LINEとソフトバンク傘下のヤフーが経営統合を発表した。成功・失敗のどちらにも転び得るが、このソフトバンク・LINE連合は日本で「だけ」は勝てる可能性は高い。(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』)
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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。
赤字企業「LINE」の買収は悪手?日本人向け商売なら成功する…
ソフトバンクがメッセンジャー企業「LINE」を飲み込む
ソフトバンクとメッセンジャー企業のLINEが経営統合することが報じられたが、これによって両者は大きなシナジーを手に入れることになるという目先の目論見で株価は大きく上がった(編注:ソフトバンクグループ傘下でヤフーを運営する「Zホールディングス」と「LINE」は11月18日、経営統合で基本合意したと発表。2020年10月までの統合を目指すとしています)。
ソフトバンクはウィーワークやウーバーの投資の失敗で悪いニュースが多かったが、このニュースでソフトバンクの資産価値は上がったと考える投資家が株価を買い直していたのである。
もっとも、投資家はLINEが1月から6月期に266億円の最終赤字を出したことを忘れているようだ。ソフトバンク自体もビジョンファンドで足元がふらついているのだが、そのソフトバンクが買ったのは赤字の会社である。
さらにソフトバンクがLINEを飲み込むことによってサービスの寡占が生まれるので、政府が何らかの規制をソフトバンクにかける可能性もある。
ソフトバンクを買い上げた投資家はバラ色の未来を見ているのかもしれないが、ゆくゆくはイバラの道になったとしても不思議ではない。
どちらにも転ぶのがソフトバンクとLINEの統合であり、報道が一方的にソフトバンクを持ち上げているのを見ると違和感が非常に強い。
何人かの投資家はそれに気づいたのか、いったん上がったソフトバンクの株はその後下落している。
ソフトバンクグループ<9984> 15分足(SBI証券提供)
日本企業だという「誤解」
違和感と言えば、そもそも私たち日本人は、なぜLINEみたいな企業のメッセージアプリを使わなければならないのか、という点から違和感がある。
LINEは日本企業のような顔をしているのだが、その実態は韓国企業である。
LINEの親会社は韓国企業のNAVER(ネイバー)であり、ネイバーの創業者はイ・ヘジンである。LINEでよく使われているイラストも韓国人のイラストレーターが作ったものであり、LINEはれっきとした韓国企業だ。
日本企業だと彼らが言うのは、そのようにしておいた方が儲かるからである。ある意味、企業の「日本なりすまし」である。
Next: 日本人はお人好し?奇妙なまでにセキュリティー意識が希薄
日本人は奇妙なまでにセキュリティー意識が希薄
LINEはサーバーが韓国にあり、そのサーバーを韓国の諜報組織である「KCIA」がアクセスしていたという噂が一時飛んだことがある。
当たり前だが、諜報に絡む噂は常に否定される。「実はLINEのサーバーをのぞき見ています」と諜報が言うわけがない。
そのためKCIAがLINEのサーバーをアクセスして日本人の個人情報をのぞき見しているという事実の信憑性は取れない。
しかし、そういう噂が飛ぶことや、客観的に見て諜報組織というのは韓国だけでなく、すべての国でそういうことを平気でやる性質であることを考えると、KCIAがそれをやっていないと考える方が不自然ではある。
LINEは日本企業であるということにして日本人に無防備に使わせておけば、日本人の情報が丸ごと抜けるのである。要人から芸能人から一般市民まで、韓国は必要な時にその人間のLINEの情報にアクセスして個人情報を抜ける。
そう考えると、LINEみたいなものを使ってプライベートをさらけ出している日本人は奇妙なまでにセキュリティー意識が希薄であると思わないだろうか。こんなものを使っている日本人の気が知れない。
LINEは使うべきではない。特に、韓国に対して政治的にも不信感を持っていて、それを日頃から発言している人間は注意するに越したことはない。
日本人は、LINEが信用できない国のアプリであるということを疑いもせずに使っているくらい「お人好し」な民族である。
日本人は何でも性善説で考えるのだが、その性善説は中国・韓国・北朝鮮には通用しないというのは、昨今の歴史問題や政治問題で骨身に染みたはずだ。
にも関わらず、LINEを日常的に使用するというのだから、その無邪気さには呆れ果てる。
会計操作で「税金を払わない」不良企業
そんな信用できないLINEを飲み込んだのが、ソフトバンクだ。
このソフトバンクも、実業で儲けたカネを連結子会社の赤字と相殺するような会計操作で「税金を払わない」不良企業であることが明るみに出ている。
日本で儲けている企業が日本に税金を払わない。
儲かったカネはどうしているのかというと、ビジョンファンドみたいな投資ファンドを組成して海外で使う。日本で稼いだカネを日本に回さない。国外に持っていく。
ソフトバンクの創業者である孫正義氏は、ビジョンファンドで国外のスタートアップ企業を買って買って買いまくって、どんどん上場させては利益を貪るつもりだった。
Next: 投資失敗で窮地のソフトバンク、LINEの実質買収は危険な動き?
投資失敗で窮地のソフトバンク
ところが、ありあまるカネを集めて買収する企業の内情をよく調査することもなく高値で買いまくり、今になって買った企業が評価割れして窮地に陥っている。
その企業の筆頭がウィーワークである。問題のある創始者が根拠もない未来を語り、企業の時価総額を膨らませるだけ膨らませて上場して「売り逃げ」しようとしているところにソフトバンクが乗っかった。
上場すれば企業価値は巨万の富を生み出すはずだったが、ウィーワークは利益を出していない上に事業モデルは最先端でも何でもないことが上場前にバレてIPOは延期になり、企業価値は一気に吹き飛んだ。
ソフトバンクは約2兆円近くをこのウィーワークに費やした。さらにソフトバンクはこうした「箸にも棒にもかからない企業」をビジョンファンドで大量に買い集めている。
次のリーマンショック級の暴落が起きたら、ソフトバンクは倒産することになっても不思議ではない。
赤字企業「LINE」の買収は悪手?
この苦境に落ちているソフトバンクが、韓国の信用できない赤字企業LINEを買収したところで、急にソフトバンクの経営が蘇るわけではない。
「ソフトバンクとLINEの統合によってGAFA(グーグル・アップル・フェイスブック・アマゾン)に対抗できる企業が日本に誕生した」みたいな論調でこの経営統合を持ち上げているマスコミもある。
しかし、投資の失敗で窮地に落ちた企業が赤字企業を買って、それで何か物事が大きく良くなると思うのであれば、どうかしている。
まして、世界に君臨するGAFAに勝てるとか対抗できるようになったとか思う方がおかしい。
Next: ソフトバンク・LINE連合は日本で「だけ」は勝てる?
「まぁ大丈夫だろう」と性善説で何となく思う
とは言えども、ソフトバンクとLINEの経営統合は悪手でもない。
これらの企業は統合することによって、より効率的に「お人好し」日本人から収奪できる体制になるからだ。
ソフトバンクとLINEは他国で成功できるのかどうかは分からない。他国はGAFAがしっかりと地歩を固めている。
しかし、ソフトバンク・LINE連合は日本で「だけ」は勝てる可能性は高い。
これらの企業は「日本企業である」という一点で日本人に使われている。日本人がこれからも「お人好し」である限り、カネを収奪することができる。
いい加減、日本人は「ソフトバンクは税金も払わない企業で、LINEは日本を敵視している韓国の企業である」という事実を認識した方がいいのではないか。
こういった根源的な部分を「安いから」「無料だから」という理由で釣られて、「まぁ大丈夫だろう」と性善説で何となく思うのが日本人の悪い癖だ。
本当に大丈夫なのか?
そろそろ日本人は「お人好し」であることを止めて、ソフトバンクやLINEに厳しい目を向ける時期が来ているのではないか?
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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2019年11月25日)
※太字はMONEY VOICE編集部による
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