わたしは、DELLのPCをメインで使っていますが、購入後、すぐにトラブルがありました。コールセンターに電話をかけたところ、担当者はネイティブの日本人ではありませんでした。コンタクトセンターは、2014年の記事によると、川崎、宮崎のほか、中国の大連にあるようですね。
● PC ウォッチ「デルは、なぜ中国・大連からサポートを行なうのか?」
誤解のないように申し上げておきますが、DELLテクニカルサポートの技術力、商品知識には問題はなく、応対も、精一杯丁寧にしてくれていました。しかし、
「いや、ソコじゃない、もっと下でス」
「ソコにないですか? おかしいでスね?」
「待ちまスので、どうぞやってミテください」
と、このような敬語だったため、「自分のいいたいことが、ちゃんと伝わっていないかもしれない」と、ずっと考えながら話していたのを覚えています。結局、そのトラブルは、わたしの勘違いだったのですが、きちんとした敬語の重要性を、思い知らされた出来事でした。
反対に、多少、技術力や業務知識に難があっても、きちんとしたことばで、お客さま対応ができれば、相手から信頼を得られることも、よくあります。この本のP22にはこう書かれています。
敬語のわきまえがなく、適切な使い方ができないと、あなた自身の知識や教養まで疑われてしまうのです。敬語を上手に使えるかどうかは、その人の品位や教養の程度をはかるバロメーターになっている、といってよいかもしれません。
これは、
・敬語が適切に使えることで、
・一定の品位や教養の程度があることが相手に伝わり、
・持っている知識や技術も信じてもらいやすくなる
ということでもあります。そして、相手から信頼を得られれば、大抵のクレームは乗り越えられるはずです。
パート1では、このように、敬語の必要性と、基本的な使い方がわかりやすく書かれています。パート2では、1ページに1つ、実例を挙げ、良い表現、悪い表現を、一目で確認できるような構成になっています。
わたしも、やってしまいがちなNG表現がわかって、とても参考になりました。例えば、P87の「名指し人休暇」では、
「申し訳ありませんが、山本は本日、休暇をとっておりますが…」
使ってもよい言い換え例として、
「申し訳ございません。本日は休んでおります」
「10日~15日まで休みでございます」
そして、悪い例として
「本日はお休みをいただいております」
あれ? これって、みなさんも、うっかり言ってませんか?
だめな理由も
「お」はつけません。「休ませて」が正解です。
このようにきちんと書かれており、しかも、とてもわかりやすいですね。
巻末の付録にある、
・親族の呼び方
・紹介の順序と言葉
・忌み言葉、あいさつ言葉
・よく使う敬語
・知っていると便利な言葉
などは、一生使える便利な一覧なので、仕事中はすぐに手の届くところにおいておくと、安心かもしれません。新卒はもちろん、敬語に自信がある人でもきっと気づきがあるはずなので、日本語で話すすべての人におススメできる1冊です。
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