今週の日経平均は買い戻しが進むとの見方をしています。先週はじり高で木曜まで底堅い動きが続いていましたが、金曜はNY市場およびシカゴ先物日経平均が大幅安の悪影響を受け、大きく下押ししました。大引けにかけ戻して終値は2万円ラインを回復しましたが、週明け以降に不安を残しています。(『山の中の超相場観』)
※本記事は、『山の中の超相場観』2017年7月1日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
先行して原油に底打ちの兆し。どこまでも下げ続ける相場ではない
日経平均の下押しは限定的
木曜の欧米株式市場の大幅安は大いに気になるところです。ずっと続いたリスク選好の変化を先取りするものなのか。その可能性もないとは言い切れません。
米国に関しては、追加利上げとFRBのバランスシート縮小が進むことがすでに知られています。量的緩和政策から金融引き締め方向に今年ようやく本格着手して、まだ継続する姿勢です。最近の変化は、それに加えてEUがそろそろ利上げに入ると予想されています。その影響でドル円以上にユーロ円で円安が顕著です。日銀は金融緩和姿勢を継続させる意向なのですから、相対的に円の価値が低くなるのは当然です。
ドル円 週足(SBI証券提供)
ユーロ円 週足(SBI証券提供)
欧米のそのへんの金融政策の動きが、先週木曜の大幅下落に影響したことは間違いないでしょう。通貨高株安です。この動きが木曜のシカゴ先物日経平均をもポジション調整売りに巻き込んだと想像されます。
NYダウ 週足(SBI証券提供)
ドイツDAX 週足(SBI証券提供)
しかし冷静に今一度考えてみたほうがいいと思います。
つまり米国もEUもリスク選好相場が金融引き締め政策により、そろそろ終焉する思惑で売られたとしても、日本においては依然、金融緩和政策を維持しインフレ目標を掲げているのです。相対的に円の価値は米ドルやユーロに対し低くならざるを得ません。その流れの中で日経平均の下押しは限定的ではないでしょうか。
為替と株式市場は連鎖しやすいことが知られていますが、もし主要通貨に対して円安方向であるなら、欧米株安の影響は大して受けないのではという見方もできます。どちらかというと、その方向性ではないかと当塾では考えています。
日経平均株価 日足(SBI証券提供)
確かに東証1部の売買の6割以上を外資が行っている関係上、彼らがリスク回避のポジション調整売りを続けるなら日経平均への下押し圧力になるのは当然ですし、彼らのリスクマネーの主要構成である原油先物の価格が軟調な点もリスク許容度低下をもたらす懸念があるのは事実です。
WTI原油先物 週足(SBI証券提供)
けれども原油先物価格も底入れ兆候ですし、どこまでも下げ続ける心配はしていません。先週NY原油先物は週足陽線で反騰。1バレル45ドル割れから値頃感で買い戻されました。今週も買戻しが続くとしたら欧米の株式相場を買い支えると見ています。
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日経平均株価テクニカル分析
さて日経平均のテクニカルですが、25日騰落レシオは6月30日で109.54Pでした。先週最も低かったのが6月28日の102.45Pで金曜は2万円を割り、一時、19950円割れまで大幅下落したので、もう少し調整しているのではと見ていましたが、大した調整にはなりませんでした。大引けにかけて買い戻され、下落銘柄比率が一時10%台前半から20%台前半に持ち直したのが原因です。突っ込み買いが入りました。
日経平均騰落レシオ
長期上昇トレンドは継続中と見る
さて、欧米との金融政策の違いからくる通貨の相対価値という面から、今日は強気の相場見通しを展開したわけですが、世界的なリスク回避現象が起これば、巻き込まれるのは必至ですし、ある程度の調整は避けられません。
NYダウは買われ過ぎと言われますが、3月から4月にかけて7週連続調整しています。先週週足で下げましたが、あと5週くらい調整してもおかしくありません。日経平均も同時期、5週連続調整していますので、米国が調整するなら日経平均にも連鎖するでしょう。
ですが、7月から下降トレンドに入ると考えるデータは現状、ありません。日経平均は直近6月の月足は陽線で年初来高値を更新しています。月足チャートの動きから昨年来高値の2万952円を目指す動きと見えます。
仮に1か月半ほど調整を入れたとしても、18000円ラインを割るほどの大きな調整にならない限り、長期の上昇トレンドは継続していると見るべきでしょう。
日経平均株価 月足(SBI証券提供)
地合いの見方はそういう方向で、成長性のある優秀な企業の株を選んでおけば、万一調整をはさんでも、いずれは含み益方向で株価は成長していきますので、じっくり優良銘柄選びに力を注いでください。
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ヒット銘柄探しの作法第13回 こんな企業はリストからはずしなさい
※本記事は、『山の中の超相場観』2017年7月1日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。本記事で割愛した全文(「ヒット銘柄探しの作法第13回 こんな企業はリストからはずしなさい」)もすぐ読めます。
『山の中の超相場観』(2017年7月1日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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リーマンショックや東日本大震災の前にショート(売り方)ポジションを取り大暴落を大幅利益に変え、アベノミクス上昇相場が始まる前にバブル崩壊後の日経平均の長期下降トレンドは底打ちしたと判断し買い方に転換。山中株式投資塾がおくる1週間ごとの相場観です。