コロナ禍で注目を集める金投資。ここからさらに上昇するのでしょうか?バンクオブアメリカをはじめ、レイ・ダリオやガンドラックほか著名投資家にも強気な予想が目立ちます。(『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』)
※本記事は、『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』2020年9月28日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
金価格は1年半後に1.5倍へ?バンクオブアメリカの予測
コロナ禍で高騰を見せている金(ゴールド)は、今後どのような値動きを見せるのでしょうか?バンクオブアメリカやシティグループの予測について海外メディアが報じていますので、翻訳しながら紹介します。
バンクオブアメリカは、2022年上半期には3,000ドルに到達すると予測している。
ほかの貴金属や産業用卑金属もともに上昇すると見ている。すでに銅は2020年現在6%、銀は37%上昇している。金(ゴールド)は、好況に弱く不況には強い金属である。反対に銅は、好況に強く不況には弱い金属だ。
ペーパーマネーばら撒き政策に比例して金価格が上昇しており、今後1年半くらいで3,000ドルに達するだろう。
シティグループはもっと慎重な予測を立てている。短期的には1,300ドルに戻り、その後、2021年半ばには2,300ドルになるだろうと見ている。
ロシア、中国、多くの新興国の中央銀行は、金準備の買い増しに慎重になっている様子だとも指摘している。
物価上昇率を勘案して計算すると、現在の金価格は1979年のピークよりも安い。1979年のピーク価格を現在価格に置きかえると、2,500ドルに匹敵するからだ。
出典:Bank of America targets $3,000/oz as gold shatters price record – Citywire(2020年8月5日配信)
各国の政府債務は今後5年感で爆発的に増加。金価格を押し上げる
次はアナリスト、ヘッジファンド運用責任者等の予測を紹介します。
6月上旬、投資コンサルタントのDan Popescu氏が出した予測では、まず世界金融システムのリセットが必要になるのではないかと語っている。
感染流行と多くのマクロ経済的要因で、各国の経済支援支出による政府債務は、爆発的に増加して、今後5年間で5,000ドル以上になる可能性があると語っている。
そうなると、米ドル、ユーロ、英国ポンドの価値が下がり、相対的に金(ゴールド)は上がる。
バンクオブアメリカが行った最近の調査では、投資家の98%が「現在の株価は各国政府の景気刺激策の結果であり、本当の株価レベルではなく過剰な価格になっている」と信じている。そして、投資家の93%は、不況が長引くのではないかと心配している。
調査を行ったバンクオブアメリカの結論は、投資家の楽観的な見方は、その根拠が脆弱なものであり、このまま楽観視が続くとは思えないとのことだ。
出典:Gold price outlook: to trade lower amid grim future – IG(2020年6月17日配信)
もうひとり、ファンド運用責任者の予測を紹介します。
Next: 現在は10年続く上昇トレンドの入り口?グラフで読み解く
現在は10年続く上昇トレンドの入り口か
もうひとり、ファンド運用責任者の予測を同じく海外報道から翻訳して紹介します。投資グループ「Electrum」の総帥で投資運用者のThomas Kaplan氏の金価格予想です。
Electrumグループの総帥・投資運用者のThomas Kaplan氏の金価格予想は、次の通りだ。
「現在は今後10年間継続する上昇相場の入り口にある。経済の各種要因を考えると、10年以内に3000ドルから5000ドルを目指すだろう。
予想シナリオの最初は、蛇のように、次のジャンプをするために「とぐろ」を巻いている状態だ。次のシナリオは、もう1回、大きな下落を演出し、握力の弱い持ち手から振り落とす動きをするだろう。その後、最終的に3,000から5,000ドルを目指すだろう。
もちろん、そのような状況が来るまでは10年単位になると予想している。
また、2,000ドル、3,000ドルに至るまでには、数百ドルくらいの下落が頻繁に起きるだろう(現在でも50ドルくらいの下落は頻繁ではないが、たまに起きている)。」
また、上昇相場を予想しているのはKaplan氏だけではない。ヘッジファンド運用会社ブリッジウォーター・アソシエーツのレイ・ダリオ氏もゴールド(ただし、ペーパーゴールド)の保有比率を増やしていることが、米国証券取引委員会への提出文書で判った。
同じくダブルライン・キャピタルを率いるジェフリー・ガンドラック氏は「価格が300ドルの頃から保有している」と語っている。
グリーンライトキャピタルのデビッド・アインホーン氏は、「ゴールドは保有しているし、1度も売ったことがない。それを使わねばならないことなど起きて欲しくない」と語った。
グラフで読み解く金価格の今後
次のグラフをご覧ください。赤丸部分が現在の価格(1,950ドル近辺)です。
金価格の長期チャート(ただし、2020年9月現在を基本に据えて、物価上昇分を当てはめて過去の価格を逆計算したもの)現在はまだ過去の最高値を更新してはいません。
(まったく物価上昇分を勘案していない単純な)金価格の推移チャート
これらの予測が果たして当たるかどうか?それは判りません。これまでの値動きや各著名人の予測を見ると、5年単位・10年単位では上昇すると言えるのではないでしょうか。
この長い上昇期間には、これまでになかったような株価の大きな下落が待ち受けているということです。株価が大きく下がれば、必ず、その後で遅れて、貴金属価格の大幅な下落が伴うでしょう。損失を穴埋めするために、ヘッジ用の金(ゴールド)を売却しなければならないからです。
<初月無料購読ですぐ読める! 9月配信済みバックナンバー>
※2020年9月中に初月無料の定期購読手続きを完了すると、以下の号がすぐに届きます。
・売却出来るものは何でも売ります(9/28)
・まぁひまつぶしにお聞きください(9/26)
・供給不足で御免なさい:2020年8月実績(9/25)
・連銀の足跡が見えませんか(9/24)
・南ア地下坑道鉱山の産金コスト(9/23)
・金の生産販売実績 2020年8月(9/22)
・NYから引越したい(9/21)
・26週目:失業給付金、もらえていない人の方が多い?(9/20)
・当たるも八卦当たらぬも八卦(9/18)
・家賃未払いでも住み続けられる(9/17)
・米国雇用状況の実態:2020年8月解雇通知(9/16)
・米国ホテル業界:借金返済に苦しむ姿(9/15)
・ボーイング社:737MAXだけじゃない(9/14)
・失業給付金、もらえていない人の方が多い?(9/13)
・本音は景気は悪く、苦境の中に居る(9/12)
・米国経済の中心であるニューヨークで起きていること(9/11)
・またもやダウ平均構成銘柄の入れ替え(9/10)
・中身が見えないブラックボックスには透明性が無いのは当然(9/9)
・オハイオ州警察消防職員年金基金:増やして当然(9/8)
・IT産業の中心地:サンフランシスコでは(9/7)
・知らなかった。この国も実質輸出禁止(9/4)
・コロンビア中央銀行、外貨準備の金地金の3分の2を6月に売却していた(9/3)
・連邦準備制度:トランプの策略?(9/2)
・コンピューター・サーバーの中の幻想紙幣(9/1)
→いますぐ初月無料購読!
※本記事は、『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』2020年9月28日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による