崩れかけたチョルテン(仏塔)が、親指を立てて「いいね!」のポーズをしているように見えた。チョルテンは石を積み上げ漆喰で固めただけなので、風雨に晒されると徐々に形が崩れていく。形あるものは永遠ではないのだと教えているようだった。
ラダック地方に点在するチョルテンの白がまぶしかった。チョルテンとは高僧の遺物などを収めたチベット仏教の仏塔のこと。石を積み上げてから漆喰で固め、石灰石を水で溶いた塗料で白く塗装している。作られてから何世紀も経ち、徐々に形が崩れていく様は、諸行無常を感じさせる。
ラダック州の小さな集落のはずれに白いチョルテンが並ぶ光景。チベット仏教の仏塔であるチョルテンは、村人が自分たちの手で作り上げたもの。厳しい自然の中で生き抜く上で必要な強い信仰心を感じた。
ラダック地方の最大都市レーからヌブラ渓谷へ向かうために、岩山に作られた細い道を進む。GPSで確認すると、標高はちょうど5000mだった。このような高所で、危険な道路工事をしているのは、主にビハール州から来た出稼ぎ労働者たちだった。
image by: MASASHI MITSUI