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【展望】日経平均は上伸ムード、押しても19300円所は買い戻し優勢に(3/5)=山の中

今週の日経平均株価は、上伸の動きを予想します。今週、再びボックス下限まで押すと見る人もいますが、私はここから押してもそれほど深くなく、反騰は近いと読んでいます。(『山の中の超相場観』)

※本記事は、『山の中の超相場観』2017年3月4日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

今週の株価・為替展望~利上げ期待を背景にリスク選好が続く

注目イベントを無事通過

今週の日経平均は、上伸の動きを予想します。理由は、トランプ大統領の議会演説を経過してなおリスク選好相場が続いたことから、日経平均もその影響を受けると考えるからです。

日本時間3月1日午前11時。トランプ大統領が米国上下両院における初の議会演説を行った後、出尽くし売りになるか?それともリスク選好の継続となるか?固唾を飲んで見守りました。もちろん出尽くし売りを心配していたからですが、その結果はと言えば、日経平均は後場上げ幅を拡大。そしてNY株式市場は大幅上昇。NYダウは前日比+303ドルの大幅上昇と買われました。

これで、世界の投資家はリスク選好の強気相場をまだ続けるつもりだ、と確信しました。1日のシカゴ日経平均先物は大証比+175円の19565円。前日の東京現物市場に続き、大幅続伸で返ってきました。海外先物の外圧で長期続いた持ち合い圏がブレイク上伸するのではと見ていましたが、そのとおりのイメージできています。

ドル円はなぜ買われたのか?

そもそもトランプ大統領の議会演説の前日、2月28日から3月1日にかけて、NY為替市場のドル円に異変が起きていました。

ニューヨーク連銀のダドリー総裁が、米国利上げは「比較的近い将来の公算」と発言。またサンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁もタカ派のコメントを行ったことで、111円67銭まで弱含んでいたドル円が急反発したのです。実におかしい。きな臭い動きだと感じました。

というのも、さかのぼること2週間前の2月14日に、FRBイエレン議長が「今年数回の利上げをすることは適切(3月も含む)」と、すでに議会で証言していたからです。この時は、1ドル114円台に乗せるドル高円安になりましたが、その効果は長続きせず、再び下押しが始まり、直近112円を割るまで下落していたのでした。

そうした中、ニューヨーク連銀とサンフランシスコ連銀の総裁が、比較的近いうちに利上げは行われる、と発言したことによる再度のドル買いは、信憑性に欠ける気がしました。どうしてこの程度で?と。今度のドルの反発は本気か?と。イエレン議長の発言でさえ2週間ともたずにドルは再び最安値水準まで下落しているのに、連銀総裁の発言にどこまで賞味期限があるのかと懐疑的に思ったわけです。

もっとも、ドル円はW底の動きでしたし、これをきっかけに買戻しが進みました。ただし、トランプ大統領の議会演説のまだ前ですし、2人の連銀総裁によるタカ派発言に何かあるのか、水面下で何が進行しているのか、わかりませんでした。

1日午前11時から、注目のトランプ大統領の議会演説をネットで見ました。並行してシカゴ24時間取引の米国株価指数先物(GLOBEX)の動きをチェックしていました。まずまず底堅い動き、そして議会の雰囲気は少しぎこちなさを感じはしたものの、悪くありませんでした。それで後場、底堅く推移するのではと予想しました。演説は十分合格点だと考えたからです。

この日の後場は、想定以上の強さで引けにかけて上げ幅を拡大させました。14時47分の明日の予想で次のように書いています。「局面が変わる場合シカゴCME、つまり海外先物市場の影響で上へ抜けるケースが結構ありますので、今夜のCMEで大証終値よりさらに上へ上げる可能性もあります。明日、19600円台に乗せると年始につけた高値19615円がしっかり視野に入り、たまったエネルギーが上へ放出されることもありえなくもありません」。

予感は当たり、1日のNY市場はトランプ演説を前向きにとらえ大幅上昇。NYダウは前日比303ドルも上昇し、シカゴ先物日経平均は大証比175円高の19565円まで買い上げられました。

日経平均は利食いに押されるも、押して強し

これで決まった、と思いました。リスクをまだ追いかけるのだと。そして年初来高値を更新して日経平均は持ち合い圏を上へ抜けると読みました。そして2日の寄りつきに年初来高値19668円を付けたのですが、その後、金曜引けまで利食いに押された状態です。

今週再びボックス下限まで押すと見る人もいます。しかし今週さらに押しても、それほど深くなく、反騰は近いと私は読んでいます。

Next: 日経平均の反騰は近い、その2つの要因とは?



日経平均の反騰は近い、その2つの要因とは?

理由は2つあります。1つはNY株式市場を中心にして、投資家のリスク選好の市場心理が継続していること(つまり高値追い)。もうひとつは、FOMCが来週火~水曜(14~15日)にかけて行われるため、利上げ思惑から売り込みにくいことがあげられます。

したがって、週末のNY外為市場は1ドル114円前後で引けていますが、月曜以降、下押しは限定的となるでしょう。

ちなみにNY金や米国10年もの国債は先週大きく反落し、日米金利差は拡大方向です。ドル円の週足は直近4週で陽線上昇、陰線2週連続下落、そして先週大陽線でN字形の反騰のかたち。NY株式市場の上値追いもあり、リスク選好の投資商品が買われやすいと考えられ、ドルも今週買われやすい環境にあります。

以上の市場環境から判断すると、日経平均の下押しは限定的で、どちらかといえば買戻しが進みやすいでしょう。

木曜につけた下の窓を金曜、埋めていますので、金曜のシカゴ先物日経平均は大証比-10円で返ってきましたが、今週月曜から再び反騰を開始すると見ます。押しが深い場合は下値メドが19300円、浅ければ19400円に届かない程度で買戻しが入るイメージです。今年1月18日、2月7日、2月27日と安値のラインを結ぶと、そういう予想になります。

米雇用統計しだいで早期の日経2万円台回復も

今週の重要スケジュールは、水曜の日本10-12月期GDP改定値、木曜のECBドラギ総裁会見、金曜の米雇用統計、この3つです。

特に重要なのは金曜米国の雇用統計。イエレン議長が、利上げ判断のカギを握る経済指標の一番に雇用統計を挙げているため、いい内容が出れば利上げ観測が高まり、ドル高にもつながりやすいです。今のところ米国経済は良好で、雇用統計もいいものが出そうな雰囲気です。

もっとも、雇用統計が内容の悪いものになれば、利上げ観測の後退から急激なドル安円高に変わるリスクもあります。この場合、1ドル111円台ぐらいまで再度調整する可能性があります。

雇用統計の内容がいい場合は、115円ラインを明確に上抜いてくると予想します。ドル円の直近連続の週足から、ドル高円安が進行する可能性が高いと見ています。それにともない、日経平均も今週連騰した場合、3月中旬までに2万円の大台を回復することも夢ではありません。

Next: 唯一の懸念は、2014年6月来の低水準にあるVIX(恐怖指数)



唯一の懸念は、2014年6月来の低水準にあるVIX(恐怖指数)

唯一気をつけたいのは、NY株式市場の過熱感です。

現在のVIX(CBOE Volatility Index=恐怖指数)は2014年6月29日以来の低さで、11ポイントを割っています。

2014年当時のNYダウは、VIXが安値をつけた1カ月後の2014年7月28日から急落を始めました。このときは当然、日経平均も影響を受けました。

歴史は繰り返すと言いますので、今回も、1カ月以内にNY発の暴落が襲ってこないとも限りません。それを見越してリスクヘッジするなら、日経レバETF<1570>の空売りを狙うのも手かもしれません。
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※本記事は、『山の中の超相場観』2017年3月4日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。本記事で割愛した全文(「地方発優秀銘柄」「来週の戦略」)もすぐ読めます。

山の中の超相場観』(2017年3月4日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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