私の最新版の「仮想通貨投資方法」を紹介します。大きなギャンブルをするよりも、できる限り知恵を使ってリスクを減らし、リターンを最大化する方法です。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)
※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2018年1月18日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。
仮想通貨は難しい? 初心者が取るべき戦略と避けたいアプローチ
できるだけリスクを減らし、リターンを最大化する投資法
多くの方からリクエストを頂いたので、私の最新版の仮想通貨投資方法を紹介したいと思います。
はじめに断っておくと、私はこういった仮想通貨のような新しいものに対してはファーストペンギンというよりはセカンドペンギンに近いアプローチを取る傾向にあります。実際、ビットコインが出た当初は仮想通貨はいかがわしいものだと疑って購入するのが遅れました(笑)。
個人のお金に関してはどちらかと言うとコンサバティブな方で、あまり大きなギャンブルをしない傾向にあります。大きなギャンブルをするよりもできる限り知恵を使ってリスクを減らし、リターンを最大化する方法を考える性格です。
そういった意味ではビットコインをかなり初期から保有していた方にとってはあまり参考にならない内容かもしれませんし、一攫千金を狙って全財産を仮想通貨に投入するようなリスクを取りたい方にも恐らく参考にならない可能性が高い、ということをはじめにお断りしておきます。
また、この記事の内容は投資を推奨するものではなく、投資助言をするものでもありません。あくまで私の実践している方法を公開するだけの内容になります。皆さんにとっては当たり前かと思いますが、あくまでも投資は自己責任で行なってください。特に仮想通貨は通常の株式や債券と比べるとボラティリティが非常に大きいうえに、消費者保護的な観点での法整備もまだされていない部分も大きいので、繰り返しますがくれぐれも自己責任で投資判断を行ってください。
2017年までの仮想通貨市場
2017年までの仮想通貨を振り返ってみると、誤解を恐れずに言えば「仮想通貨=ビットコイン」だったと言っても過言ではないのではないでしょうか。
あまり深いことを考えずに、ビットコインだけを長期で保有している人が儲かる市場だったのではないかと思います。
ビットコインの価格はこの1年間で+1,655%、つまり16倍以上に上がっているわけで、1年前にビットコインを買っていた人は現時点でこれだけの大きなリターンを得ることができたとも言えます。
2018年年初時点での仮想通貨市場
一方で2017年の後半から仮想通貨市場全体のトレンドは少し変わってきたように個人的には思っています。
具体的な変化としては、ビットコイン以外の仮想通貨がビットコイン以上に大きく値上がりをするケースが目立ってきました。
例えばイーサリアムの場合、1年間で12,000%以上、つまり120倍以上に値上がりしています。
また、ライトコインは1年間で6,659%、つまり66倍以上に値上がりしています。
色々な仮想通貨が生まれ、ビットコインなどからのハードフォーク(取引データをユーザーが分散して管理しているブロックチェーンが分岐することで旧ルールで運用するブロックと新しいルールで運用するブロック=新しい仮想通貨ができること)も生まれ、仮想通貨市場は株式市場のように複数の銘柄から成り立つよりダイナミックな市場になりました。
このグラフは、仮想通貨市場全体の時価総額においてビットコインが占める割合をオレンジで、イーサリアムが占める割合を青で示しています。これを見ればわかる通り、2017年の初頭まではビットコイン=仮想通貨だったと言っても過言ではありませんが、最近ではビットコインは仮想通貨市場全体の約半分程度にまで落ち込んでいます。
ビットコインがハードフォークを行なった頃は、ビットコインの一人勝ちになるのではないか?というそれまでのトレンドを踏襲していたようにも見えました。しかし、約半年経ってみるとそんなことはなく、それぞれの仮想通貨がそれぞれの特色を持って必ずしもビットコインとは連動しない形で価格を形成していることがよくわかります。
Next: (よほどの投資のプロでない限り)避けるべき投資のアプローチとは?
投資対象としての仮想通貨
ここまで書いたことをまとめると以下のようになります。
- ボラティリティが非常に大きい
- ビットコイン以外の仮想通貨がビットコイン以上に急成長するケースが目立ってきた
ビットコイン単体でも非常に大きなボラティリティ(価格変動)があるわけですが、それ以外にまったく異なる複数の仮想通貨が同じように大きなボラティリティをもって値動きしているというのが現状です。
また、さらに状況を難しくしているのはビットコインよりも利回りが良い仮想通貨が複数出てきてしまっていることによります。
つまり、これまでは仮想通貨に投資をしたければ「ビットコインだけを購入してただ長期に保有していく」というのが正しい戦略だったわけですが、今となってはその戦略ではアルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)の値上がりを捉えることはできないことが明白になってきたということです。
このような非常に複雑な金融商品に対して投資をする際に、どういったアプローチをとるべきなのでしょうか?
(よほどの投資のプロでない限り)避けるべき投資のアプローチ
はじめに避けるべき投資アプローチを列挙してみたいと思います。
1つ目は信用取引を避けることです。
日本の仮想通貨取引所でも信用取引を積極的にプロモーションしているところが多々見受けられますが、この信用取引に係る手数料を調べてみると非常に大きな手数料を取られていることがわかります。
具体的にはクレジットカードのリボ払いと同じような水準の手数料がかかります。これらの取引所で信用取引をしているということは、実際には「クレジットカードでリボ払いをしてお金を借りながら仮想通貨に投資をしている」というのとほとんど経済的には変わらないことになりますので、そういった意識がない状態での信用取引は避けるべきでしょう。
2つ目は聞いたこともないような草コイン(アルトコインのなかでも無名のコイン)への投資を避けるということです。
自分でリスクを取って詳細な草コイン情報を調べて投資をするのであればもちろん構わないとは思いますが、普通の人が普通に初めて聞くような仮想通貨に投資をするのは投機以外の何物でもないと思いますので、よほど自信がある方以外は草コインに投資をするのは避けた方が安全なのではないかと思います。
投資の素人が取るべきアプローチ = 分散投資+ロング(長期保有)
話を元に戻しましょう。私のような投資の素人が取るべき投資アプローチというのは、一体どういったものでしょうか?
仮想通貨を一旦忘れて、通常の株式や債券の投資であれば、結論はほぼ出ています。投資の素人にとって一番期待リターンが高い投資方法というのは、分散投資を行い長期保有することに尽きます。
『なぜ投資のプロはサルに負けるのか?― あるいは、お金持ちになれるたったひとつのクールなやり方』(著:藤沢数希/刊:ダイヤモンド社)
この本に具体的に書いてありますが、実際にこの「分散投資+長期保有」という戦略に勝てるプロのトレーダーがほとんどいないことは、過去の事例から証明されつつあります。
最近話題になっているロボアドバイザーもまさにこのアプローチを採用しています。世界中のあらゆる金融商品に超分散投資をし、かつ長期で保有することで個別銘柄のリスクを排除しつつ市場全体が伸びるスピードよりも良いリターンを得られるという発想です。
金融工学を少しでも勉強したことがある人はご存知の「CAPM」と呼ばれるノーベル賞を受賞したモデルがまさに適用されているわけです。「CAPM」に関して詳しく知りたい方はぜひ詳細を調べてみてください。
Next: 仮想通貨で「分散投資+長期保有」を行う具体的な方法は?
仮想通貨市場の成長が大前提
さて、ここまでで「仮想通貨の投資においても分散投資かつ長期保有が良さそうだ」と言うことをご理解いただけたかとは思いますが、具体的にどのように投資をしていくのかという方法を以下で紹介したいと思います。
繰り返しで恐縮ですが、投資は自己判断でお願いしたいと思いますし、私としてもこの方法をまだ始めたばかりなので実際にこの通りにやってリターンが出る保証はどこにもありません。
勘のいい方はおわかりだと思いますが、仮想通貨市場全体に分散投資し長期保有を行うということは、仮想通貨市場がこれからまだまだ成長するであろうという前提があります(仮想通貨市場はこれ以上成長しないと思う方は当然ながら投資すべきではありませんので、その判断も各自行ってください)。
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仮想通貨で「分散投資+ロング(長期保有)」を可能にする戦略
仮想通貨で「分散投資+ロング(長期保有)」を行うための具体的な手順と手数料
まとめ
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・ビットコインだけじゃない!? 「2018年版・仮想通貨の投資方法」を公開してみます(1/18)
2017年までの仮想通貨市場
2018年年初時点での仮想通貨市場
投資対象としての仮想通貨
(よほどの投資のプロでない限り)避けるべき投資のアプローチ
投資の素人が取るべきアプローチ = 分散投資+ロング(長期保有)
・仮想通貨で「分散投資+ロング(長期保有)」を可能にする戦略
・仮想通貨で「分散投資+ロング(長期保有)」を行うための具体的な手順と手数料
・まとめ
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『決算が読めるようになるノート』 2018年1月18日号『ビットコインだけじゃない!? 「2018年版・仮想通貨の投資方法」を公開してみます』より抜粋
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