景気低迷時に買われるはずの債券は逆に売られた
そして、本来であれば雇用を含めた景気の低迷は、米国債券市場には買い材料となるはずである。
ところが、米株の上昇とその背景となった追加の経済対策への期待感から、リスクオンの動きが意識され、4日の米債は売られた。追加の経済対策となれば、国債の増発も意識されることで、米債の売り圧力となった可能性もある。
4日の米10年債利回りは一時、0.98%まで上昇し1%に接近し、3月以来の水準を付けた。

米国国債10年 日足(SBI証券提供)
米国大統領選挙でバイデン前副大統領が勝利し、渋々ながらもトランプ大統領は一般調達局にバイデン氏への政権移行開始を許可するなどしたことで、政権移行は徐々に進むとみられた。
さらに民主党のペロシ下院議長と共和党上院のマコネル院内総務が追加経済対策を巡る協議を
再開したと報じられており、、追加の経済対策成立への期待感も強めていた。
そこに米雇用時計で雇用の停滞が示され、これを受けた経済対策がまとまるのではとの期待感が強まったとみられる。
バブルの様相か
期待感でこれだけ株価が動くほど、米国株式市場の地合は良く、今後の米国債の増発も意識されて米債の地合はあまり良くはないようにもみえる。
米国株式市場の地合いの良さは当然ながらも株高そのものにも表れているが、株高が進むことで、売りが仕掛けづらい面もある。これはある意味、バブルの様相といえなくもない。
流れには逆らってはいけないが、細かい兆候にも注意を払う必要があろう。
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『牛さん熊さんの本日の債券』2020年12月7日号より
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