ではこのイメージを、上記の要素に変換していきましょう。
1.声色
声は高すぎないでしょうね。張り過ぎず、丸く柔らかく
2.発音
聞き取りやすさを意識しているため、発音はきれいですが、吐く息は強すぎず、一音一音の長さが揃っていて、調音点は平均的、最後までしっかり発音するため、母音を響かせる感じ
3.表情と口の形
表情は穏やかではあるが、笑い過ぎない、歯はたまに少し見える程度、口の形は歪みがない
4.アクセント、イントネーション
抑揚が大げさにならない程度に、綺麗な音程で
5.緩急
ゆっくり話し、なおかつ、考えながら間を取る
6.よく使う言葉、語彙
ですます、丁寧語。村上春樹作品ですので、カタカナ語、外来語はもしかしたら使う人かも?ただ、相手にわかりやすく伝えることに、高い意識がある人なので、この言葉、この話、伝わったかな?と思ったら、「これはどういうことかと言いますと…」のように、すぐに違う表現で説明を付け足すような…ああ、もしかしたら、比喩表現やたとえ話が上手かも!
…と考えると、壁土を塗るような話し方って、村上作品そのものみたいな感じ、なのかもしれませんね。あくまで、私の想像です、悪しからず。
このような方法をとらず、直感的に、他人の特徴をまねることが得意な人もいらっしゃるかもしれませんが、印象をキャッチすることと、自分で再現することは、多くの人にとっては、次元の違う難しさがあるものです。
自分で再現するのがうまくなるためには、このように、その性質を分析して、各要素を、言ってみれば数値化すること。何を、どのぐらい、どうすると、イメージが再現できるかを考える。
この方法は、物まね、役作りに限らず、人生のいろいろなシーンに応用できるような気がします…。
image by: 663highland [CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons