本日より、電気自動車メーカーのテスラ株が米主要株価指数S&P500種に入ります。これにより、今年だけで7倍と、派手な値上がりを続けてきたテスラ株の動きがそのままS&P500にも影響を与えます。(『高梨彰『しん・古今東西』高梨彰)
※本記事は有料メルマガ『高梨彰『しん・古今東西』』2020年12月21日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
日本証券アナリスト協会検定会員。埼玉県立浦和高校・慶応義塾大学経済学部卒業。証券・銀行にて、米国債をはじめ債券・為替トレーディングに従事。投資顧問会社では、ファンドマネージャーとして外債を中心に年金・投信運用を担当。現在は大手銀行グループにて、チーフストラテジスト、ALMにおける経済・金融市場見通し並びに運用戦略立案を担当。講演・セミナー講師多数。
テスラ、S&P500種の構成銘柄入り
米議会にて9,000億ドル(93兆円)の経済対策が共和・民主両党の間で合意したと、共和党マコネル上院院内総務が述べています。合わせて、「テスラ、S&P500種の構成銘柄入り」も話題です。
本日より、電気自動車メーカーのテスラ株が米主要株価指数S&P500種に入ります。これにより、今年だけで7倍と、派手な値上がりを続けてきたテスラ株の動きがそのままS&P500にも影響を与えます。
TESLA INC<TSLA> 日足(SBI証券提供)
S&P500指数 日足(SBI証券提供)
株高=ハイテク株高
テスラ株がS&P500の中に占める比率(影響度)は1.69%、500種の中で5番目に大きな存在です。
因みに、テスラよりも上位にあるのは、アップル(6.47%)、マイクロソフト(5.29%)、アマゾン(4.37%)、フェイスブック(2.13%、いずれもCNBCサイトより)。
またグーグルの親会社アルファベットはクラスA株とクラスC株があって、それぞれ1.66%・1.61%の構成比率となっています。
というわけで、実質的にテスラはS&P500の中で6番目に大きい株です。
それにしても、改めて米国株はハイテク株に支配されていると、この構成比率1つとっても確認可能です。「株高=ハイテク株高」といっても過言ではありません。
Next: テスラがS&P500を急落に導く?
派手な値動きが指数にも
言い換えれば、「米株高」の裏で、もたつく株がたくさんあるとも。9,000億ドルの景気対策にしても、恩恵は前述の企業などに集中しそうです。
テスラ株がS&P500に入って、実際に指数の値動きがどれだけ派手になるか注目です。
テスラ株は「割高だ」と言われ続けながら値上がりしてきました。しかも、テスラはその間に増資を繰り返しています。直近でも、S&P500入りが発表され、先回り買いが入る中での増資を決めたばかりです。
「割高だ」と唱えてきたアナリスト等は、テスラが導くS&P500急落を心待ちにしているはずです。
世界的なウイルス感染が再拡大する中で、相変わらず株式市場や商品先物、ついでに暗号資産(仮想通貨)の値動きは元気です。あらゆる景気刺激策がリスク資産価格、しかも限られた銘柄に吸い取られていきます。
こんな値動きがまっとうなわけないのですけど、抗うのも難しいところ。バブル全盛の冬至です。ゆず湯にでも浸かっておきますか。
今回のまとめ
・9,000億ドルの米景気対策合意、株高を導く
・テスラ株が本日よりS&P500入り、派手な値動きが指数にも
・S&P500の構成比率をみて、改めて「株高=ハイテク株高」を実感
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『高梨彰『しん・古今東西』』(2020年12月21日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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