世界的戦略家であるエドワード・ルトワックさんが、わが国の総理を「まれに見る戦略家だ!」と絶賛していることをご存じでしょうか?「ただお世辞をいっただけなのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、このルトワックさんは非常に率直な人なのです。(『ロシア政治経済ジャーナル』北野幸伯)
決してお世辞ではない「稀代の戦略家・安倍総理」が日本を救う
家宝級の1冊『戦争にチャンスを与えよ』
先日、日本から「家宝級」の本が送られてきました。大ベストセラーになっているので、読まれた方も多いと思いますが、世界一の戦略家エドワード・ルトワックさんの『戦争にチャンスを与えよ』です。
この本、絶対読んでおくべきです。こんな貴重な情報が800円で売られているとか、普通ありえません。この『戦争にチャンスを与えよ』については、これからもメルマガで何度もとりあげようと思っています。
しかし、今回はまず「日本の希望」について触れておきましょう。
ルトワック「安倍総理はまれに見る戦略家」
この本のP63に、安倍総理に関する記述があります。
最初に申し上げなければならないのは、残念ながら、先日の安倍総理との会談内容については守秘義務があり、いっさいお話しすることはできないということだ。
ここでルトワックさん、「安倍総理と会った」と書いています。
エドワード・ルトワック氏(出典:Wikimedia Commons)
今からちょうど80年前、日中戦争がはじまりました。この時、中国は、アメリカ、イギリス、ソ連から支援を受けて戦っていた。
つまり、「日中」戦争とはいいますが、実際は「日本 対 米英中ソ」戦争だった。こんなもん勝てるはずがありません。なんで、こんな愚かなことになったのでしょうか?
この2年後、1939年8月に辞職した平沼騏一郎総理(当時)が、その答えを教えてくれます。平沼総理は、辞めるにあたって、
「欧州の天地は複雑怪奇!」
という歴史的言葉を残しました。
つまり、当時の日本の総理たちは、「欧州(や世界)で起こっていること」が全然理解できていなかった。そりゃあ、負けます。
そして、皆さんご存知のように、日本には「大戦略」がありませんでした。陸軍は、「ソ連こそが主敵である!」とし、海軍は、「アメリカこそが最大の敵である!」としていた。これ、国家としてどっちか決めないとダメでしょう?
日中戦争開戦から80年が過ぎ、現在の安倍総理は、世界一の戦略家に会い、学んでおられる。すばらしいことです。
ところで、ルトワックさんの「安倍評」も書かれています。ルトワックさんが、安倍総理に会われた感想は?
ただ、これだけは言える。私が見たところ、安倍総理はまれに見る戦略家だ。(同上)
安倍総理はまれに見る戦略家だ。
安倍総理はまれに見る戦略家だ。
安倍総理はまれに見る戦略家だ。
世界的戦略家が、わが国の総理を「まれに見る戦略家だ!」と絶賛する。まことに誇らしいことです。
「ルトワックさん、ただお世辞をいっただけなのでは?」と思うかもしれません。しかし、この本を読めばわかりますが、ルトワックさんは、非常に率直で、お世辞をいうような人には思えません。
「良いこと」は「良い」といい、「悪いこと」は「悪い」といっているようです。
Next: ルトワックは日本の安倍総理と世界の他のリーダーをどう評価している?
ルトワックはなぜ日本の安倍総理だけを絶賛するのか?
ルトワックさんによる、他の国やリーダー、機関の評価を、すこし見てみましょう。
<CIAについて>
ご存知かもしれないが、CIAは、アメリカの政府機関の中で最も仕事のできない機関だ。(P94)
<フィリピンについて>
フィリピンは、「反中同盟」からすでに脱落した。(P101)
<北朝鮮について>
北朝鮮は、特異な政権である。特異な点として、二つ挙げられるだろう。一つは、リーダーのヘアスタイルがひどい(P110)
<ロシアの特徴について>
戦略は上手だが、それ以外はすべて下手だ。(P175)
経済がまるで分かっていない。これが第二の特徴だ。(同上)
少し挙げましたが、これだけ読んだだけでも、ルトワックさんの「率直さ」「面白さ」がわかりますね。
まあ、それでも、「安倍総理に会った後、安倍総理を褒めるのは当然」という方もいるでしょう。
これは私の想像ですが、ルトワックさんが安倍総理を褒めているのは、総理が、アメリカと良い関係を築いている。そして、アメリカと悪い関係にある大国ロシアともいい関係を築いている。結果、中国が侵略しづらい状況をつくりあげているからだと思います。
Next: ルトワック本はなぜ日本で突然売れるようになったのか?
ルトワック本はなぜ日本で突然売れるようになったのか?
ところで、ルトワックさん、突然日本で有名になりました。その理由は、この『戦争にチャンスを与えよ』と、前著の『中国4.0~暴発する中華帝国』がベストセラーになったからです。
ルトワックさんの本は、もちろんこの2冊以外にもあります。たとえば、『自滅する中国』や、『戦略論』という代表作がある。
ところが、たとえば「戦略論」は、非常に難解である。ルトワックさんに、こんな率直な感想をいった人がいたそうです。
「この本は、まるで英語をドイツ語に訳し、再び英語に訳し直したような難しさがある」と批判されたことがある。(P130)
私も持っていますが、確かに簡単な本ではありません。
ところが、『中国4.0』と『戦争にチャンスを与えよ』を読んで、「難しい」という人は一人もいないでしょう。むしろ「サクサク読める」と思うはずです。
それでいて、ルトワックさんの真意は十分すぎるほど伝わってくる。
なぜ、世界一の戦略家ルトワックさんの本が、突如「わかりやすく」なったのでしょうか?
秘密があります。
実は、インタビュアー兼翻訳者がすごい人なのです。私が大昔から、「この方は諸葛孔明の再臨に違いない」と書いている、世界有数の戦略家・地政学者の奧山真司先生がインタビュー・翻訳をされている。
ご自身が戦略家で地政学者なので、適切な質問をすることができ、難しい話を庶民でもわかるように訳すことができる。
奧山先生とルトワックさんがタッグを組んだことで、われわれ日本人は、800円で「世界一の戦略家の頭の中」を知ることができる。よい時代になったものです。
『戦争にチャンスを与えよ』まだの方は、是非ご一読ください。
世界一の戦略家ルトワックを深く学ぶことは、とりもなおさず、「あなた自身が世界的戦略家と同じように考えられるようになること」を意味します。
学ぶことで、あなたの仕事は大いに繁栄することでしょう。それは、日本にとってもすばらしいことです
『ロシア政治経済ジャーナル』(2017年5月15日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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