貿易摩擦拡大に伴う景気悪化懸念を受けて、日経平均株価は62円安の2万1,275円で取引終了。円相場が1ドル=107.80円前後とやや円高に振れた。(『ハロー!株式』)
米中首脳会談を控え、買い控えムードのまま終了
G20開催、以前のサミットで日本の首相が端に追いやられた理由
サミット会場の国際展示場「インテックス大阪」に到着した各国首脳を安倍首相が出迎え、日本が初の議長国となるG20大阪サミットが始まりました。
たくさんのカメラが並ぶ出迎えの場は首脳同士の親密さをアピールする場であり、そのすぐ後に行われる集合写真の撮影も首脳同士の打ち解けた関係を国内外にアピールする役目を担っています。
今回の集合写真ではホスト国の安倍首相が中央に立ちましたが、以前のサミットでは日本の首相が脇の方に追いやられたような立ち位置の時もありました。これは首脳同士の関係性や差別といったこではなく、首脳同士が集まる集合写真の並び順には一定のルールがあります。
例えば今回はホスト国の安倍首相が最前列の中央に立つのは当然として、向かって左隣に次回のG20サミットのホスト国となるサウジアラビアのムハンマド皇太子、右隣に前回ホストを務めたアルゼンチンのマクリ大統領が並びました。
あとは原則として国際儀礼(プロトコル)に則り、中央から外側に向かって「大統領(国家元首)」→「首相」の順となります。大統領は国家元首であるため、行政のトップである首相よりも優位のポジションとなります。
大統領同士、首相同士の場合は就任時期が優先されます。日本の首相が端の方に立つことが多かったのは、以前は短期間で交代していたためです。
相場概況
本日の東京マーケットは、日経平均株価が62円(0.29%)安の2万1,275円で取引終了です。

日経平均株価終値 日足(SBI証券提供)
昨晩のNYダウは10ドル安となり、円相場が1ドル=107.80円前後とやや円高に振れたことを嫌気して朝方から売りが先行。米中首脳会談を明日29日に控え、またまた週末とあって買い手控え気分は強く、終日安い水準での値動きとなっています。売買代金は2兆621億円、上海総合指数は17ポイント(0.6%)安の2,978です。
業種別では、電力ガス、精密、水産、海運、保険などが高く、一方で石油、証券、不動産、鉄鋼、機械、商社などが下げています。
個別銘柄では、創薬ベンチャーのカルナバイオが3日連続でストップ高、800円高の2,462円となっています。米ナスダック上場の製薬大手ギリアド・サイエンシズと新規がん免疫療法の研究開発で提携契約を結んだと発表し、好感した継続しています。契約一時金2,000万ドル(約21億円)、開発状況に応じて追加で最大4億5,000万ドルを受け取ります。
NECが180円高の4,240円と値を飛ばして年初来高値更新。高い技術力を有することからセキュリティや次世代通信規格5G、またIoT事業の拡大による業績向上を期待した買いが入っています。
婦人服製造小売りのハニーズが4日連続高、131円高の1,185円と大幅高です。19年5月期の連結純利益が前の期比16倍の31億円となり、従来計画10億円から大幅上方修正となり、また増配意向も示したことで好感した買いが膨らんでいます。既存店売上高が5月まで10カ月連続で前年同月以上となっています。
創薬のペプチドリームが150円高の5,510円と値を上げています。スイス製薬大手ノバルティスと薬をがんなどの標的細胞に正しく届ける共同研究開発に関する契約を締結したと発表。契約一時金などを受領することとなり、好感した買いが入っています。
その他、一押しで自動運転関連のヨコオが3日連続高で28円高の2,212円、プラスチック射出成形品取り出しロボット世界シェア3割のユーシン精機が60円高の1,009円、シチズン系で置き時計・壁掛け時計が柱のリズム時計が67円高の1,389円と値を飛ばしています。
本日の新高値銘柄は、ハニーズ、朝日ネット、チタン工、参天薬、森精機、明電舎、NEC、日本信号、ヨコオ、HOYA…等々です。
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