現役アナが解説。役者の演技のように口調を操るための6要素

 

3.表情と口の形

テーマは口調なのですが、実は表情、口の形という外形的な要素も、口調に影響を与えています。例えば、にこにこ笑顔の人は、声だけでも、笑っているように聞こえます。

これは、実際に笑顔になることで、口角が上がる、歯が出るなどして、発音が明瞭になる、乾いた音になる、ほか、高低も少し高めになったり、抑揚が付いたり、テンションが上がったりするからです。

逆に、陰気で嫌味な人を演じる役者さんは、わざわざ顔をゆがめたり、口をへの字にしたりします。また、歯を見せずに、上唇が被りがちな人は、音がこもります。内向的なキャラクターを演じるには、そういう口の形が持ってこいですね。

テレビや映画などの役者さんで、どんな役を演じても、あまり印象が変わらない人って、いますよね。そういう役者さんは、たいてい、顔が変わっていないんですよね。(イメージが大事なので変えられないということもあるでしょうが…)

役を演じる、という意味では、このような、イメージする人のように顔を作るというのは、ストレートなやり方ですが、最も導入しやすい方法かもしれません。

4.アクセント・イントネーション

抑揚を大げさにしたり、特徴的にすることで、口調は大いに変わります。アクセント、イントネーションは、音楽で言えば、音程です。音感が鋭い人は、すぐにイントネーションを真似できるかもしれません。

例えば、方言をイメージしていただければよいと思います。津軽弁、大阪弁、京都弁、沖縄弁…もちろん、それぞれ特有の語彙がありますが、語彙を知らなくても、音程を取り入れるだけで、キャラクターが作れますよね。

ちなみに、名古屋弁などを真似する時には、語頭のアクセントを、3音節目以降に持ってくるようにしたりします。標準語では、語頭の1音節か2音節目に、アクセントが必ず来るんですね。

例えば、サ/ンドウィッチであれば、2音節目に高くなるアクセントなのですが、サンド/ウィッチというように、4音節目までアクセントを遅くすると、名古屋弁になります。

また、デパートの館内放送は、語尾が半音上がる、と過去記事でお話ししましたが、そういう意味では、あれもひとつの方言みたいなものなのかもしれませんね。

このように、自分が再現してみたいイントネーションは、どこにアクセントがあるかを考えてみると、導入しやすくなると思います。

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