今週の相場観は強気姿勢を継続。フランス大統領選でマクロン氏が勝利すれば株価は素直に上伸すると見ますが、ポイントは万一ル・ペン氏が勝利した場合です。(『山の中の超相場観』)
※本記事は、『山の中の超相場観』2017年5月6日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
仏選挙でマクロン氏勝利なら日経平均株価は年初来高値更新へ
先週末のシカゴ日経先物は強含み
先週は国内データが月曜、火曜の2日分だけで、東証は投資主体別売買動向の新規分を発表しておりません。ゴールデンウィーク中でデータ不足ですので、大まかな予想にとどめさせていただきます。
今週の相場観のまとめは、強気姿勢、継続です。週末米国のNY株式市場とシカゴ先物日経平均はどちらも強いもので、NY主要3指数のひとつ、S&P500の週足チャートは持ち合い圏ブレイク上伸の兆し。またシカゴ先物日経平均(円建て)は大証比155円プラスの19705円。
先週の当欄では、「フランス大統領選の決選投票において、中道・無所属でEU残留派のマクロン氏が勝利すれば、日経平均は3月2日につけた19668円を超えて年初来高値を来週早々にも更新する」と予想しました。しかし結果がわかる前にシカゴ先物で日経平均はそれを超えています。
ドル建て日経平均では19725円とさらに明確に19700円台に乗せて引け、日経平均の強含みぶりがわかります。マクロン氏が順当に勝利すれば、今週早々に19700円台に乗せると見るのが妥当です。
S&P500 日足(SBI証券提供)
シカゴ日経平均先物円建 週足(SBI証券提供)
しかし、もし万一(というほど、両陣営の差は開いていないのかもしれませんが)極右政党国民戦線のル・ペン女史が勝利した場合は、その限りではありません。市場に対して下押し圧力となることが考えられます。
選挙の結果は蓋を開けてみなければわかりません。昨年6月、英国国民投票で脱EU派が勝利し、11月の米国大統領選でも保護貿易を主張するトランプ氏が勝利と、昨年、米英で反グローバリズム政権が誕生しました。フランス大統領選でも、反グローバリズムが勝利する可能性はあると思います。
国の垣根を取り払い政治経済を一体化させるグローバリズムへの反動が、昨年以来の世界的潮流になっているので、フランスでも同じ現象が起きておかしくありません。リビアやシリアで多くの難民が生まれており、EU内も一枚岩ではなく、本稿執筆時点ではどちらが勝つかわかりません。
ポイントは、もしル・ペン女史が勝利した場合、株式市場への影響は一時的なものかどうか?でしょう。
Next: マクロンの順当勝ちか、ル・ペンの逆転勝ちか? 2つの相場シナリオ
ル・ペン勝利なら、ユーロとドイツDAXは一時急落の可能性大
万一、英国に続きフランスもEU脱退ということになれば、EUの存続そのものが危うくなるのではと誰しも考えるはずです。
ギリシャや東欧など、政府の財政基盤が弱い国をドイツだけで支えることができるのか不透明要因が重なりますので、ユーロは現在急反発していますが急激に売られること必至でしょう。この場合、ドイツDAXは先々週に続き先週も連続反騰し高値更新しておりますが急落すると見ています。
ユーロ/円 日足(SBI証券提供)
ドイツDAX指数 週足(SBI証券提供)
サプライズがあってもショック安は一時的か
以上を踏まえての結論としては、仮に決選投票でル・ペン女史が勝利した場合も、株式市場のショックは一時的なもので、長期的な下降トレンドに入るということはない、と現時点では考えています。
昨年6月の英国国民投票でEU離脱派が勝利したときも、11月に米国大統領選でトランプ候補が勝利したときも、暴落は1日で済んでいます。仮に1日だけの混乱で済まない場合でも、S&P500やシカゴ先物日経平均、ドイツDAXのチャートを見ると、ショック安からやがて反騰し、上伸していく可能性が高いと読みます。
マクロン氏が勝てば、今週からそのまま上伸に入ると予想します。
日経平均が年初来高値を更新した場合、今週にも2万円台に到達する可能性があります。優良銘柄を選び抜き、遅れてやってきた上昇相場に乗り損じがないようにしましょう。
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※本記事は、『山の中の超相場観』2017年5月6日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。本記事で割愛した全文(「ヒット銘柄探しの作法その5」)もすぐ読めます。
『山の中の超相場観』(2017年5月6日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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リーマンショックや東日本大震災の前にショート(売り方)ポジションを取り大暴落を大幅利益に変え、アベノミクス上昇相場が始まる前にバブル崩壊後の日経平均の長期下降トレンドは底打ちしたと判断し買い方に転換。山中株式投資塾がおくる1週間ごとの相場観です。