4. 結婚式での着こなしの注意点
結婚式、披露宴などの着こなしで注意しなければならない点は、まずは日本のタブーです。本人がいくら「お洒落」と意気込んでみても、周囲を不快にするような奇抜なファッションは後々まで笑いものにされるケースもありますので、留意しましょう。
4-1 立場によってスーツの種類を選ぶ
招待された結婚式や披露宴では、自身のステータスをしっかり認識しておきたいものです。披露宴における「席次」は、大いに参考になります。ひな壇に位置する新郎新婦に近い順にステータスは上位になり、主賓、上司など仕事関係者、友人代表を含む友人、親族、家族と決められています。
上記にある正装を席次に当てはめてみましょう。新郎新婦の父親などが正礼装にあたるモーニングが多いでしょう。また、主賓はディレクターズスーツ。夜の会なら、主賓や上司がタキシードである場合もあります。
このように出で立ちは式でのステータスを表していますから、会場に姿を見せただけで周囲は「あの方は今日、スピーチを依頼されているのだろう」と考えます。よって大の親友の結婚式だからと言って、主賓なみのドレスアップは笑い者となりかねませんので、ご留意のほどを。
招待者より特に事前の知らせなどもなければ、略礼装のブラックススーツが無難と言えます。このためにも、ブラックスーツを礼服として一着は必要となってきます。もっとも「友人代表」としてスピーチされる場合は、ジャケットにコサージュをつけられるようなケースもあるので、あらかじめ見劣りしないかっちりしたスーツで挑みたいものです。
「ハレの日」の代表格である結婚式、楽しい酒席でもあるのですが、羽目を外さず、装い同様、シックさを見せつけたいところです。
4-2 シャツ
艶やかな結婚式とは言え、フォーマルな場、シャツは無地ホワイトの一択です。
ホワイトだろうとストライプなどは場違いです。また、どうしてもワードローブにありがちなので、身につけてしまいそうなのだが、ボタンダウン・シャツ。たとえホワイトシャツだとしても、ボタンダウンはカジュアルウェアの位置づけとなりふさわしくありません。
日本では「ジューン・ブライド」などと6月の梅雨の時期の結婚式も多く、盛夏には辛い点でもあるのですが、半袖もNGとなります。「ジャケットを着ているので」と油断しがちですが、ジャケットの袖から覗くシャツの袖も、意外に着目されているものです。
4-3 ネクタイ
フォーマルについては「ブラック」と申し上げておりますが、こと結婚式ばかりは、ご存知の通りブラックタイはNG。日本では不幸の際に着用する習わしが根付いており、祝の席ではNGです。ただし、タキシードについてはこの限りではありません。
また、結婚式、披露宴はあくまで新郎新婦が主役。艶やかな色使い、大柄なペイントなど奇抜なネクタイは「目立たない」という意味でも着用を避けましょう。
基本はシルバーグレーやホワイトシルバーのような式にふさわしいタイを用意しましょう。おめでたい席の象徴的な色柄なので、慣れて来ると、このタイを準備しただけで、出席者として気分が高揚するものです。
4-4 靴
靴はネクタイと異なり、ブラックの一択です。フォルムとしても、プレーントウ、ストレートチップとスタンダードこそが最強と理解してください。また、紐付きのほうがよりフォーマルと捉えられています。ディレクターズ・ジャケットなどとは異なり、あまりにもスタンダードがゆえに、結婚式など以外でも必ず必要になりますから、ブラックスーツと同様、社会人の必須アイテムです。
さらにスーツとは異なり、年齢を重ねてもサイズが変わって行くことはありません。初ボーナスでちょっとした上質な靴を用意しておくなども、ひとつのアイデアです。

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4-5 その他の小物
タイピンやカフスは必ずしも身に着けなくてはならないわけではありません。こうした公式の場に出席するたびに、お気に入りのアクセサリーを追加して行けば、装いもグレードアップ。侮ってはいけないのが、ポケットチーフ。麻またはシルクの白無地で、スリーピークスで挿すのが常識です。ベルトもシンプルなブラックで決めましょう。
落とし穴はソックス。足を組んだ際も素肌が見えない程度のブラックのソックスを。ローカットはフォーマルではありません。
事前の準備で突然の不幸に備える