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不動産の親子間売買とは?デメリットや手続きについて解説

不動産の親子間売買とは、文字通り親子間で不動産を売買することです。親子間で自宅を売買する主なケースとして、親がローンの返済に困ってしまい、子供が住み続けるために親から子に売却するケースが挙げられます。

自宅の親子間売買は、基本的には個人間の不動産売買と大きな違いはありません。しかし、税金の取り扱いやローンの組み方など、注意すべき点もあります。

今回は、自宅の親子間売買のデメリットや税金、手続きの流れなどについて解説します。

自宅の親子間売買におけるデメリット

売買に関する費用が発生する

自宅の親子間売買で発生する税金は、基本的には通常の不動産売買と同様です。

親から子に自宅を売却するケースで譲渡益が発生した場合、親(売主)に譲渡所得税がかかります。税率は不動産の所有期間によって異なり、売却した年の1月1日現在で所有期間が5年以下なら約39%(短期譲渡所得)、5年超なら約20%(長期譲渡所得)です。

なお、通常のマイホーム売却で売主に適用される「3,000万円の特別控除」「特定居住用財産の買換え特例」は、親子間売買では適用されないので注意が必要です。

一方、子(買主)には不動産取得税や印紙税(契約時)、登録免許税(登記手続き時)などがかかります。また、自宅を購入後は毎年固定資産税の負担も生じます。

参考)
国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」
国税庁「No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例」

買主が住宅ローンを組むのが難しい

親子間売買で自宅を購入する場合は金融機関の審査が厳しくなるため、住宅ローンを組むことが難しいケースもあります。不動産は高額なので、ローンを組まずに実勢価格と同水準で現金購入するのは現実的ではないでしょう。

一方で、住宅ローンは組めなくても、不動産担保ローンであれば融資を受けられる可能性があります。不動産担保ローンは住宅ローンに比べて金利は高くなるものの、借入限度額が比較的大きく、長期にわたって借りられます。

参考)・不動産担保ローンとは?

贈与税が発生する可能性がある

売買価格と実勢価格の乖離が大きいと贈与とみなされ、贈与税が発生する可能性があります。「類似物件の取引価格を調べる」「不動産会社や不動産鑑定士に査定を依頼する」などの対応を行った上で、適正価格で売買することが大切です。

贈与とみなされないか心配な場合は、売買価格に問題がないかを税理士などの専門家に確認するといいでしょう。

自宅の親子間売買の手続き

自宅の親子間売買を行うときの流れは以下の通りです。

  • 不動産に関する情報収集(登記簿謄本の取得、実勢価格の調査など)
  • 売買価格の決定
  • 売買契約書の作成
  • 売買契約の締結
  • 登記手続き

売買契約書を作成するために、まずは売却する自宅について情報収集を行います。登記簿謄本を取得して、所有者や抵当権設定の有無などを確認しましょう。また、不動産会社に査定を依頼するなどして、自宅の実勢価格を調べます。

不動産の売買価格は売主と買主で自由に決められますが、実勢価格から乖離した著しく安い価格での取引は贈与とみなされることがあります。売却価格を決定したら、契約書を作成して売買契約の締結と登記手続きを行いましょう。

一連の手続きは個人で行うことも可能ですが、不備があると契約をスムーズに進められなかったり、贈与とみなされたりする可能性もあります。不動産に知見のない個人の方では難しいことも多いので、必要に応じて税理士や司法書士、不動産会社などに相談しながら手続きを進めるといいでしょう。

親子間売買ではなくリースバックという選択肢も

住宅ローンや不動産担保ローンの借り入れによる親族間売買が出来ない場合は、「リースバック」という選択肢もあります。リースバックとは、自宅を売却してまとまった資金を手に入れながら、家賃を払うことで同じ家に住み続けられるサービスです。

リースバックで自宅を売却して現金化すれば、相続財産を分配しやすくなるため、相続トラブルを避けられます。また、親子間売買のように贈与とみなされる心配もありません。

また、子が「自宅を所有したい」という希望がある場合は、親が一度リースバック運営会社に売却した後に子が買戻しすることも可能です。

まとめ

自宅の親子間売買は、通常の不動産売買と大きな違いはありません。ただし、「売却価格によっては贈与とみなされる」「住宅ローンを組むのが難しい」といった注意点もあります。

相続対策として自宅の売却を考えているなら、状況に応じて「不動産担保ローン」や「リースバック」の利用を検討してみましょう。

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