弁護人 「あなたは、社会復帰したら、今回の被害者に少しでも…という気持ちはあるんですか」
被告人 「はい、今は全くお金がありませんが…就業したあとは必ず、被害者の方たちにお金を返していきたいと思います」
そんなことしゃあしゃあと言って、絶対返さない、という被告人は多いわけだが、このお姉ちゃんはちょっと違うんじゃないかと思えた。これからは、夜の仕事をヤメ、規則正しい生活をしていくんだそうだ。「あの嫌なスパイラル」には二度と戻りたくないんだそうだ。
10時52分、検察官から反対質問。これは聞き応えがあった。
検察官 「高校卒業後、新○○観光に勤めていましたね」
ネット検索すると、旅行代理店ではなく、ゴルフ場やレストランを手広く経営してる会社のようだ。
検察官 「なんでキャバクラ、始めることにしたの?」
被告人 「父と母が小さい頃に別居…お金を早く貯めて自立したいというのが大きかったので…」
検察官 「いま考えると、キャバクラは間違いだったと思いませんか」
被告人 「良かったことも悪かったこともありました」
うわぉ、こんな供述を返す被告人は滅多にいないょ。仕事だって結婚だってそうだよね、えーん。 ←おいおい(笑)。
検察官 「キャバクラのお客さん、出し子とかいるわけですよね」
被告人 「はい」
検察官 「あなたキャバクラやらなきゃ、詐欺にも覚せい剤にも手を出すことはなかったのでは?」
被告人 「そうかもしれませんが、要は自分の気持ちの問題であって、意思を強く持っていれば…」
検察官 「昼の仕事では収入が減りますね。ガマンできますか」
被告人 「捕まる前は、収入のほとんどは覚せい剤に使っていたので、どっちみち意味のない生活していたので…普通に働き、実家で暮らせば、何の問題もないと思います」
そういうのも、相変わらずの棒読み口調でハキハキ言うのである。こんなお姉ちゃんはいねぇょ、大したもんだと俺は思った。
検察官 「今後、クラブに遊びに行ったりは、どうしますか」
その口調に俺は、検察官は執行猶予判決を予定してるのか? というものを感じた。
被告人 「クラブ自体は昔と違って薬は全くない時代なので、行くときは行くと思います」
検察官 「レイブとかの音楽イベントへは行きますか」
「レイブ」と聞こえたが、俺には何のことだか。野外音楽イベントのことらしい。そのイベントで初めての覚せい剤を経験したのだ。
被告人 「行きたかったら行くと思います。今は、レイブにも薬物が出回っていない、クラブにもサングラスの人はいない時代ですから…」
ってなんか如何にも検察官が時代遅れな言いぶりだけど、そうなの? 俺も時代遅れなの?
被告人 「そういう人たちは、押尾学やのりピーの件で摘発されて、一切もう今のクラブにはいません」