トム・ソーヤーの冒険でも
この話を聞いて、思い出した話があります。かの童話「トム・ソーヤーの冒険」にも、似た内容がありました。
トムは親の言いつけで、カベにペンキを塗る仕事をしていました。それは非常に面倒なので、トムは何とか他の人間に手伝わせようとしました。ただその際「手伝って」と言っても、相手は絶対にやってくれないはずです。そのため友人の前で、トムはいかにも楽しそうにペンキを塗り始めました。
「こんな楽しいこと、ないよ!?誰かが何かくれるって言っても、絶対に変わりたくないね!」
それを見ているうちに、友達がウズウズして言いました。
「おい、ちょっとだけやらせてくれよ…!このリンゴ少しだけ、あげるからさ…!」
するとトムは、笑いをかみ殺して、困ったように言いました。
「本当はイヤなんだけど…。リンゴまるまる一個と引き替えなら、特別にいいよ」
友人はしばらく考えた後、リンゴをそのまま渡し、ペンキ塗りを「やらせてもらえる」ことになったのです。
まぁ、確かにペンキ塗りは、面倒な面もあれば、楽しい面もあるはずです。「面倒」な部分だけに注目せず、「楽しさ」を前面にプレゼンしたからこそ、破格の条件での手伝いをゲットできたのですね。
新たな価値を共有しよう
これはいくらでも応用が利きます。
「当社と契約してください!費用はまけますから!」
などの言い方よりも
「当社と契約すると、御社にとってもこんなメリットや、こんなメリットがあるんじゃないでしょうか?」
など言った方が、相手はよりOKしやすくなります。
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「食事行こうよ!おごるし、車出すから!」と頼み込むより「食事行こうよ!日本に初上陸したスゴいお店だから!」というように、相手へのメリットを強調した方が、YESと言いやすくなるのではないでしょうか。重要なのは、「相手だったらどう感じるか」を考え、それをきちんと主張して上げること。