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日経平均株価 週足(SBI証券提供)

日経下値メドは17000円。円高に注意しつつ週足での下げ止まりに期待

大発会から5日連続下落は日経平均算出を始めて初の出来事で、週足で見ても日経平均は窓を空けて先週下落が始まり、今週の週足で下げ止まるか注目されます。(『山の中の超相場観』)

今週の相場展望~明らかにドル安のトレンド、日経平均にも影響大

中国リスクよりも米利上げの影響を織り込む動き

株価下落の要因としては昨年から指摘しておりましたNYダウの戻り高値が徐々に下がってきている点。昨年最後の週足が想定どおりの反落で、昨年最後の週刊メールマガジンでNY市場の下押し要因を懸念していましたが今年大幅反落しました。

マスコミでは中国市場が今年から発動しているサーキットブレーカーが市場心理を不安にしているなど中国原因説を噂しますが、先週の中国市場は当局の買い支えも見られました。にもかかわらず株式市場の下落は止まらなかったわけで中国以外に原因を求めるべきと考えます。

結論から先に言うと、昨年6月から時期が噂されていた米国の利上げが12月にようやく決定した影響によるものと考えます。米国は昨年8~9月の世界同時暴落後、株式市場は持ち直したものの、チャートで一目瞭然ですが、戻り高値が徐々に下がってきておりました。利上げによる金融引き締めに対しての警戒感が現れています。

日経平均株価 日足(SBI証券提供)


NYダウ 日足(SBI証券提供)


米ドル/円 日足(SBI証券提供)

しかしながら12月の米国利上げ後、ドル円はどうなったかというと、さらにドル高円安に向かうどころか実際はその逆になったのです。現在117円50銭前後で今週117円で下げ止まらなければ昨年8月安値の116円40銭台をうかがう動きになるかもしれません。さらには昨年1月安値115円80銭台も視野に入ります。そこまで下がるかわかりませんが、明らかにドル安のトレンドに入っているのです。

米国が利上げを決めた途端のドル安の動き。現在英国ポンド、スイスフランなど他の主要通貨は対ドルで下落トレンドのままですので日本円に対してだけ利上げ後ドルは下落しているのですが、この動きが今年の世界経済を暗示しているように見えます。

中国が昨年8月7日以降、対ドルでのそれまでの元高政策から明確に元安政策へと舵を切りました。元高では中国経済は持たないと考え固定相場制だった頃の水準を目指しているかのようです。円に対しても同様で昨年秋から明確に元安円高が始まっています。

肝心のドル円ですが、利上げ思惑で上げてきたプレミアムが利上げ決定後に剥落する動きなのかもしれないと仮説をもって臨んでいます。ユーロに対してのドルの上昇余地も限定的と見られ米国のゼロ金利解除を皮切りに世界的に続いた金融緩和の流れが変わるのでしょう。

日銀の追加緩和も現在の世界の金融政策の流れでは、期待できません。円は対ドル、対人民元で上昇していく可能性ありと見ています。

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円高進行なら指数は軟調に。狙い目は新興市場や東証1部小型株

ドル円と日経平均がリンクしているのは、あらためて言うまでもありません。というわけであくまでも仮説ですが、このままドル円が昨年8月安値の1ドル116円40銭台、1月安値の115円80銭台と円高が進行すれば日経平均への下押し圧力になります。

もっとも年明け5日続落でテクニカル的に売られすぎ状態になってきています。25日騰落レシオは1月8日に62.9P。2013年6月以降、最も低い数値まで下げています。いっぽう日経225PERを見ると1月8日で14.55P。こちらはまだ下落余地がありそうです。昨年9月29日に13.37Pまで下げています。

そういう見方をしていくと今週中にはいったんリバウンドが入るのではと見ます。8日のシカゴ先物日経平均が大証比で410円安の17280円と大幅下落しているので月曜は大幅続落で寄り付きます。そこから底値探りです。

下値メドとしては昨年9月安値16901円に近い17000円前後を想定しています。そのへんまで下げると買い戻しを入れるイメージです。空売りポジション(特に日経平均に連動する日経レバETF)を持つ方は反騰に注意です。

リバウンドを狙う買い方はエントリー準備です。売り方も買い方もピンポイントで当てようとしないことが大事です。当らずとも遠からずの感覚で臨んでください。

今年前半は下押し圧力の高い地合いになるのかもしれないと思っています。理由は先述した円高の可能性です。

徐々に116円台、115円台と円高ドル安が進行すれば輸出企業にとりマイナスですし内需企業は昨年話題になった外国人観光客による爆買いブームが去ることを想定しておかなくてはなりません。

そういう意味では東証1部輸出企業を中心に弱いチャートの銘柄を売り、新興市場や東証1部小型株から強いチャートの内需セクター銘柄を買う二刀流の作戦を今年は推奨します。

どんな相場であれ、もうける機会はいくらでもあります。自分中心でなく地合い中心の投資をしていけば、きっと年末には利益が積みあがっているはずです。

Next: 今週のポジション戦略と注目の個別銘柄は?



今週のポジション

売り買い=35対65
今週中にリバウンドが始まる可能性から厳選銘柄の買い本命。空売りはリバウンドが始まる前にいったん手仕舞い、戻りが重くなったところで再び売り直す感覚で。

狙い目銘柄

先週の狙い目銘柄の結果

アニコムHD(買い目線)は月曜(28日)始値3270円、水曜(30日)終値3255円。週間高値3380円。引き分け。木村化工機(売り目線)は月曜始値422円。水曜終値437円。週間安値は月曜の422円。負け。1敗1引き分け

今週の狙い目

キューソー流通システム<9369>(買い目線)
持合い圏をブレイク上伸していくイメージ。現在、地合いは軟調な中、同社の底堅い動きは特筆もの。現在歴史的原油安だが物流の同社にとって軽油安は業績への上ブレ思惑につながり業績も上方修正期待がある。原油安恩恵のテーマ株物色になったときに好チャートの同社は物色対象になりやすいと見る。ネット版四季報最新号で四半期進捗率も直近3ヵ年平均を上回っている点も見逃せない。

アルプス電気<6770>(売り目線)
長期トレンドが上昇から下降へ変わった可能性により選出。アップル社のアイフォン減産報道で先週、直近持合圏下限をレンジ割れ。下押し圧力が高まり今後買い方は利益確定売りや手仕舞い売りを出していくと見る。同社以外にもミネベアや日本ペイントなど長期上昇トレンドだった銘柄が下降トレンドに転じ始めている。原因は外国人大口投資家の手仕舞い売りが影響していると見る。米国利上げによる米国機関投資家や原油安による原油大国政府系ファンドによる手仕舞い売りは今後も戻り上値を押さえそう。今週、リバウンドが始まったとし、その戻りがきつくなったところから仕掛けたい。

【関連】年末年始のNY市場と東京市場は「記録づくし」これは何を象徴するか?=山崎和邦

山の中の超相場観』(2016年1月9日号)より一部抜粋、再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による

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