定年を迎えたときに受け取る退職金は、老後の暮らしに大きく影響します。実はこの退職金が年々減少し、大卒も高卒も14年で500万円以上少なくなっています。(『教育貧困にならないために』川畑明美)
退職金制度が変化した企業も少なくない。老後資金は足りるのか?
大卒も高卒もごっそり減額
退職時にもらえる退職金は、金額も大きく、老後の暮らしに大きく影響します。
ところが、この退職金が、年々減っています。
厚生労働省の調査によると、勤続20年以上・45歳以上で退職した人の退職金の平均は、
<2003年の平均退職金>
高卒:1,347万円~2,161万円
大卒:2,499万円
<2017年の平均退職金>
高卒:1,159万円~1,618万円
大卒:1,983万円
(※出典:厚生労働省「退職給付の支給実態(PDFファイル)」)
となっています。
大卒も高卒も、500万円以上、少なくなっています。
不安な人ほど、将来もらえるお金を調べておくべき
退職金の制度が変化している会社もあって複雑ではありますが、老後の資金不足におびえるだけでなく、調べておくことが大切ですね。
前述の金額はあくまで平均なので、これを元に試算しておくのでもOKです。
老後の資産に不安を持つ方ほど、将来にもらえるお金について、調べていないことが多いです。
Next: 老後が不安でも、焦ってリスクを取り過ぎるのは危険
焦ってリスクを取り過ぎないように
老後資金は、大きな金額ですから、早めに準備することが大切です。
思い立った日から、はじめてくださいね。遅いということは、ありません。
ただし、焦りからリスクを取り過ぎないようにして欲しいです。
例えば、つみたてNISAですが、金融庁が選んだ投資信託なので「安全」と思っている方もいます。
メディアの記事でも「つみたてNISAは、コツコツ投資なので安心安全」と紹介している記事も散見します。
私は何度か話していますが、つみたてNISAは、リスクの高い「株」の投資信託しかありません。
預貯金がある程度あるのが前提で、「年間40万円くらいだったらリスクを取りなさい」というスタンスの金融商品です。
景気が減速していく場面では、半分くらいになってしまうことも想定しておきましょう。
マイナスになってしまうと、パニックになり、損失を確定してしまうケースもあります。
『教育貧困にならないために』(2020年2月9日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
無料メルマガ好評配信中
教育貧困にならないために
[無料 ほぼ日刊]
人生で二番目に大きな買い物は、子どもの教育費。教育費を意識して貯蓄していますか?「実はコレだけ必要です」から、「学資保険でまかなえるのか?」「目減りしない資産管理」「我慢しない節約」「ゼロから稼ぐ方法」までを調べて実践したことを紹介しています。教育ローンに頼らず、老後資金も確保できる教育費の貯め方を伝授します。