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【展望】足元下落の原因は本当に「トランプ」だけなのか?気になる諸リスク

マスコミの予想通り、トランプ候補が勝てば経済政策の混乱が予想され大きく下落する可能性があります。ではクリントン候補が勝てばどうか。NYダウは買い戻されるかもしれませんが、どれだけそれが力強いものかは不透明と言ったほうがいいでしょう。(『山の中の超相場観』)

※本記事は、『山の中の超相場観』2016年11月5日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

今週の株価・為替展望~リスクはアメリカ大統領選挙だけではない

引き続き軟調な地合いに

今週は引き続き不安定で軟調な地合いを予想します。テクニカル面からそういう可能性ありと判断しました。テクニカル的には過熱感ははがれ、むしろ先週水曜と金曜の下げ方が急すぎたので、売られ過ぎの状態です。

11月4日時点でストキャスティクスは12.86P。先週の91.89Pから急落。同じくRSIは34.07P。先週の95.52Pからこれも急落。同じくモメンタム系のテクニカル指数であるウィリアムズ%Rはマイナス80Pを超えました。
(ストキャスティクスは80%以上を高値圏、20%以下を安値圏。RSIが70%以上であれば買われすぎ、30%以下であれば売られ過ぎ。ウィリアムズ%Rは-20%より小さい数値になると買われ過ぎ、-80%よりマイナス幅が大きくなると売られ過ぎという目安)

東証1部騰落レシオは120.60P。139Pから下げましたが、120P以上が過熱圏ですので、これはまだ調整の余地あり。

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先週、急激に調整が進みましたが、RSIや騰落レシオからは、まだ調整の余地があります。ストキャスティクスやウィリアムズ%Rは突っ込みどころの値ごろゾーンを感じさせますが、ボリンジャーバンドで表現すると、下限に接触しながら下げ続け下押しゾーンを拡大させる動き方をしないか気になります。

週足で東証1部25日騰落レシオを見ると先々週、窓を空けて上昇し上髭を付けた後に先週、陰線で反落しておりますし、新高値銘柄数を同じく週足でチェックすると先々週の陽線を先週、大陰線で包んでいます。

今年春以降、持ち合い圏を上にブレイク上伸したと思ったのもつかの間、トレンドの転換がないか注意が必要です。

今週は火曜日(日本では水曜日)に米国で、大統領選の集票と開票が行われます。選挙戦の行方は混迷を極めており、クリントンとトランプ、両候補のどちらが勝利するか見えていません。

Next: 米大統領選を前に、アメリカ以外でもトレンド転換の予兆が…



米大統領選を前に、アメリカ以外でもトレンド転換の予兆が…

市場筋の見方は大まかに2つに分かれており、クリントンが勝てば株価は戻るという強気な見方と、どちらが勝利しても日本には経済的圧迫を強いてくるはずで株価は下押しが続くという弱気な見方です。どちらの可能性が高いかはわかりません。

NYダウのチャートでイメージするのは、今週もまだ下押しが続くのではないかということです。先週、8週間続いた直近のもみあいレンジを下限割れしました。下押し圧力が増大するところです。したがって今週続落したとしてもおかしくありません。

マスコミの予想通り、トランプ候補が勝てば経済政策の混乱が予想され大きく下落する可能性があります。ではクリントン候補が勝てばどうか。NYダウは買い戻されるかもしれません。

しかしどれだけそれが力強いものかは不透明と言ったほうがいいでしょう。メール問題で米国社会の世論は分かれており、クリントン候補の政権能力は未知数と言わざるを得ません。

ほかに気になる点は、米国以外の国でもリスク回避の動きが出ていることです。中でも新興工業国中、目覚ましい発展を遂げ、株価も長期上昇を続けたインドSENSEX指数が今年1月高値近くまで上昇したものの更新することができず現在、反落兆候な点です。長期的なWトップの可能性はないか。気を付けるべきでしょう。

先進国ではドイツDAX指数が先週レンジブレイクで反落しました。上昇トレンドの変化が気になります。

先週、世界の株式市場が米国大統領選を前にリスク回避に向かいました。それに伴い金や白金が買われています。貴金属市場は売られ続け割安感が高かったこともあるのでしょうが、安全資産へ傾斜する動きとも見れます。

Next: リスク回避の原因は「米大統領選挙」だけではない



不安は「米大統領選挙」だけではない

米国大統領選がリスク回避の原因と解説するところが多いですが、もう少し視野を広げると、年末の米国利上げ。これが影響している可能性大でしょう。

11月のFOMCで利上げ見送りは想定済みでドル円も102円台半ばまで下落したものの、その後買い戻され下値も限定的な動きになっています。いずれ焦点は12月FOMCに移ります。利上げ可能性を考えると、ドルをこれ以上売り込むのはリスクがあります。

円高進行が限定的なら、株価の下押しも限定的と考えたいところですが、為替面とは別に、米国利上げによる市場センチメントの軟化が気になります。強気より弱気筋が今後、相場を作る流れにならないか。

週足の東証1部騰落レシオやNYダウのチャートを見ながら決して強気になれない、というか、これだけ突っ込んでもまだまだ強気になれないのは、来月利上げを前にしたリスク回避への動きが気になるからです。

ドル高円安を背景に、シカゴ先物市場で買われ東京株式市場でも4週連続で外資が買い越していますので、日経平均はスピード調整で済む可能性ももちろんあるのですが、地合いそのものの軟化には注意していきましょう。

逆行高できる銘柄を選び、地合い全体の軟化に備えて日経レバETF<1570>を空売りするくらいのつもりで、今週は慎重に臨むことをお勧めします。

地合判定

日経平均

調整過程。

マザーズ

底がまだ見えない。

ジャスダック

上昇トレンド押し目。

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※本記事は、『山の中の超相場観』2016年11月5日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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山の中の超相場観』(2016年11月5日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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