ナショジオ賞作家が切り取った、インド北部にある秘境の大自然

 

mitsui7

崩れかけたチョルテン(仏塔)が、親指を立てて「いいね!」のポーズをしているように見えた。チョルテンは石を積み上げ漆喰で固めただけなので、風雨に晒されると徐々に形が崩れていく。形あるものは永遠ではないのだと教えているようだった。 

mitsui8

ラダック地方に点在するチョルテンの白がまぶしかった。チョルテンとは高僧の遺物などを収めたチベット仏教の仏塔のこと。石を積み上げてから漆喰で固め、石灰石を水で溶いた塗料で白く塗装している。作られてから何世紀も経ち、徐々に形が崩れていく様は、諸行無常を感じさせる。 

mitsui9

ラダック州の小さな集落のはずれに白いチョルテンが並ぶ光景。チベット仏教の仏塔であるチョルテンは、村人が自分たちの手で作り上げたもの。厳しい自然の中で生き抜く上で必要な強い信仰心を感じた。 

mitsui10

ラダック地方の最大都市レーからヌブラ渓谷へ向かうために、岩山に作られた細い道を進む。GPSで確認すると、標高はちょうど5000mだった。このような高所で、危険な道路工事をしているのは、主にビハール州から来た出稼ぎ労働者たちだった。

image by: MASASHI MITSUI

三井昌志この著者の記事一覧

旅写真家・三井昌志が送るビジュアル・メルマガ。等身大のアジアの表情を、美しい写真と旅情溢れる文章で綴る無料メルマガ。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 素顔のアジア(たびそら・写真編) 』

【著者】 三井昌志 【発行周期】 ほぼ 週刊

いま読まれてます

  • ナショジオ賞作家が切り取った、インド北部にある秘境の大自然
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け