なんか、犯罪がバレていく典型のように感じる。
甲12号証は、被告人の父親、すなわち元チェッカーズのリーダー、武内亨氏の調書。
甲12号「2009年、離婚…息子2人の親権を…」
息子2人とで暮らし、弁当づくりや掃除、洗濯等の家事をやってたんだそうだ。「4、5年前」に再婚、新しい妻との間に生まれた子と5人で暮らしていたが…。
甲12号「2年くらい前、被告人と大げんか…(当時働いていた)六本木の居酒屋を辞め、家でだらだら…ハーブを見つけて怒った…」
それで被告人は、母親(実母)のマンションへ転がり込んだんだそうだ。
甲12号「(息子の性格は)明るい…ワルぶってはいるが、けしてワルにはなれない…音楽で飯を食べていきたい…頑張れ、応援すると…」
そして13時44分、情状証人は父親、武内亨氏!
今回のことは今年9月、自身のブログで明かしてる。マスコミが全く知らないときに自ら明かしたそうで、その腹の据わり具合は大したもんだと思う。
3つボタン3つ掛けの黒スーツ、たっぷりの髪をきちんとポニーテールにして、とにかく姿勢が良い、堂々としてる。
「何事も包み隠さず…」という宣誓の声は、洋画の声優さんのような良い声だ。…ただ、手に持った宣誓の紙が細かく揺れていた。
そんで、俺はね、この父親の証言ぶりに感動しちゃった。
良い声で、ゆっくり語尾まできちんと、文法正しく、包み隠さずという感じで真摯に簡潔に述べるのだ、姿勢良く。
なんかねぇ、真田広之さん演じる昔の武士のイメージがダブった。
一部拾えば…と言いたいところだが、その機微を再現してるとすごく行数を食いそう。あっさりヤメとく。
続いて被告人質問。スキンヘッドで顎に少しヒゲを伸ばし、悪そうにも見えるのだが、父親の血を引いたのか、似てるところがあるのだった。
留置場でいろいろ考えたんだろう、保釈されるとすぐ、「オヤジ、データ消して」と言い、携帯電話やパソコンの住所録等を全部消去させたんだという。
携帯電話は新しく契約し、今までの交友関係はすっぱり切って、音楽とも離れて、当分は六本木の居酒屋(父親の知り合い)で料理の修業をしたいんだという。
現在被告人と暮らしてる実母は、自宅を引っ越したんだという。
俺は事件数で6250件ほど傍聴してきたが、ここまできっぱりした被告人は、つか親子は、なかなかいねーよっ、と思えた。
求刑は懲役6カ月
裁判官「じゃよろしければ今日もう宣告をしますけど、よろしいですか? じゃ準備をしますので少しお待ち下さい」