全ての仕事に当てはまる。元自衛隊教官の流儀「正早安楽」とは

 

久保教官「正早安楽」の教えはスキーから人生まで役立つ

変わったのは滑りだけではありません。

今回のクボゲリに参加するにあたって、もう一度、久保教官の著書『リーダーのための自衛隊ゲリラ式ビジネス戦闘術』を読み返してみました。

この本が出版された12年前に、いただいたサインとメッセージが、表紙をめくったところに書かれていました。

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この「正早安楽(せいそうあんらく)」の意味が、今回、あらためて教官と一緒に滑って、やっとわかったような気がします。

この本から「正早安楽」の説明部分を引用してみましょう。

「正早安楽」は仕事をするうえで、常に問題意識をもって改善目標にするべき4つのポイントだ。

 

「正」は、正・誤の判定のことである。間違いが生ずると、トラブルや事故に見舞われる可能性がある。また、結果的に「正」であっても、偶然に恵まれている場合があるので、本当に正しかったのかどうか検証する必要がある。

 

「早」は、もっと早くできないかと、早さを追求することである。早くできない要因を改善する必要がある。

 

「安」は、費用対効果、リスク対効果を重視することで、もっと「安価」でできないかを追求することである。「お金がかかるからやらない」「危険があるからやらない」といった一面的で効果に目を向けない消極的な考え方が先行すると、改善できなくなる。

 

「楽」はもっとラクにできないかを追求することである。これは「楽」の中のラクではなく、苦しみの中にラク」を見出すことである。

これを久保教官流のスキーに当てはめるなら、

たとえ恐ろしい急斜面であっても

「正」理にかなった体の動かし方で
「早」素早いタイミングで次のターンに入り
「安」最小限の力を使いながら
「楽」急斜面でもラクに滑る

ということでしょう。

ターン前半から、誰よりも素早く谷側に重心移動して、次の外スキーに乗り込む教官の滑り

ターン前半から、誰よりも素早く谷側に重心移動して、次の外スキーに乗り込む教官の滑り

見るからに怖い急斜面では、ついつい恐怖心からスキー板や体を大きく回し過ぎるなど理不尽な動きをしてしまいます。しかもタイミングが遅れてしまいがちで、何もかも後手後手に回るのです。そのため、余計な力がいる上、あわてて余裕なく滑るので心まで疲れてしまうのです(それは私です)。

むしろ、怖くても谷側に自ら飛び込んで重心を移動し、ターン前半から中盤に少しだけ力を入れれば、スキーの板は勝手に回り、安楽に次のターンに入れるというから不思議です。もちろんスピードは出ますが、逆に安定して怖くなくなり、むしろ心の余裕ができてラクになるというのです。

だからこそ、久保教官は、80歳になっても、急斜面をスピードを落とさずラクそうに滑って疲れないのです。

教官の流儀「正早安楽」は、スキーだけではなく、どんな仕事にもあてはまりそうです。

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たとえば、これからDX(デジタルトランスフォーメーション)革命到来という、誰もが目もくらむ急斜面の前に立たされるような状況で、待ったなしの新規事業や業務改革に挑むなら

「正」理にかなった企画・仕事のやり方で
「早」誰よりもはやく提案・着手することで
「安」コストもリスク負担も少なく
「楽」逆境でもラクに仕事ができ成果が得られる

のではないでしょうか?

きっと、これから人生100年時代を迎えても、いくつになっても「正早安楽」の精神で、予期せぬ新たな状況に「正」しく「早」く「安」く「楽」しく対応できる人は、久保教官のように生涯現役で楽しめる ことでしょう。

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