6. フォーマルスーツ選びでこだわりたいポイント
ふだんの出で立ちがカジュアルでも、ふだんのスーツがお洒落でも、評価が一変するのが、フォーマルスーツでの装い。日頃、よれよれのTシャツで仕事に奔走していても、公式の場でバシッとフォーマルを着こなすと、一気に評価が上がります。それが社会人として「フォーマル」の意味でもあります。
日頃からお洒落気取りでありながら、フォーマルスーツが着こなせない方は、評価ガタ落ち…となりますので十二分に気を払いたいポイントです。
ここではフォーマル選びに欠かせない、色、サイズ、生地について述べます。
6-1 黒の濃さにこだわる
冒頭にも記した通り、ビジネススーツとフォーマルスーツの色は同じブラックでも比較するとだいぶ色合いが異なります。フォーマルスーツの中でも、もっとも凝りたい点はまさにその色合い。「漆黒」に近いほど、フォーマルの価値があがるとさえ考えられます。
キリスト教では「聖書以前の漆黒」という意味合いで、時として「バイブル・ブラック」と表現されるのですが、まさに余分な色彩に邪魔されないブラックこそがフォーマルの美意識を体現し、その品格を問うています。
後述する生地とも関連して来ますが、選ぶ生地によってブラックの質感も異なります。フォーマルを調達に訪れると、仕立て屋さんがさまざまな生地を見せてくれますので、ぜひ自身の趣味に合った色合いを吟味してください。フォーマルスーツが自身のワードローブにあると、そこだけ引き締まったブラックの品格が異彩を放つことになるでしょう。
6-2 生地にこだわる
よほどの着道楽でない限り、フォーマルスートを何着も仕立てる…ということはあまりありません。特にまだ社会人になりたてともなると、それほど懐の余裕もないでしょう。だからこそ、作り込むスーツの生地には凝ってみたいものです。
普段のビジネススーツとの違いは、ワンシーズン着たらくたびれてしまうような生地では困るという点。一年のうちのそう何度も何度も登場シーンがあるとは思えませんが、まずは通年着用しても違和感のない生地であり、また数年の使用にしっかり耐久できる程度の丈夫な生地である点も重要です。
もっともスタンダードな生地はウール。夜の会などを想定すると、こちらにシルクが混じった生地は光沢と高級感を演出してくれます。また、耐久性と価格を睨むと、混ポリエステルも選択肢となります。
色の項目でも述べましたが、生地によってブラックの色合いももちろん異なります。自身の好みの漆黒を選ぶと、そのまま生地も決まってしまう…というケースもありますので、色合いと生地を吟味し、自身の好みにピッタリの一着を仕立てたいものです。
6-3 サイズにこだわる
日常使いするビジネススーツとは異なり、フォーマルスーツはサイズ感も非常に気を使う点です。近年のスーツは、比較的スリムなシルエットを好む傾向にありますが、やはり数年は着こなす必要を考慮し、余裕があるサイズ感で仕立てたいものです。
このサイズ感は、もちろんスーツのシルエットにもかかわるので非常に重要なポイントです。どうしてもフォーマルな会場では、男性ほぼ全員がブラックを着用しているため、スーツのシルエットで差別化されることになり、またカラーの仕立てなどもポイントになります。
また、体型も年齢によって変化して来るため、若いうちはスリムシルエットで自分らしさを演出、ある程度の年齢になったらスタンダードを選ぶという戦略もありそうです。スタンダードをメインにウエストにアジャスターを装備したフォーマルも多いので、自身の体型維持に自信のない方(失礼!?)は、あらかじめこちらを選択するという手段もあります。
7. まとめ
フォーマルスーツは、男性としての価値を判断されかねない最重要アイテムとして過言ではありません。ハレの日しかり、不幸の際もしかり、人生の転機となる舞台において、フォーマルをしっかり着こなせるかどうか、男を上げもし、下げもします。
有名店を選ぶという手段もありますが、無名店でもテイラーとしてしっかり向き合ってくれる店を見抜けるかどうかも、フォーマルスーツを仕立てる際のひとつの試金石です。
時間が許す折、じっくりといくつか店をまわり、自身に寄り添うアドバイスを与えくれるテイラーを見つけ出したいものです。お気に入りのフォーマルを仕立てると、ついつい公式の場にでかけたくなるものです。
ただし、スーツだけで行動が伴わないようでは困りもの。「馬子にも衣装」などと揶揄されぬよう、男性としてのクオリティ向上にもぬかりがないよう務めましょう。
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