あなたはSNSをしていますか?今、FacebookやTwitterなどのSNSアカウントを通じて個人の市場価値を可視化するサービスが次々に登場し注目されています。(『億の近道』梶原真由美)
ファイナンシャルプランナー。日本ではまだ珍しい顧問契約制のFP会社である株式会社マネーライフプランニング所属。1976年千葉県生まれ。40歳で出産、12歳年下の夫と長女の3人家族。
「フォロワー数=その人の価値」個人が値付けされる時代の到来
「個人の市場価値」を可視化するサービスが人気化
皆さんは、SNSアカウントを持っていますか? LINE、Facebook、Twitter、Instagramなどが主流ですね。私も上記4つのアカウントは保有しています。そして多くの方は、SNSのアカウント1つくらいは持っているのではないかと思います。
最近、こういったSNSアカウントを通じて、「個人の市場価値」を可視化するサービスが登場しているのをご存知でしょうか?
「VALU(バリュー)」が先行サービスとして有名に
「VALU」は、2017年5月31日にリリースされました。名称の由来は「VAL(VALUE=価値)+ U(YOU=あなた)」で、個人が株式会社のように「VA」とよばれる擬似株式を発行することができ、売りに出されたVAは自由に売買することができます。取引はすべてビットコインを用いて行われます。
企業ではなく個人がVA(擬似株式)を発行して資金を集めることができるという斬新なサービスで人気を集めましたが、直近ではYoutuberのヒカルさんのVA価格操作疑惑で話題になりました。
円と交換可能なビットコインを使用するにも関わらず、
- 個人の判断で上場を廃止したらVAは紙くずになる
- 保有者がVAを大量発行することで価格を下げてしまう
- 購入を促す発言などでインサイダー取引(のような行為)も可能
などのルール未整備を指摘されていますが、運営側も利用者保護を最優先に考え、取引に関するルールづくりを進めている様子です。
専門家の時間を切り売りする「Timebank(タイムバンク)」
「Timebank」は、様々な専門家が「時間」を10秒単位でリアルタイムに売買できる時間取引所です。
2017年7月に自分の時間の発行(販売)を希望する「専門家」の事前募集が開始され、話題となっています。2017年9月19日現在では、7名の各業界著名人が22.3円/秒~72.3円/秒で予約販売されています。購入した「時間」は、VALUと同じく自由に売却することも可能だそうです。
Next: 「値決め」の根拠。なぜSNSアカウントに市場価値があるのか?
個人の「値決め」はどのようにされている?
VALUやTimebankの発行価格は、どんな基準で決められているのでしょうか?
それは、「Facebook、Twitter、Instagramのアカウントのフォロワー数など」によって決定されているようです。
また、VALUは比較的「上場」が容易な印象ですが、Timebankは時間を発行申請するには「偏差値57以上」という独自基準を設けており、なかなか厳しい印象です。
ちなみに私、梶原は友達358人(笑)のFacebookアカウントで申請してみましたが、偏差値31でお話になりません。同じく当メルマガ執筆陣で、Facebookの友達2,000人の小屋でも、偏差値54で惜しくも届かずでした。小屋はVALUでは申請が通り上場しているので、Timebankの発行基準が厳しいことがうかがます。
なぜSNSアカウントに市場価値があるのか?
なぜ、SNSアカウントには市場価値があるとされているのでしょうか? それは、フォロワーの多いSNSアカウントは、市場に対して「発信力」や「影響力」を持っているからです。かつてそれはマスメディアの特権でしたが、インターネットの普及により、個人の発信力・影響力が飛躍的に高まりました。
一方ではインターネットの普及により、世の中には情報が溢れています。溢れた情報の中から自分にとって正しく、有益な情報だけを掴むことが難しくなっています。そのために人々は、影響力のある人の発信を灯台の灯火のように頼りにしているのではないでしょうか。
モノやサービスを広めたい時に、その影響力は絶大な力を発揮します。広告業界では「Twitterのフォロワー数×〇円」という計算が行われると言われています。
アルファブロガーと呼ばれる人たちは、自身のブログに広告を貼ることで、アフィリエイト収入が月に100万円を超えるといった人も続出しています。
Next: 就職・転職活動もSNSのフォロワー数に左右される時代
「個人の影響力」の可視化が進む
このように、影響力をお金に変える手段はたくさん存在します。こういった影響力のある人をインフルエンサーと呼びますが、今までは、インフルエンサーたちの影響力を示す「指標」のようなものは存在しませんでした。
今回、VALUやTimebankといったサービスの登場により、インフルエンサーたちの影響力が可視化されたということです。
今後は、例えば就職の面接などで、SNSのフォロワー数で評価される時代が来るのかもしれません。フォロワー数の多寡で参加が制限されてしまう限定コミュニティーが流行するかもしれません。
「芸は身を助ける」ではないですが、目まぐるしく変化する時代の波に乗り遅れないよう、少しだけ意識を持ってSNSのフォロワー数を育んでおくのは賢い方法なのかもしれません。私も偏差値31をなんとかしなくてはいけません(笑)。
『億の近道』(2017年9月20日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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