日経平均は底入れ反騰に向かっている。トピックス1000指数で見るとより明らかだ。2月12日に15000円を割った(14952円)。そこが当面の底で現在リバウンド中と見ている。(『山の中の超相場観』)
今週の展望~3.11匹敵「異常な下落」の終わりとリバウンド入り
貸借倍率、投資主体別売買動向はいずれも底入れ示唆
だんだん売りづらくなっている。その原因に貸借倍率の低下があげられる。買い残が減少し売り残が増えている。
東証1部空売り比率は今週5営業日が41.5%→41.0%→41.9%→39.0%→39.2%。通常30%で底水準だが40%前後が連日続いている。これだけ空売りが続くと先行き需給的に買戻しが入りやすい。
東京証券取引所が毎週木曜発表する投資主体別売買動向の最新発表、2月15日~2月19日の週においても外国人投資家が大きく売り越している。外国人投資家は実弾売り以上に空売りを多用しているものと思われる。しかし売り妙味の期間は過ぎつつある。
東証1部騰落レシオを見るとそれは明らかで日経平均が14952円をつけた2月12日の週がダメ押しの下落。それ以降、2週連続の反騰を見せた。全面安からリバウンドに入っている。
東日本大震災後の直後に並ぶ「異常な売られ方」
2月12日の新安値銘柄数が1023。これは東日本大震災後の最初の営業日になった翌週月曜日、2011年3月15日の1048に並ぶ。異常な売られ方だ。2012年はこの日だけ突出して多いが、昨年夏以降は400を越える新安値銘柄数の日が数多くある。波状的に暴落が続いたことを示しており、今年に入りその傾向は顕著だ。
日経225PERも2月12日は13倍を割る12.97倍。通常、底で14倍が目安。天井で16倍越えが目安でその間を行き来するのだけれども、2月12日の週は15倍から12.97倍まで急降下している。今回の調整でいかに異常な売られ方をしたかがわかる。
信用評価損率は20%を大きく越えた。通常20%に接近したところが底入れの目安だが、今回は25.76%。2012年以降ここまで信用評価損率が悪化した月はない。
今年に入り新安値銘柄数が異常な増え方をしていることから、長期にわたり大幅下落が続いたことで信用買いした人の多くが含み損を抱えている実態が浮かび上がる。リーマンショック以来の歴史的下落だったことが以上のチャートで理解できる。
さて今後だがリバウンドの方向に向かうと見る。
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当面の底は14952円。長期上昇トレンド回復に必要な戻りは?
2月12日の14952円。これが当面の底で今後17000円近くまで戻ると見る(16800~17000円)。
そこから戻り売りが入るかもしれないが、売りをこなしながら徐々に戻る展開だろうか。戻り売りをこなしながら18000円前後まで戻すイメージ。
そこまでは三尊天井(ヘッドアンドショルダー)のかたちで、長期上昇トレンドを回復できるかは18000円ラインを超えて上昇できるかが鍵を握る。
日経平均株価 日足(SBI証券提供)
貸借倍率の低下から空売りは難しい地合いだ。もっと戻ってから過熱感が出てからでなければ難しい。ファンダメンタルズ的に割安度の高い銘柄が多い。
今期業績予想を上方修正しながら地合い悪にのまれて売り込まれた銘柄も少なくない。そういう銘柄の突っ込んだところを丹念に拾っていくといいだろう。
中小型、新興市場銘柄に妙味
東証1部大型株の動きが不透明な状態が続くために、中小型株や新興市場に資金が入っている。
長期投資で割安株をじっくり拾うなら東証1部大型株。しかし動きがいいのは東証1部の中でも中小型株。あるいは新興市場銘柄のほうが取り組みやすい。
今週の連続日足を見るとわかるけれども、日替わりで上下動が続き落ち着かなかった。不透明感がある。個人投資家には暴落が続いた印象が脳裏に焼き付いている人が多いだろう。
しかし誰もが買わないときが底だ。そして誰もが買うときが天井であるのは言うまでもない。
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地合い判断
上昇トレンド確率60~70%、買い有利の地合い
狙い目銘柄
先週の狙い目銘柄の結果
かんぽ生命<7181>(売り目線)は月曜始値2380円。金曜終値2447円。週間安値は水曜の2348円。引き分け。東急建設<1720>(買い目線)は月曜始値800円。金曜終値809円。勝ち。今週は1勝1引き分け。
今週の狙い目
東亜建設<1885>(買い目線)
底入れ水準。為替の影響度少ない内需セクター、そしてマイナス金利恩恵で今週、建設セクターに物色の矛先が向かった。同社はリニア関連銘柄で、3Qまでの業績進捗率が高く今期上方修正を出す可能性が高い。また売られ過ぎ度を見るマイナス乖離度も大きな銘柄。リバウンド狙いから入りたいところ。
青森銀行<8342>(買い目線)
底入れ兆候。ここの優待は魅力大きい。青森最大の地銀。貸借倍率0.14倍。超売り長。年間6円安定配当。長期保有者向き。
『山の中の超相場観』(2016年2月27日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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