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【展望】日経平均株価は調整含み、1万9000円割れならやや深く調整も(2/19)=山の中

日経平均株価は日米首脳会談の通過を好感して急反発後、先週に入り再び上げ幅を削る展開。週末ドル円が112円台に入ったことで、まず19000円前後までの調整が予想される。(『山の中の超相場観』)

※本記事は、『山の中の超相場観』2017年2月18日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

今週の株価・為替展望~大台割れなら次は18800円を試す展開か

株価は再び下値トライ、ポイントはドル円

今週の日経平均は再び下押しし、落ち着きどころを探る展開だろう。ドル円が金曜NY市場終値112.87円と113円割れ、ユーロ円は119.70円と120円割れ。それぞれ心理的な節目を割って円高に振れており株式市場の下押しにつながりそうだ。

為替以外、外部環境に目立った変化はない。イエレンFRB議長が先週火曜日、今年前半、あと数回の会合で利上げに踏み切るとタカ派発言を行ったことから早ければ3月にも利上げ観測が浮上し、それを受けてドル円は15日、114円95銭までNY市場で買われたものの、そこが天井で下落が続いている。

1ドル113円割れで日経平均はセンチメントの悪化から再び19000円前後、調整が深い場合は18800円ラインを試しに行く展開が予想される。

したがってドル円がどこで下げ止まるか。そこがポイントになる。チャート的には昨年12月第3週から下降トレンドが続いており、そこから変化していない。さらに言えば昨年11月第1週から週足大陽線が立ち、6週連続の上昇トレンドになったものの、その後調整が続き、直近安値112.00円ラインを割って下落進行なら下降トレンドが決定的になる。

イエレン発言で先週反騰したものの週末113円を割り、今週このまま下押しが続くとして112.00円ラインを割ることなく反騰できるのか。これが最大のポイントだ。日経平均の動きに大きく影響するのは言うまでもない。

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日米金利差は拡大方向だが

米国において経済指数は良好なものが続いており、長期金利も上昇傾向(現在2.4%台で安定推移)だが、3%程度の長期金利を目指しているとも噂されており、今年前半利上げには信憑性がある。

対照的に日銀は10年もの国債利回りを0%に抑える方針であり、日米当局の金融政策の違いから日米金利差は拡大していく方向。今後、ドル高円安が進みやすいはずだが、実際には重い動きが続いている。

トランプ大統領の口先介入への警戒も日米首脳会談を通過し、ある程度、解かれたはずだが、市場ではドル買円売りへの転換はなかなか進まない。1ユーロ、1.075ドルで蓋をされた後、下落していたユーロドルは先週後半、反騰中。再びドル安の動きに円はどこまで今週上昇を続けるか。3月利上げ思惑が米国にあるのなら極端にドル安円高が進むことも想像しづらいが市場では何が起こるかわからない。

19000円どころで下げ止まれるか

世界的な株式市場の環境は最近繰り返し書いているけれども、依然としてリスク選好で堅調だ。NY株式市場は主要3指数が最高値を更新し続けている。トランプ大統領の税制改革(減税)期待、国内インフラ投資期待、金融規制緩和期待を背景に買われている。

原油の上昇も続いており、ドル高が進まないのはこのへんにも原因があるのかもしれない。

上昇トレンドが目立つ世界の株式市場の中で日経平均は今年に入り、ボックス圏が続いている。上は19500~19600円。下は18800円前後の約800円の狭いレンジ内で上下動を繰り返している。

先々週、日米首脳会談が無事通過したことを好感してレンジ上限まで急反発したものの、先週に入り、再び上げ幅を削る展開。先週末のドル円が112円台に入ったことで今週日経平均はまず19000円前後まで調整する展開が予想され、そこで下げ止まるかが注目される。

Next: 意外にも個人投資家の投資成績は良好。外国人投資家の動向は?



外国人投資家が4週ぶり買い越しに転じる

現在東証1部の25日騰落レシオは9日の87.9Pから反騰し100.64P。日経225PERは9日の15.33倍から現在約16倍へ反騰。やや買戻し優勢の上方ウェッジ型持ち合い圏が形成されつつある。

したがって今週月曜、下押ししてもそれほど深い調整とならないかもしれない。東証1部でも優良銘柄を保有しているのなら、必要以上に地合い悪を恐れず、どっしり構えていけばいいだろう。

取り組みにくさから、一貫した買いポジションを取り続ける投資主体がなかなか現れない。

個人投資家は買い越しに転じていたものの直近では再び売り越し。個人はマザーズ市場では一貫して買い越しが続くけれど東証1部は見送り。信託銀行も1月16日から27日まで2週連続買い越したものの、その後は売り越しが続く。

外資は今年1月第2週まで明確に買い姿勢だったが、その後は売り続けて直近、2月6日~2月10日の週に4週ぶりに買い越しに転じている。強い上昇トレンドに外資の影響力は大きい。買い越しポジションが続くことに期待したい。

個人投資家の投資成績はまずまず良好

日経平均の方向感のない動きが続く中、意外に思われるかもしれないが個人投資家の投資成績はまずまず良好であることが信用評価損率でわかる。最新データである2月10日は6.78P。昨年7月以降、最も低い水準である。

10%未満の信用評価損率は信用取引による損がかなり低いことを表しており、裏を返すと、儲かっている状態を示している(逆に20%を超えると大きな信用損を出している証であり、相場の底の目安になる)。

日経平均の方向感が不透明、つまり取り組みにくいのに、なぜ信用評価損がこれだけ低い状態かといえば、新興市場を中心に中小型株の動きがよいからだろう。もともと個人投資家は東証1部は売り越し、マザーズや東証2部、JQ市場は買い越し姿勢が目立っていた。

ドル円の動きが目先不透明で日経平均も持ち合い圏で取り組みにくいため、この傾向はまだ続くのではないだろうか。ファンダメンタルで銘柄を選ぶよりチャートで銘柄を選ぶべきだろう。新興市場は為替に業績への影響を受けにくい内需系の企業が多い。今後極端な円安に振れない限り、新興市場への資金流入は期待できる。

為替以外にも新興市場が買われている理由がある。次世代型のビジネステーマに取り組み成果を上げてきている。そうした企業が増えてきている点も無視できない。

たとえば指紋認証ソフト分野の成長で今期黒字化が視野に入ったDDSは医療現場から動態顔認証ソフトの開発も要請があるという。指紋認証はPCやスマホなど端末に広がりを見せているし、動態顔認証は医療現場だけでなく公安など、今後裾野が広がりそうだ。

それ以外には人工知能フィンテック仮想通貨情報セキュリティー(電子認証含む)IoTo2oなど産業革命的な動きが始まっており、大きく化ける企業が隠れているだろう。

第二のソニー、セブンイレブン、TUTAYAや楽天のような企業が出てくるのだろう。話題性だけで業績にリンクしていない企業が急騰急落する現象も新興市場には過去目立ったけれども、今後は長い目で成長する企業を選ぶようにしたい。
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※本記事は、『山の中の超相場観』2017年2月18日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。本記事で割愛した、今期業績変化率が大きそうな個別銘柄についてもすぐご覧いただけます。

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山の中の超相場観』(2017年2月18日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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