今週の株価は反騰が進むと見ます。ただ当面は明確な上げ相場とはいかないでしょう。一方的な円安ドル高に期待できず、25日騰落レシオの調整が続く可能性があるからです。(『山の中の超相場観』)
※本記事は、『山の中の超相場観』2017年1月21日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
今週の株価展望~売り買い交錯の中、じわじわと立て直す動きに
騰落レシオとドル/円に注目
今週は反騰が進むと見ます。心配していた米国大統領就任式の混乱は特にありませんでした。ショック安的なものが起こらない限り、通常の売り買い交錯をしながら、日経平均は徐々に戻りを試していくものと予想します。
ただし当面は明確な上げ相場とはいかないでしょう。イメージとしては売り買い交錯しながらじわじわと立て直す動きを予想しています。
というのも、東証1部25日騰落レシオが予想通り100P前後まで調整しましたが、まだ調整が続く可能性があるからです。「120P以上が買われ過ぎ、80P台から売られ過ぎ」というのが25日騰落レシオの一般的な見方です。
現在の100P前後はその途中にある水準で、ここから再び買われ過ぎの方向に行く可能性もありますが、イメージとしては日経平均寄与度の高い大型株が買われながらも、全体的には下落銘柄数が多い状態となり、日経平均は戻りを試すものの騰落レシオは調整が進む方向を予想します。
理由としては、まず為替問題です。昨年12月からドル安円高トレンドに突入しましたが、トランプ政権が始動すると為替問題に言及しないわけにはいきません。これまでのようにツイッターでけん制するだけでは為替問題は解決しません。
トランプ氏は国内雇用を守ると宣言したわけですから、過度のドル高には注文をつけることが予想されます。あるいは財務省など影響力の高い経済閣僚から発言があるかもしれません。これまでのように、一方的に円安ドル高が進むことは期待できません。
ただし底入れはすでにしている見方です。新高値銘柄数の週足チャートは、この3週間で天井から底まで下がり今週は特に下髭足をつけています。日経225PERは16倍台前半で特に低くありませんが、2012年暮れから2013年4月までのアベノミクス上昇相場と同じイメージで高止まりしながら上げ続けていく可能性もあります。決して高い位置とは見ていません。
投資主体別売買動向では、外資の買い越しが続いているのも心強いです。個人や信託銀行の売り越しは続いていますが、外資がクリスマス休暇前の12月19日~12月22日の週に売り越し後、3週連続で買い越しました。
売り越しが続いている個人投資家ですが、1月第2週は26億円と減少してきています。トランプ大統領の就任式が終わり個人投資家の買いにも期待ができそうです。
また外資の買いは原油先物価格の上昇が背景にありますが、1バレル50ドル台で安定して推移しています。トランプ大統領はロシアとの関係改善に努めていますし、就任後まずは経済問題を優先するでしょうから、リスク選好相場が徐々に回復していくものと予想します。
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NY市場大暴落の可能性は今のところ低い
米国株式市場はVIX指数の通り、過熱圏でありながら、為替市場が円高ドル安でこの1か月進んできた中で、シカゴ先物日経平均が米国市場に連鎖安せず、独自の動きを続けているのも過度な悲観に傾かせない理由です。
米国株式市場は確かに過熱感は小さくないですがドル安と相殺していますし、日本株の割安さはリスクヘッジ的に彼らにまだ買い余地を残しているものと思われます。
というわけで世界的に何かショック安的なものが起こらない限り、底堅い動きはまだまだ続くでしょう。
今週からトランプ政権が始まり、最初はぎくしゃくする場面もあるかもしれません。懸念されるのはマスコミの政権攻撃ですが、彼が昨年11月9日に当選以降、株式市場は異常な強さを見せましたし、金融市場(ウォール街)は1%支配者層の牙城です。
自ら自分の首を絞めることはしないでしょう(就任早々のトランプを大暴落を作りお払い箱にする事態も考えられなくもないですが早すぎますし、懐はもっと深いと思え、可能性はかなり低そうです)。
ただ繰り返しになりますが、トランプ政権が始動して為替問題に言及してくる可能性は高くなりますので、警戒感からこれまでのようにドル高円安が進む可能性は低いと見たほうがいいでしょう。日経平均もサクサクと上昇するにはまだ時間がかかりそうです。当面、売り買い交錯しながら、じわじわ戻りを試すと思います。
今週の狙い目市場・セクター
今週は東証1部中心に売り込まれた銘柄にリバウンドが入りやすいでしょう。トランプ米国大統領の就任式前後のトラブルに気をつけてポジション調整する動きが見られましたが、無事通過したことで新規ポジションを構築する動きが東証1部中心に予想されます。売り込まれマイナスかい離度の高い有望銘柄には買戻しが入りやすいでしょう。
トランプ大統領の就任演説からインフラ関係、重機関係には見直し買いが入ることが予想されます。既に日立建機やコマツが金曜、買われ、直近高値を抜けようとしています。インフラ関係で米国市場に参入できそうな企業には買いが入るでしょう。
また金曜、ヤマシンフィルタ<6240>がトランプ後の米国市場参入に関してニュースの一部で紹介されていたので、現在絶好調の動きですが、さらにどこまで株価を伸ばせるか注目されます。
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※本記事は、『山の中の超相場観』2017年1月21日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。今週の注目個別銘柄やトランプ大統領就任式のポイントについても詳しく解説しています。
『山の中の超相場観』(2017年1月21日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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