日経平均は当面は安定期、1万7600円~1万5600円が妥当水準に
表1は直近の1週間(5営業日)について日経平均と通常の変動範囲、変動の限界の値を一覧表にまとめたものです。通常の変動範囲、変動の限界ともに上側と下側で示しています。もっとも近時はもっぱら下側が注目ですね。

表1:直近5日間の日経平均と変動の範囲―直近日:2016年3月4日―
ここでは2月29日から3月4日までの5営業日の値をまとめています。
この表で右端にある「かい離率」が通常の変動範囲と変動の限界値を決めるカギとなります。詳しくは下段の[理論株価とは]にある、『資産運用のブティック街』のうちの「理論株価で測る相場の位置づけ」をご覧ください。
直近では変動の下限はマイナス10.7%、通常の変動範囲の下側はマイナス5.75%となっています。足元のかい離率は3.57%と5.75%の内側となりますので通常の変動範囲内に収まっているわけです。
さて、こうした理論株価に基づく相場の位置づけを今後の相場展望につなげると次の3つの見方が可能です。
- 日経平均は通常の変動範囲に戻ったので当面は安定期に入りしばらく落ち着いた動きが続く
- 日経平均は足元の回復基調をそのまま維持して理論株価に回帰していく、その場合の目標となるメドは理論株価の1万7600円程度
- 外部環境の悪化等でリスク回避志向から再び下げ基調に戻る、下げ局面が続いた場合の下値のメドは変動の下限の1万5600円程度
当メルマガは相場見通しが難しい時にこうしたシナリオを立てる根拠としてご利用できますますので、相場判断の材料として頂ければ幸いです。今後ともご愛読のほどよろしくお願いいたします。
[理論株価とは]
「理論株価」は株式相場の位置どりを客観的に評価することを目的に、業績と為替で日経平均の水準を評価する指標です。この指標は個人向けの投資学習サイト「資産運用のブティック街(bCAM)」で相場の妥当な変動範囲を判断するコーナー、「理論株価で測る相場の位置づけ」で使われる指標で、日次ベースで更新、公開されています。同コーナーでは「理論株価」の具体的な求め方、意味についても紹介しています。当メルマガと合せて『資産運用のブティック街』をご覧いただくことでより確かな相場評価のご参考にしていただければ幸いです。
『投資の視点』(2016年3月5日号)より一部抜粋
無料メルマガ好評配信中
投資の視点
[無料 週刊]
「投資の視点」はより実践的な株式投資の力をつけるための講座に衣替えしました。真に投資の力をつけるには以下の3つの要件が必須です。(1)中立の立場(2)実務の専門家(講演の専門家ではない)(3)もれのない講座体系大手経済新聞社OBを中心に、ファンドマネージャー、チャーチスト、財務分析とポートフォリオ運用の専門家が集結してこれらの要件を満たす講座を立ち上げました。講座は「資産運用のブティック街」として、市場の切り口、テクニカル分析、企業の財務、ポートフォリオ戦略―の4つのテーマに整理・提供いたします。