日韓関係が悪化しています。気になるのは韓国ウォンが急落しており、アジア通貨危機、リーマン・ショックに続く3度目の韓国通貨危機が起きそうなことです。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)
※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2019年8月8日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。
アジア通貨危機、リーマン・ショックに続く3度目の通貨危機へ…
下がり続ける韓国ウォン
国内では徴用工の問題に端を発して、直接関係ないとは言いながら、結局それに起因した日本からのホワイト国認定中止の閣議決定で、日韓の激しい対立が顕在化しています。
とかくこの手の話は国民も口をはさみやすく、時を同じくして愛知のトリエンナーレの展示品をめぐっての問題も生じていることから、1億総嫌韓状態が示現してしまい、安倍内閣の支持率もうなぎのぼりという、なんとも違和感のある事態が継続中です。
こちらのもめごとに関する議論は専門家にお譲りするとしても、気になるのは韓国ウォンがみるみるうちに下落して年初来安値を突破し、2016年2月につけた1米ドル1,240超えももう目と鼻の先になってきていることです。
韓国ウォン/円 週足(SBI証券提供)
そうでなくても経済的状況で決して具合のよくなかった韓国が、相当苦境に追い込まれているという見方が徐々に広がりを見せているようです。
気になるのは、金融危機が再発するのではないかという問題です。
1998年にそっくりという今年の相場は「アジア金融危機」を思い出させる
今年の米国株式相場、とくにS&Pは1998年の動きに非常に似ているという話はすでにこのメルマガでもご紹介しています。
その1998年はちょうど7月ごろから「アジア通貨危機」が起こりましたが、その前年、韓国はデフォルト寸前に陥りIMFの管理下に置かれることになります。
それ以来、韓国の金融市場は非常に弱体化してまともな金融機関が激減してしまったのはご存知のとおりです。
また2008年9月のリーマン・ショック後にもウォンが大幅下落し、外貨の需給関係がひっ迫する事態に追い込まれています。
チャートを見ていますと、今回の韓国ウォンの下落も過去2回の通貨危機と同様の事態に追い込まれるのではないかと、非常に危惧する状況になっています。
Next: 大丈夫か? 盤石ではない韓国の外貨準備
盤石ではない韓国の外貨準備
足元での韓国銀行の外貨準備高は4,000億ドルを突破しており、しかも過去最高を記録していますから、IMFが勧告する適正外貨準備高の水準を一応は上回っており、すぐに心配すべき状況ではないようにも思われます。
しかし、韓国の保有する外貨の9割以上は有価証券であり、さらにそのうちの6割は米債ということになりますから、万が一韓国がデフォルト危機に陥った場合には米債が売られることになり、市場にも決して少なくない影響がでそうな状況です。
円高、日本企業の業績悪化ほか被害は広がっていく
まず確実にリスクオフで円高が進むことになりますし、年間6兆円の輸出実績があることから日本の企業にもかなりの影響が出ることは免れないはず。
巷で異常に高まる国民の嫌韓状態とは別に、韓国に万が一の金融危機の状況が示現した場合、日本に与える影響はかなり大きくなることを意識しておく必要がありそうです。
そうでなくても円高に動きやすいドル円は、こうした余分なエレメントが機能しはじめるといきなり100円方向に動き出すリスクがかなり高く、厳重な注意が必要になってきています。
米ドル/円 日足(SBI証券提供)
すっかり政府も韓国を敵視する状況に陥っていますが、冷静に経済と金融市場を考えたとき、韓国が金融危機に陥ったとして、そのまま放置していてプラスになることが起きるとは思えず、今の状態が継続することに非常に大きな危機感を覚えるところです。
Next: 日韓関係はこのままでいいのか?両国にとってかなりの損失
日韓関係はこのままでいいのか?
果たして、このままの状況で本当にいいのでしょうか。
終戦から74年にあたる今、依然としてこうした関係に陥っていることは両国にとって相当な損失
ではないかと思います。
しかし、どうやら今はそんなことを大声で叫ぶ時間帯ではなさそうな状態です。
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『今市太郎の戦略的FX投資』(2019年8月8日号)より抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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