母親Aさんからのメール 2
唐突なメールにお返事いただきありがとうございます。先程、8日ぶりに息子から連絡がきました。パラナシと言う街に移動したそうです。ラージさんの実家の最寄り駅は「PAHARPUR」という駅だそうでとても田舎でネットがつながらなかったとの事でした。
息子に、ラージさんが詐欺師であるかもしれないことを伝えました。まだ被害にあっている実感はないようでした。でも、野田に奥さんがいることや、実家に連れて行くこと、等々、被害に遭われた方々の状況に酷似していることを伝え、URLも送り、ラージさんの奥さんの名前を聞いたところ、ネットに出ている名前と同じ(ネットではレイコ、息子が聞いた名前は、佐藤れいこ)だったことから、自分で検索して詐欺師だと納得したようです。
それに、ラージさんだけでなく、サダムというインド人も一緒だと言うので、余計に心配になりました。息子は、「悲しいけど詐欺師なんだね。明日離れます」と言ってくれました。このことを知る前は、これからも行動を共にして、一緒にネパールか中国に行く予定だったようです。今は、無事に二人から離れてくれることを祈るばかりですが、離れると伝えたことで、二人の態度が豹変するのではないかと心配しています。
インドの大使館の方も、色々と対応してくださって、コルカタの領事館へ連絡してくださり、情報をくださいました。コルカタの領事館ではラージさんに関する情報があるようで、あまり素性の良くない人のようです。との連絡が入りました。無事に二人から離れることができましたら、またお知らせいたします。ご連絡本当にありがとうございます。メールを頂いて、救われました。ありがとうございます。
三井氏の返答 2
こんにちは。三井です。息子さんと連絡が取れたんですね。無事が確認できて本当に良かったです。Aさんもほっとされているところでしょう。Aさんからの情報によって、息子さんが騙されていると理解し、ラージ氏らと別れることに決めたのは賢明な判断です。
心配されているように、「離れると伝えたことで、二人の態度が豹変する」という可能性は十分にありますし、そこで「だったら今までの宿泊費やガイド代を払え」と言ってくるかもしれませんが、そこはうまく交渉して、最低限の「手切れ金」を渡すことで解決されるのがいいと思います。
バラナシは外国人旅行者がとても多い街ですし、日本人宿もあります。もし誰かに頼らざるを得ないときには、そういうところで日本人の協力を得るのもひとつの手でしょう。
ちなみにガヤはビハール州にある比較的大きな町ですが、その近郊の村が「とても田舎でネットがつながらない」ということはあり得ません。それは息子さんが外部と連絡を取れなくするために詐欺師がついた嘘です。実際には、ビハール州の農村でも(貧しくはあるけど人口密集地域でもあるので)携帯通信網は整備されているので、インドのSIMカードさえ持っていればいつでもインターネットに接続することができます。しかし息子さんはWifi環境しかなかったので、その嘘を信じてしまったのでしょう。そういう「現地を知らない旅行者には見抜けない嘘」を重ねていることからも、ラージ氏の正体が「親切を装って旅行者に近づく腹黒い詐欺師」だということがわかります。
とにかく息子さんが無事で良かった。彼が無事にラージ氏と離れることができたら、またご連絡ください。