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【展望】日経平均はPER14倍割れからの反発局面、海外市場も強くじわり買い有利か

日経平均は決して強いと言える状態ではない。どちらかと言えば、方向感がない。しかし下げない。だから売りづらい。買いと売りのどちらが有利かと言えば、買いが有利。ただふらふら上下動の方向感がない地合いのためポジションが取りづらいのだが、じわり買い有利の方向という印象だ。(『山の中の超相場観』)

今週の相場展望~買いと売り、どちらかと言えば買いが有利

東1騰落レシオ、日経PERに過熱感なし

テクニカルをチェックしてみよう。27日の東証1部25日騰落レシオは109P。過熱感が出始める120P超えにはまだ上昇余地あり。そこまで直近で上昇銘柄数が多い印象はない。

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一方、日経225PERは14.13倍。ここに日経平均がファンダメンタルからして株価が評価されていない点が表現されている。14倍割れがだいたい日経平均の底水準で5月13日から24日まで13倍台が続き先週に入り14倍台に浮上した。

直近1年以内で14倍割れは昨年9月29日、今年1月21日、2月12日、そして今回だが、昨年9月、今年1月と2月の14倍割れの後、日経平均は反騰している。東証1部225種企業が稼ぐ利益に対して株価が14倍以下になると買戻しが入る。

2014年5月以降、このパターンは続いているので今回もこの動きになるのではないだろうか。ザラ場弱い地合いになっても下値を叩きにくいため売り妙味が少ない。騰落レシオは現在、買われ過ぎでも売られ過ぎでもない。そんな中、日経225PERは依然低い数字のままである。

日経平均株価 日足(SBI証券提供)

売り方の買い戻し半ば

貸借倍率は直近3年間でも最も低い4倍前後。売建てが増加し買い返済が進んでいる状況と理解できる。買戻しが入りやすい地合いだ。投資主体別売買動向で外資が昨年12月第2週から今年3月第4週まで長期で売り越し続けたものの、それ以降は売り姿勢を弱めていることと符合している。外資が3か月半売り続けた結果、売建てがまだ十分に返済されていない。

マザーズの不調が信用評価損率に与える影響は

意外なのは信用評価損率が10%を超える程度の低い状態にとどまっていること。これは2月半ば以降、マザーズを中心に新興市場人気で上昇相場が続いた恩恵だからだろう。

ただしこれからはわからない。投資主体別売買動向で5月第3週の動きがわかったが個人投資家は連続買い越し。第3週は極めて強かったマザーズ市場が大きく崩れた週で逆張りの個人投資家は絶好のバーゲンセールととらえたようだ。出遅れた個人投資家が下げたときに買おうとタイミングを見計らい、絶好の押し目買い時と見たのかもわからない。

しかしこの判断が正しかったのかどうか。その後もマザーズ市場は下げ続けており、信用評価損率を悪化させていると推測する。

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NYダウは長期下降トレンド入りを回避か

海外市場を見てみよう。NY市場は先週、長期下降トレンドに陥りそうなサイクルを断ち切ったと見ている。NYダウやナスダックの週足チャートからそう判断する。今週も続伸の動きなら長期上昇トレンドを復活させる可能性が高い。

NYダウ 日足(SBI証券提供)

リスク許容度に影響を与える原油先物価格が長期底入れを明確にしつつあることも好影響だろう。ドイツ市場においても今週の動きがカギを握るところまで来ている。長期下降トレンドの戻り高値位置にまで戻っており、今週さらに続伸すると下降トレンドからブレイク上伸に向かう。

インドを代表するセンセックス指数は先週明確にブレイク上伸、中国で外資が売買できる香港ハンセン指数は底入れしたように見え、こちらもドイツと同じ今週の動きがカギを握る。前回の安値より今回調整の安値が高い位置にあり、そこからの反騰だから底入れする確率が高いだろう。

中国の株価指数が上昇すればアジア圏の株式市場のムードを明るくさせる。

原油底入れも支援材料にリスクオン復活?

以上の条件もあわせて考えると現在、重い動きの続く日経平均だが、目先、それほど悲観する必要もなさそう。

そもそもテクニカル的に割安感がある日経225PER14倍割れ状態から過去、買い戻されてきた中、海外市場でも原油先物価格の底入れとともに、リスク市場が復活し始めている。

好業績でありながら割安感がある銘柄やセクターには資金が向かうだろう。先週、建設セクターに見直し買いが断続的に入った。人手不足と言われるくらい好業績で受注残のある同セクターはテクニカル的に売られ過ぎると買戻しがしっかり入るわけで、同様に現在好調な業種や企業をターゲットに絞りたい。

外資マネー流入、円安定着がカギに

市場的には今後、新興市場から東証1部に人気が移行するだろう。外資マネーが流入するかがポイントでドル高円安方向が定着すれば東京市場にも外資の買いが復活すると見る。

6月利上げの可能性から現在ドル高円安方向だが、株式市場と外為市場のバランスがうまく取れている。今、人気銘柄を買うのではなく、これから人気銘柄を買えるかどうか。それが今年後半戦の命運を分けそうだ。

地合い判断

日経平均地合い判定

上昇トレンド確率45%~55% 方向性が見えない(下押し圧力がある)

マザーズ地合い判定

どちらかというと上昇より下降トレンドが明確

JQ 地合い判定

上昇トレンド確率55%~60% 方向性がわかりにくいが、どちらかというと買い有利

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狙い目銘柄

ベネフィット・ワン<2412>

官公庁や企業の福利厚生業務の運営代行サービス。連続最高益で業績好調。地合い悪の中、今年2月12日の最安値以降、一貫して上げ続けている。

ベネフィット・ワン<2412> 日足(SBI証券提供)

チャートは長期上昇トレンド持ち合い圏の上限まで昇り、今後の動きに期待が向かう。浮動株比率が7.3%と低く筋がコントロールしやすい利点がある。広い裾野を形成しながら上げてきておりチャート妙味を感じる。きっかけひとつで、まだまだ大きく伸びそう。

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山の中の超相場観』(2016年5月28日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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