とのことです。資金繰り支援策はCP(コマーシャルペーパー)と社債を20兆円を上限として買い入れ、金融機関に貸し出しの原資を供給する120兆円規模の特別オペを実施しています。これを2021年の9月まで半年間延ばす方向で調整しているとのことです。これにより、企業の資金繰り懸念は和らぐため不安心理の後退につながるでしょう。
<米、量的緩和拡充へ詰め FRB15日・16日にFOMC 雇用悪化、政策綱渡り>
日曜日のまぐまぐLiveでも解説しましたが、今週の株式市場で最も注目するべき経済イベントが今晩から始まります。
記事は私がまぐまぐLiveで解説したものとほとんど被る内容なのですが、私の考察も含めてここで再度記して行きます。
今回のFOMCでは、追加緩和があると考えています。その理由は、11月末のFOMC議事録で参加者の多くが追加緩和が必要と述べていたこと、足元で新型コロナ感染拡大が過去最悪の状態で経済活動の制限や雇用環境の悪化など実体経済に悪影響が出てきていること、米議会で9,000億ドル(約93兆円)規模の追加経済対策の議論が難航していることの3点からです。
現在は米国債を月800億ドル、MBS(住宅ローン担保証券)を月400億ドルのペースで買い入れていますが、いつまでそれを続けるかという期間を示すことと、買い入れ量を拡大させること、国債の年限を長期化することが考えられます。
今回のFOMCで、期待通りの追加緩和の内容で決まれば、相場はさらに上を目指すでしょう。年末までに9,000億ドル(約93兆円)の追加経済対策も決まると思いますので、リスクオンの流れが加速すると予想致します。
<50年排出ゼロへ再生エネ拡大 送電網の強化必要>
総合資源エネルギー調査会の分科会が再生可能エネルギーの普及に向けた課題や方策を議論しました。太陽光発電に対してポジティブな内容がありましたので触れて行きます。
日本は耕作放棄地や空き地などを考慮すれば地上設置型の太陽光だけでも原発や大型火力およそ100基分にあたる1億キロワット超の設備を置く土地があるとの見解も出ています。
今後国内需要だけでも、大きな特需が生まれるセクターだということが分かりますね。昨日のレノバの動きにも納得が行きます。再生可能エネルギー全般に強い動きが引き続き予想されますが、太陽光発電セクターは業績に反映されるのが早いように感じます。
Next: 本日の投資戦略は?注目すべきポイント
昨日の日本市場の振り返り
日経平均株価:2万6,732 +79(+0.30%)
TOPIX:1,790.52 +8.51(+0.48%)
マザーズ:1,187.88 +1.73(+0.15%)
14日(月)の日本のマーケットは、日経平均は3日ぶりに反発し、2万6,732円で取引を終えました。
欧米での新型コロナウイルスのワクチン早期実用化により景気回復期待から、機械、海運など景気敏感株を中心に買われました。後場は新型コロナ感染拡大などを警戒し上げ幅を縮小する形で取引を終えました。
日銀が寄り付き前8:50に発表した12月の全国企業短期経済観測調査(短観)で大企業製造業の景況判断指数(DI)がマイナス10と市場予想マイナス14を上回ったことで、寄り付き直後から幅広い銘柄に買いが続き、日経平均は一時200円を超える上げ幅を記録しました。午後に入り政府がGOTOトラベルの制限強化が伝わると上げ幅を縮める結果になりました。東証1部の売買代金は2兆3,331億円でした。
直近の日米主要指数の推移
<日経平均>
11.24 26,165+638(+2.50%)
11.25 26,296+131(+0.50%)
11.26 26,537+240(+0.91%)
11.27 26,644+107(+0.40%)
11.30 26,433-211(-0.79%)
12.1 26787+353(+1.34%)
12.2 26,800+13(+0.05%)
12.3 26,809+8(+0.03%)
12.4 26,751-58(-0.22%)
12.7 26,547-203(-0.76%)
12.8 26,467-80.36(-0.30%)
12.9 26,817+350(+1.33%)
12.10 26,756-61(-0.23%)
12.11 26,652-103(-0.39%)
12.14 26,732+79(+0.30%)
<TOPIX>
11.24 1762.40+35.01(+2.03%)
11.25 1767.67+5.27(+0.30%)
11.26 1778.25+10.58(+0.60%)
11.27 1786.52+8.27(+0.47%)
11.30 1754.92-31.60(-1.77%)
12.1 1768.38+13.46(+0.77%)
12.2 1773.97+5.59(+0.32%)
12.3 1775.25+1.28(+0.07%)
12.4 1775.94+0.69(+0.04%)
12.7 1760.75-15.19(-0.86%)
12.8 1758.81-1.94(-0.11%)
12.9 1779.42+20.61(+1.17%)
12.10 1776.21-3.21(-0.18%)
12.11 1782.01+5.80(+0.33%)
12.14 1790.52+8.51(+0.48%)
<マザーズ>
11.24 1225.21+26.85(+2.25%)
11.25 1199.52-25.69(-2.10%)
11.26 1204.22+4.70(+0.39%)
11.27 1211.00+6.78(+0.56%)
11.30 1232.40+21.40(+1.77%)
12.1 1263.01+30.61(+2.48%)
12.2 1265.56+2.55(+0.20%)
12.3 1232.94-32.62(-2.58%)
12.4 1221.77-11.17(-0.91%)
12.7 1170.56-51.21(-4.19%)
12.8 1186.92+16.36(+1.40%)
12.9 1170.43-16.49(-1.39%)
12.10 1156.97-13.46(-1.15%)
12.11 1186.15+29.18(+2.52%)
12.14 1187.88+1.73(+0.15%)
<米ダウ>
11.23 29,591+327(+1.12%)
11.24 30,046+454(+1.54%)
11.25 29,872-173(-0.58%)
11.26 休場
11.27 29,910+37(+0.13%)
11.30 29,639-271(-0.91%)
12.1 29,823+185(+0.63%)
12.2 29,885+61(+0.20%)
12.3 29,970+86(+0.29%)
12.4 30,218+248(+0.83%)
12.7 30,069-148(-0.49%)
12.8 30,173+104(+0.35%)
12.9 30,068-105(-0.35%)
12.10 29,998-70(-0.24%)
12.11 30,046+47(+0.16%)
12.14 29,861-184(-0.62%)
<ナスダック>
11.23 11,880+25(+0.22%)
11.24 12,036+156(1.31%)
11.25 12,094+57(+0.48%)
11.26 休場
11.27 12,205+111(+0.92%)
11.30 12,198-7(-0.06%)
12.1 12,355+156(+1.28%)
12.2 12,349-5(-0.05%)
12.3 12,377+27(+0.23%)
12.4 12,464+87(+0.70%)
12.7 12,519+55(+0.45%)
12.8 12,582+62(+0.50%)
12.9 12,338-243(-1.94%)
12.10 12,405+66(+0.54%)
12.11 12,377-27(-0.23%)
12.14 12,440+62(+0.50%)
<S&P500>
11.23 3579.30+21.76(+0.61%)
11.24 3635.20+57.61(+1.61%)
11.25 3630.38-5.03(-0.14%)
11.26 休場
11.27 3638.35+8.70(+0.24%)
11.30 3626.20-12.15(-0.33%)
12.1 3660.91+39.28(+1.08%)
12.2 3669.73+7.28(+0.20%)
12.3 3668.90-0.11(0.00%)
12.4 3699.12+32.40(+0.88%)
12.7 3691.90-7.22(-0.20%)
12.8 3702.25+10.29(+0.28%)
12.9 3672.82-29.43(-0.79%)
12.10 3668.73-4.09(-0.11%)
12.11 3663.46-4.64(-0.13%)
12.14 3645.50-17.96(-0.49%)
NY市場について
本日のNY株式市場は、ダウが2万9,861 -184(-0.62%)と引けにかけて下げ幅を広げる展開でした。
新型コロナ感染拡大に歯止めがかからず経済の停滞を懸念した売りが優勢になっております。ロックダウン(都市閉鎖)が再度導入されるとの観測も浮上しているようです。新型コロナネタで下げた時は、今までは絶好の買い場でしたので今回もその様になりそうです。追加経済対策の早期可決や、FOMCでの追加緩和期待から下げ幅も限定的でした。
米食品医薬品局(FDA)は米ファイザーと独ビオンテックが共同開発したワクチンの緊急使用を許可し14日から接種が始まったようです。ナスダックや半導体指数SOXは上昇しました。巣ごもり消費を背景にAmazonやNetflixなどが高く推移しておりました。
今週の主な予定
12月14日(月)
・日本 日銀短観[大企業製造業業況判断]8:30
・日本 鉱工業生産13:30
12月15日(火)
・中国 鉱工業生産11:00
・米国 ニューヨーク連銀製造業景気指数22:30
・米国 鉱工業生産23:15
12月16日(水)
・米国 MBA住宅ローン申請指数21:00
・米国 小売売上高22:30
・米国 製造業PMI23:45
・米国 FOMC15-16日
12月17日(木)
・米国 住宅着工件数22:30
・米国 新規失業保険申請件数22:30
12月18日(金)
・日銀金融政策決定会合17-18日(昼前後に発表)
今週のマーケットについて
今週のマーケットのポイントは、15-16日に行われるFOMCと、17-18日の日銀会合にあります。
マーケットは週間通して強く動くことを想定しております。
理由としては、先週ECB が追加緩和に踏み切ったこと、今回のFOMCでは追加緩和が期待できること(期待の根拠としては、11月のFOMC議事録では参加者の大半が追加緩和の必要性を支持、足元の新型コロナ感染拡大による経済活動の制限、与野党協議で追加経済対策に進展がないこと)です。先週の臨時閣議で閣議決定した、日本の追加経済対策に関しても相場の追い風になることでしょう。
テーマとしては、週末のトヨタ自動車の次世代電池搭載車の記事も含めEV関連は引き続き物色の対象になるでしょう。再生可能エネルギーセクター、蓄電池セクターもしっかり監視していきたいところです。
きょう15日からIPOラッシュがスタートします。新興市場では資金抜けするセクターも出てくると思いますので、チャンスの多い期間のスタートの週になるでしょう。
月曜日断食ルール(私のマイルール)
・月曜日 水か炭酸水以外口にしない
・火〜金 朝なし、昼サラダ・ゆで卵、夜つまみとお酒(ビールは一杯まで、他はウイスキーなど、炭水化物は摂らないように)
・土日 好きなものを適度に食べて良い、もちろんお酒もオッケー
こんな感じで、本当健康になれます!ぜひ、お試しください!
本日の日本市場について
本日は、NYの影響を受けやや下げでスタートする様ですので、前場安値を拾うイメージが大切だと思います。
特に再生可能エネルギーセクターやEV関連セクターの良いチャートの銘柄の利益確定に押されて下げたところは注目です。そこを意識してみてください。
スタメン<4019>、ビーイングホールディングス<9145>の2社がIPOです!12月IPOラッシュスタートの銘柄。特にスタメンの動きには注目して行きたいと思います。
Next: 12月はIPOラッシュ、26社が上場予定
<要注目!!!>
12月はIPOラッシュで26社が上場を予定しております。これは今年3月以来の数です。
3月もそうでしたが、IPOが26社もあると新興市場(個人投資家が多く参入している市場)では資金分散が起こります。資金が分散するという事は、IPOの初値が低く寄り付いたり、IPOに資金が向かい新興市場の有望な銘柄から資金が抜け結果的に安く買うことができる可能性があるなど、投資家にとっては大きな収益チャンスがある1ヶ月だと思っております。
このような時ほど、事前の準備(銘柄分析や投資戦略をしっかりたてる)をするのとしないのとで大きな差が生まれてしまいます。このメルマガ内は勿論、12月はIPO勉強会を「まぐまぐLive」ですべてカバーできるようにして行きたいと思います。
メルマガ会員様皆さんが上手く立ち回れるよう、私も全力でアウトプット致しますので宜しくお願い致します。
本日も、最後までメルマガのご購読を頂き誠にありがとうございました。本日18時よりIPO4社の勉強会を開催致します。お時間合う方は是非ご参加宜しくお願い致します。
今週も張り切って参りましょう!明るく、元気に、前向きに!宜しくお願い致します。
(続きはご購読ください)
『投資家k.kメルマガ「勝ち続ける投資家の思考」』(2020年12月15日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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