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QRコード決済などが新たに登場するなか、高成長を続ける古株PayPalの実力=シバタナオキ

今回は、FinTechの古株であるPayPalの決算を取り上げたいと思います。売上はYoY+12%で、順調に$4.31B(約4,310億円)まで成長しています。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)

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スマホ移行への波も乗り切って、さらなる成長を遂げる

Q. 前年同期比+26%で成長するPayPalの取扱高。最も成長率が高いセグメントは?

A. Uber、AirbnbなどのTop20パートナーからの決済が約$98B(約9兆8,000億円)で、YoY+36%と急成長中。

今日の記事では、FinTechの古株であるPayPalの決算を取り上げたいと思います。

始めに決算の概要ですが、右下にある通り、取扱高はYoY+26%の$172B(約17超2,000億円)まで成長しています。

売上はYoY+12%で$4.31B(約4,310億円)まで成長しています。

取扱高は、前年同期比+26%で急成長

出典:同上

取扱高の伸びをグラフで見てみるとこのようになっており、前年から継続して+25%成長を実現しているという具合に、安定的にかつ高い成長率が実現できています。

このページにも書いてある通り、BtoBの送金アプリであるVenmoの取扱高はYoY+70%で、$24B(約2兆4,000億円)を超える規模まで成長しており、PayPalの主力ビジネスになったと言っても過言ではないでしょう。

Next: スマホ以前のサービスにかかわらず、対応→移行もスムーズに



モバイルの伸びが特に顕著

出典:同前

取扱高の伸びのうち、スマホ経由での取扱高が全体の43%を占めるまでに伸びており、YoY+37%と、全体に対して早いペースで成長しています。

スマホが登場する前から存在しているサービスの中には、スマホ対応に苦戦している企業もありますが、PayPalに関してはスマホ対応の波に完全に乗り切って、自社の成長エンジンの一つに取り込んでいると言って間違いないでしょう。

出典:同上

冒頭のクイズにもありましたが、パートナー別に伸びを分解してみるとこのどのようになります。

もともとPayPalの親会社であったeBay経由での取扱高は、YoY△3%と減少しています。eBay経由での取扱高は、前年同期は全体の取扱高の12%を占めていましたが、今に至っては9%まで減少しており、eBayへの依存というのが徐々に解消されつつあります。

一方で、上位20のマーケットプレイスやパートナー経由での取扱高がYoY+36%で伸びており、四半期あたり$98(約9兆8,000億円)もの取扱高になっています。この数字は全体の取扱高の半分以上にもなっているとも言えます。

この上位20社のパートナーには、みなさんがよくご存知のUberやLyft、Airbnb、Pinterest、Skyscannerなど、多くのトランザクションが発生するマーケットプレイスやサイトが含まれています。

別の言い方をすると、このようなパートナー戦略が見事に成功しているというのも、もう一つの要因であると言えるでしょう。

Next: PayPalの取扱高の伸びをさらに分解するとわかることとは…



取扱高の伸びを因数分解

今回の記事では、PayPalの取扱高の伸びをもう少し細かく分解していきたいと思います。取扱高を因数分解すると、以下のようになります。

取扱高 = ユーザー数 * ユーザーあたりの決済回数 * 決済単価

PayPalの取扱高は YoY+27%で伸びているということを冒頭で書きましたが、その伸びは一体どこから来ているのでしょうか。

この記事は、Fintechビジネスに携わっている方、決済型のビジネスの基本を学びたい方、QR コードなど新しいキャッシュレス決済に興味がある方に最適な内容になっています。

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ユーザー数の伸びはYoY +17%

ユーザーあたりの決済回数はYoY +9%で成長

決済単価は$62(約6,200円、YoY +0.42%)

まとめ

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※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2019年11月7日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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image by : Nopparat Khokthong / Shutterstock.com

『決算が読めるようになるノート』 2019年11月7日号『Q. 前年同期比+26%で成長するPayPalの取扱高。最も成長率が高いセグメントは?』より抜粋
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