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【展望】日経さらに下押しも~売り転換した信託銀行(国内年金)に要注意

金曜の日経平均は反騰したが週足で2月後半の安値圏を割っている。東証1部25日騰落レシオは100Pを割った水準で、まだ下押ししておかしくない。ダウも気がかりな水準にある。(『山の中の超相場観』)

今週の展望~ドル安に変化の兆しなく買い向かいにくい週に

日経平均株価~下げ止まったようには見えない

先々週三角持ち合い圏ブレイク下落で下押しし、下方への流れを作り、先週はその流れを引き継ぎ、月曜、火曜は下押し、水曜以降は金曜まで下げ渋った。15500円割れまで金曜前場下落したがそこから反発して先週は引けた。値ごろ感の買いだろうか。それとも水曜あたりから買い支えのような動きが目立ったので公的資金が出動したのだろうか。

先週日経平均が下押しした背景には急速なドル安円高の影響がある。週初めの1ドル110円前半から後半には107円台まで下落した。

輸送機器や電機、機械、精密など外需企業が多い東証1部、中でも225種の日経平均構成企業にとっては業績下押し懸念から売られやすい。

日経平均株価 日足(SBI証券提供)


米ドル/円 日足(SBI証券提供)

木曜NY市場で107円台までドル安円高が進行した中、金曜日経平均が買われたのが不思議なくらいだ。このドル安の動きが止まらない限り、安心して買い向かいにくいのではないか。いまだドル安の動きに変化の兆しはない。

テクニカル面を見てみよう。金曜、日経平均は反騰したものの週足で2月後半の安値圏を先週割っている。東証1部25日騰落レシオは100Pを割った水準。売られ過ぎの目安である80P割れまで、まだ下押ししておかしくない。この2つを見るとまだ下げ止まったようには見えない。

NYダウ~現在の水準が戻り高値の恐れ

もうひとつ不安な点がある。NY株式市場だ。NYダウ(ナスダックやS&P500もそうだが)が先々週、1月高値に近いところまで戻してきて先週、週足陰線をつけた。

心配するのは現在の水準が戻り高値位置ではないかということだ。昨年5月高値より11月高値が低い位置にある。そこから今年4月高値がさらに低い位置だ。

NYダウ 週足(SBI証券提供)

NYダウで言うなら昨年11月3日高値17977ドルを超えて上伸したら長期下降トレンドから脱出し始めたのではという見方もできるが、2月安値から強力な買戻しが続いたものの直近高値は4月1日の17811ドルで、抜くことができていない。

先週は調整の週で、下げ始めている。このまま今週、下落が続くなら長期的な下降トレンドに入り始めたと投資家に受け止められるだろう。

FRBは今後、利上げを進めるわけだし、過去、利上げを進めた期間は多かれ少なかれ株価の下押し圧力になっているため、今回も例外ではない。NY株式市場は現在戻り高値位置でこれから大局的に下落進行する可能性を考えながら臨むべきだ。

Next: 外国人売り減少も、信託銀行が売り転換/新興市場に資金流入



外国人売り減少も、信託銀行が売り転換

投資主体別売買動向で先週木曜発表の海外投資家は3月28日~4月1日の週も売り越していたことがわかったけれども、金額的には109億円と減少した。3月7日~11日の1兆円を超える売り越しからだいぶ減った。16週連続の売り越しだから、買戻しもそろそろ近いのだろうか。

ただし先々週まで18週連続の買い越しを続けた信託銀行が先週発表では売り越していることが判明。長期的なポジション交代か。ただし、高値を買い進める以前の買いポジションに外資が戻さなければ日経平均の上昇エネルギーに寄与するとも思えない。買い支えてきた信託銀行が売り転換したのは気をつけたい。

マザーズ市場に高値追いの資金流入

明るい話題も取り上げたい。マザーズ市場は海外投資家は直近の3月28日~4月1日の週、買い越していたことが判明。しかも信託銀行も買い越している。マザーズ指数は先々週、週足で上髭をつけ長期ボックス圏高値の可能性も浮上していたが先週、その上髭高値を超えて上昇した。投資マネーも流入している。背景に海外投資家と信託銀行のリスクマネーが流入している。わかりやすい動きのマザーズ市場に高値追いの資金が入り続けている。

マザーズ指数 日足(SBI証券提供)

投資戦略

今週の取り組みは、買いは、トレンドが出ているマザーズなど新興市場、あるいは東証1部でも新興市場系の銘柄を狙うこと。その一方で、東証1部大型株、特に外需銘柄、あるいはメガバンクなどは、なるべく戻りを狙っての空売り。2つを使い分けたらいいだろう。

空売りはどんどん下げてからの突っ込み売りは、リバウンド踏み上げの危険があるので、気を付けること。戻りが重くなったところというのは上昇トレンドで押し目位置から買うことと同じ。逆に突っ込んだところを売るのは、上昇トレンドで買われすぎている高値圏から買うことと同じ。エントリーするには適したポイントがあるので、そのへん気を付けて出動するようにしたい。

地合い判断

どちらかというと上昇より下降トレンドが明確だ。

Next: 狙い目銘柄~WSCOPE<6619>/インフォコム<4348>



狙い目銘柄

先週の狙い目銘柄の結果

アルプス電気(売り目線)は月曜始値1801円。金曜終値1713円。勝ち。週間安値は金曜の1621円。
サイバーダイン(買い目線)は月曜始値2152円。金曜終値2200円。勝ち。週間高値は月曜の2241円。
今週は2勝。

今週の狙い目

WSCOPE<6619>
テクニカル的な押し十分。連続足的に来週は買戻しが継続しそう。3月後半、直線の持ち合い圏高値をブレイク上伸。そこから4月初旬、調整しているけれども金曜、底入れと見える大幅反発で来遊は反騰が続くイメージ。3月29日高値の5720円を超えて上昇した場合、長期上昇トレンドが確認できる。

インフォコム<4348>
先週木曜、直近高値を超える上伸を見せた。今週、今年1月以降の中期持ち合い圏をブ
レイクアウト動意。さらに上伸をイメージする。値動きが崩れない。長期投資も可能と見る。

【関連】「日経1万円割れ&1ドル最低でも87円」が十分あり得るこれだけの根拠=江守哲

山の中の超相場観』(2016年4月9日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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