なぜ日本企業はメリットだらけの「チェックリスト」を使わないのか?

 

4.業務マニュアルとチェックシート

多くの場合、業務マニュアルは冊子の形状であり、読んで覚えて仕事に生かすか、迷った時に確認するために使う。

しかし、もし、マニュアルがチェックシートに記載されていれば、マニュアルを覚えなくても、マニュアル通りの業務ができるようになる。上司はチェックシートを事前にチェックす
ることで、チェック項目を追加したり、内容を精査できる。それを行うことが指導であり、教育であるということだ。グループウェアや社内チャットは、意識を共有することはできるが、具体的な業務の内容まで管理することはできない。

チェックシートの優れている点は、チェックすることで、その項目の業務が終了したのか、取りかかったのかが確認できることだ。

また、営業や販売等でインストラクターがチームのチェックシートを確認して、新たな項目を指示することで、生きたノウハウを共有することがてきるだろう。メールもチェックシートに代替えすれば、項目毎の管理が可能になる。全てを管理されることを嫌う社員もいるだろうが、行動の迷いがなくなり、効率を上げることで残業等が減少するというメリットもある。

単純だからこそ、強力な業務ツールになり得るが、問題は、慣れると、チェックシートを作られくなり、チェックもないがしろになるということだ。これを徹底するには、組織内のルールを決め、リーダーが模範となり、常にチェックすることが重要である。

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■編集後記「締めの都々逸」

「項目立てて 計画立てて それができれば いっちょ前」

昔、ザウルスというPDA(携帯情報端末)がありました。愛用していたんですよね。「ザウルスに電話がついたら便利だろうな」と思っていたら、出たんです、携帯機能付きのザウルス。でも、それは日本一重い携帯電話でした。それにメモリ容量が少なかったんです。

結局、紙の手帳に戻り、再びデジタル化したのは、つい4年前くらいです。グーグルカレンダーに統一しました。

でも、ザウルスって使いやすかったンですよね。予定に絵文字が入れられたりして。

今回、チェックシートを考えてみて、こういう汎用性の高いものこそ、ツールとしては使いやすいのにな、と思っています。但し、「チェックシートの仕事術」のような本を一冊書かなければいけないかもしれませんね。
(坂口昌章)

image by: Shutterstock.com

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