日経平均の下落を狙うプットオプションの仕組み
弱気の投資家であれば、プットオプションの買いで儲けを狙うことになります。500円下の2万3,000円(250円)、1,000円下の2万2,500円(140円)、1,500円下の2万2,000円(80円)のプットオプションを買います。投資金額はそれぞれ、25万円、14万円、8万円となり、投資家が選んだ権利行使価格に日経平均が下落する動きになれば、買い付けたプットオプションは通常であれば上昇します。
仮に弱気予想が的中し、1,000円日経平均が下落したとすると、大まかなプットオプションの予想価格ですが、2万3,000プットは250円→760円、2万2,500プットは140円→450円、2万2,000円プットは80円→240円まで上昇すると考えられます。
安いプットオプションほど、上昇率が大きくなります。
小泉郵政改革相場の時、2004年の春から2005年の夏まで1年数か月にわたって日経平均は1万2,000円が上値の壁となり、抜けずに苦しんでいました。それが8月に1万2,000円の壁を打ち破ると、12月までの5か月間で1万6,000円まで4,000円の上昇を見せたのです。
通常、オプショントレーダーは1か月後のSQ値を予想して、1ヶ月先が満期のオプション取引を行うものです。ところが、あるオプション取引初心者のお客さんは、3ヶ月先、半年先で、2,000円程度上の権利行使価格のコールオプションに数百万つぎ込んでいた方がいました。
その結果どうなったかと言いますと、200万円ほど購入していたコールオプションの価格が跳ね上がり、アッと言うまでしたが確か6~7,000万円になったのです。
ビギナーズラックと言ってしまえばそれまでですが、1年半近くも抜けなかった1万2,000円を抜ける前に、2,000円も上の権利行使価格のコールオプションを買うなど、普通の投資家ではおカネを捨てるようなものだと、通常では考えつきもしないはずでした。
そういう意味では、現在日経平均は2万3,500円程度でなかなか2万4,000円に到達できませんが、3ヶ月先の2020年3月限の2万6,000円のコールオプションは34円の3.4万円で購入できます。10枚購入で34万円ですから、万一3か月後に日経平均が2万8,000円になっていたら、34万円が2,000万円以上に大化けすることになります。
6か月先の2020年6月限の2万6,000円コールは、135円の13.5万円で購入できます。こちらも半年間何が起きるかわかりませんから、もしも半年後に2万8,000円になっていたら、13.5万円が200万円以上に軽くなるわけです。「テンバガー」どころの話ではありませんね。
オプションの爆発力はすごいものがあります。
株式市場でもオプション市場でも、捨て金覚悟で勝負に出れば、運良くタイミングがハマれば一気に「億の近道」を駆け上がることは誰にでも可能なのです。
例として挙げた初心者だからこそ投資できた、思い切ったオプション買いでの長期投資で、大きな資産を作り上げた人が実際にいるのですから、投資は本当に奥が深いと思います。
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『億の近道』(2019年12月11日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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